5
気分が良い。
決して清々しい筈も無い街の夜風を浴びて、それても気持ちが良かった。
酒のせいってばかりじゃなくて、懐かしい友に会えたってだけでもなくて。
必死に口説き落としたっていう話に、何もしようとしていない自分を対比した。
辻元の中にそんな熱いものがあるんだ、同い年の俺の中にだって、きっとそういうものがあるんじゃないかって・・・そんな希望が持てた。
日々に疲弊して、冷めていくだけの自分に絶望しかけていた時にヤツに会えた。
メールで話して、実際に話して、きちんと顔を会わせて・・・
それだけでも、昔の無邪気だった頃の自分に、少しは戻れた。
だから、人の幸せをただ指を咥えて見てるってだけじゃ・・・情けないよな?
少し自分を見直そう。
そう思って、この休みは部屋を片付けた。
雑然とした部屋にいて、新鮮な気持ちになれる訳が無い。
嬉しいハプニングにも対応できやしない。
・・・まぁ、これは都合の良い願望だが。
引数も戻り値も、関係無い。
俺は俺で、やれる事をやればいい。
自分という関数の中で、たいした事はしてなかったのは自分で、
何のためにあるのかよく分からないと思ってたのも自分だ。
だから、自分のために意味のある生き方がしたくなった。
◇◆◇◆◇
週明けの月曜日、会社の近くにカフェができていた。
思い出してみれば、この間までは『近日オープン』と貼ってあったような気がする。
テイクアウトでコーヒーでも買って出社するか。
そう思い店の自動ドアをくぐった。
そして、運命に出会った。
・・・まぁ、運命は、多少大袈裟かもしれない。
けど、レジで微笑むショートヘアに赤いメガネの、スレンダーな店員に・・・一目惚れした。
やっぱり俺は気が強そうなのがタイプらしい。
営業スマイルの中にも、どこか芯の通った所が見て取れて、難癖つけてきた客にはそれ相応の対応をしそうな人だなと、待ってる間中その姿を目で追った。
この店は日参かな・・・。
そうドギマギしながら、コーヒーと釣りを彼女の手から受け取り、どこかフワフワした心地で会社に向かった。
読んで下さった方に、感謝いたします。
ありがとうございます。
短編なのですが、2000文字までって事で、
ぶっつんぶっつん切りまして・・・5話になりました。
でも、短編ですので一斉にアップです。
大人な話が書きたいなーって、考えてるけど、終わりが見えなくて、
数ヶ月放置してる物の、ちょっと前の話です。
だから、いつか続きが日の目を見る事が・・・あればいいな。
やー、しかしC言語本気で忘れてて笑った。
本棚から、学生時代のテキスト引っ張り出しました。
C言語検定2級持ってるくせに。(1級は受けてない)
でもこれ学校でしかやってないし・・・仕事してる頃は、VBとSQLばっかだったし。
あーどっちにしろ、もう戻れない(汗)
日進月歩、そして上書きされる私の脳ミソ。