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第8話 残り香の疼き ― 桜良の朝


夜の白百合家は、静寂の中に甘く重い香りを湛えていた。

白百合 桜良さくらの自室。淡い月光がレースのカーテンを透かし、ベッドの上の少女を銀色に染めている。黒髪ロングがシーツに広がり、紫銀の瞳は半ば閉じられ、長い睫毛が激しく震えていた。


挿絵(By みてみん)



「さくら……疲れたんでしょう? お姉さまが、ちゃんと癒してあげるからね」


銀白の髪を肩に流した白百合 澪が、優しい声音で囁きながら妹の傍らに身を寄せた。

19歳の大学部二年生である彼女の瞳には、深い愛情と、それ以上に熱く貪欲な独占欲が宿っている。


挿絵(By みてみん)



シスコンと呼ばれる感情は、守り人の血筋の中で育まれた禁断の蔓のように、絡みつき、離れようとしない。

桜良さくらは、薄い寝間着の裾をそっと握りしめた。守り人としての重圧が、日々胸を締めつける。去年の藤花ひよりとの儀式失敗、世界を支える大守り人の責務、そして次世代純血守り人として背負う運命——それらすべてが、彼女の心を閉ざした蕾にしていた。


「お姉さま……今夜も、ですか……」


「ええ。あなたはいつも頑張りすぎるんだから。少しだけ、甘えていいんですよ?」


挿絵(By みてみん)



澪の指先が、桜良さくらの頰を優しく撫でる。触れた瞬間、淡い白い光の粒子が二人の間でほのかに舞った。

それは家族の血がもたらす、禁じられた芽吹きの残り香だった。

澪はゆっくりと体を重ね、妹の首筋に唇を寄せた。


挿絵(By みてみん)



柔らかな吐息が肌をくすぐり、桜良さくらの体が小さく反応する。

澪の動きは最初、慈しむように優しかった。まるで大切な花を労わるように、肩から胸元へ、指が滑る。


「んっ……あっ……お姉さま……」


桜良さくらの唇から、抑えきれない甘い喘ぎが漏れた。

澪は微笑みながら、寝間着の前を開き、露わになった柔らかな膨らみを両手で包み込んだ。

掌で優しく揉みしだき、親指で頂を転がす。

そこに顔を寄せ、舌先で丁寧に舐め上げる。

温かく湿った感触が、花弁を優しく開かせるように、桜良さくらの体を激しく震わせた。

光の粒子が徐々に増え、部屋に甘い百合の香りが広がり始めた。

澪の愛撫は、徐々に熱を帯びていく。

「疲れた妹を癒してあげたい」という言葉とは裏腹に、彼女の瞳には欲望の色が濃く浮かんでいた。

桜良さくらの抵抗する手を、優しく、しかし確実に押さえ込む。


「動かないで……お姉さまが、全部、綺麗にしてあげる……」


澪は体をずらし、桜良さくらの脚の間に顔を埋めた。黒髪が銀白の髪と絡み合い、二人の花が禁じられた蔓で結ばれるかのように。

舌が、秘められた花芯に触れる。

最初は優しく、露を舐め取るように。

やがて、執拗に、貪るように。花蜜のような甘い雫が溢れ、澪の唇を濡らす。桜良さくらの腰が無意識に浮き上がり、指がシーツを強く握りしめた。


挿絵(By みてみん)



「あぁっ……お姉さま……そこ、だめです……んんっ!」


澪の舌は巧みに動き、花弁の隙間をなぞり、花芯を優しく吸い、時には強く刺激した。

光の粒子が激しく舞い上がり、部屋全体を白と銀の光で満たす。

蔓のような柔らかな輝きが、二人の体を絡め取り、離れられないように引き寄せる。

桜良さくらの体は、何度も頂点を迎えた。

最初は優しい波のように、次第に激しい奔流となって。花蜜が溢れ、シーツを甘く染める。

紫銀の瞳は潤み、理性と快楽の間で激しく揺れ動く。


「いっ……くぅっ……お姉さまぁ……! また……あぁぁっ!」


体が弓なりに反り、強い光の奔流が爆ぜた。絶頂の余韻で桜良さくらの体が小刻みに震える中、澪は満足げに顔を上げ、唇の周りに付いた花蜜を舌で拭った。だが、その表情はすでに優しさだけではなかった。

欲望がむき出しになり、妹の体をさらに貪ろうとする。


「まだ……足りないよ、さくら。お姉さまの愛、もっと感じて……」


澪は再び胸に顔を埋め、頂を強く吸いながら、手を下へ伸ばした。

執拗な愛撫が続き、桜良さくらは抵抗しつつも、体が正直に反応してしまう。葛藤が胸を刺す。

これは家族の愛か、それとも守り人の掟を犯す禁忌か。


「あんっ……お姉さま……やめて……でも……あぁっ! いきます……また、いっちゃいます」


何度目の絶頂か。

桜良さくらの意識は白く染まり、強い光の粒子が爆発的に広がった。

甘い香りが部屋を満たし、蔓が二人の体を強く結びつける幻視が浮かぶ。

やがて、行為が終わった。


澪は満足そうに妹を抱きしめ、額に優しいキスを落とした。


「おやすみ、さくら。大好きだよ」



挿絵(By みてみん)



と囁き、部屋を去っていった。

一人残された桜良さくらは、乱れたシーツの中で体を起こした。虚しさが胸に広がる。体はまだ熱く、余韻の光の粒子がゆっくりと消えていく。

罪悪感が、冷たい露のように心を濡らした。


(これは……本当に癒しなのだろうか。守り人としての私は、こんなことで、心の重圧から逃れられるのだろうか……お姉さまの愛は、甘いのに、苦い……)


紫銀の瞳に、別の少女の姿が浮かんだ。

小柄な黒髪ショート、琥珀の瞳をした1年生、つむぎ

ベンチでの触れ合い。あの時感じた、純粋で優しい共鳴。

澪の執拗で濃密な愛撫とは全く違う、温かく、穏やかな芽吹きの香り。


つむぎさん……あなたの花は、こんなに苦くはない。

優しく、包み込むように……私の蕾を、そっと開いてくれそうな……)


桜良さくらは窓辺に立ち、夜風に黒髪をなびかせた。

胸の疼きは、まだ残っていた。

澪の残り香と、つむぎへの淡い想いが、混じり合って彼女の心を激しく揺らす。

朝が近づいていた。

学園で、またあの少女と出会うかもしれない。

その予感が、閉ざされた蕾に、わずかな痛みと期待を与えていた。

守り人の朝は、いつもこうして始まる、残り香の疼きとともに。




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