第127話 満開の余韻 ― 祝福と涙の調べ
白百合教会の礼拝堂は、静かな光の海に包まれていた。
桜良と紡は祭壇の上で、互いに強く抱き合ったまま、荒い息を整えていた。
二人の体は汗と愛液で輝き、光の粒子が優しく、しかしまだ激しく二人の周りを舞い続けている。
満開の余韻が、甘く温かな波となって礼拝堂全体に広がっていた。
最初に動いたのは、友人たちだった。
教会の外で祈りの粒子を送っていた楓と玲奈が、互いに見つめ合い、喜びのあまり同時に駆け寄ってきた。
二人は強く抱き合い、涙を浮かべて笑った。
「やった……桜良さんと紡ちゃん……本当に満開したわ……!」
楓の声が震え、玲奈は明るい笑顔で頷きながら楓の背中を強く叩いた。
「最高だよ! 私たちも頑張らなきゃ!」
あかりとゆかりは、少し離れた場所で二人の粒子を浴びながら、静かに微笑んでいた。
あかりはゆかりの腕にしがみつき、明るい声でつぶやいた。
「ゆかりちゃん……見て……桜良様と紡さんの光……すごく綺麗……
お疲れ様……本当に、お疲れ様です……」
ゆかりは優しくあかりの頭を撫で、穏やかな声で囁いた。
「ええ……よく頑張ったね……二人とも……」
藤ノ宮 紫苑は、ルリカの隣で静かに膝をつき、深く頭を下げた。
「お仕えします、咲良様、紡様……
これからも、白百合家のため、レイラインのため……精一杯お仕えいたします」
その横で、薔薇宮 ルリカが紫苑の腕に絡みつき、甘えた声で引っ張った。
「しおん~~~! もういいから早く帰ろ?
ルリちゃん、もう我慢できないよぉ……
お仕えは後でいいから、早くエッチしよ~~」
紫苑の顔が一瞬赤くなり、周囲から小さな笑いが漏れた。
ルリカは構わず紫苑の胸に顔を埋め、甘えるように体をくっつけた。
現当主・白百合 麗華は、静かにその光景を見つめていた。
何も語らず、ただ穏やかな眼差しで二人を祝福するように頷くと、
ゆっくりとその場を去っていった。麗華は教会の出口近くで、娘の澪を見つけた。澪はくすんだ瞳で桜良の姿を見つめ、静かに涙を浮かべていた。
麗華は無言で澪を抱きしめた。
「……ごめんね、澪」
澪の肩が小さく震えた。
「お母様……私は……もう……」
「いいの。あなたはよく頑張った。
これからは、桜良の支えになってあげて」
麗華の声は優しく、澪はただ母の胸に顔を埋めて静かに泣いた。
新・次期当主の白百合 カンナは、ゆっくりと祭壇に近づいた。
銀髪のロングヘアーが光の粒子に照らされ、知的な瞳から大粒の涙が溢れていた。
カンナは桜良と紡の前に立ち、声を震わせながら言った。
「おめでとう……本当に……ありがとう……」
カンナは二人の体を静かに抱き寄せた。
成熟した大人の温もりが、二人の汗ばんだ体に優しく伝わる。
「あなたたちの満開は……世界を変える光になるわ……
私は……本当に……嬉しい……」
桜良はカンナの胸に顔を寄せ、静かに微笑んだ。
「カンナ先生……ありがとうございます」
紡も敬語で、しかし心からの想いを込めて答えた。
「カンナ先生……私たち……頑張りました……」
カンナの涙が、二人の肩に落ちた。光の粒子は徐々に穏やかになり、
白百合と桜の優しい光が、二人の体を優しく包み込んでいた。
満開の余韻は、喜びと感動と、静かな祝福に満ちていた。
友人たちの笑い声、ルリカの甘えた声、澪の静かな涙、カンナの温かな抱擁。
すべてが、二人の満開を祝福するように、教会に響いていた。世界のレイラインは、今、確かに癒され始めていた。




