読書仲間ほぼ恋人
無自覚恋愛。
「いや、告白されても」
「あなたが卒業したらでいいから」
「僕には、そういうの分かりません。先生、気持ちはありがたいけど、この告白はなかったことにして下さい」
「本当はわかってるくせに」
「本当はわかってるくせに、か。
嫌な呪いだな」
1人になって、呟く。
また、告白された。
また、僕は断った。
息を吐き、図書室へ向かう。
放課後の図書室が、なぜか大好きだ。本当に、理由がわからないけど。
「恋愛って、何なんだろうね」
答えは、返ってこない。
「高校生だから、そういうのはわかってるはずだ、みたいな。僕には全くわからないのに」
ただ、本を読んでいる。
「参ったな、まだ1年生なのに。
僕は本が好きで、読んで知ったことを、ただ実践しているだけなのに。
なのに、告白って、困ったな」
「君も、僕に告白していいんだよ?」
「誰がするか」
思わず、にやけてしまう。
早口、低い声で、返してくれる。
質問したら返してくれる、そしてその答えは、いつも、そっけない。
読書仲間の、少女。
同級生で、髪は長く大人しい、少女。
「僕のこと、好きになったりしない?」
「どうしようもない奴だから嫌だ」
僕には、恋愛がわからない。
誰かを好きになるとか、わからない。
でも、何でだろう?
この子と一緒にいると、なぜか落ち着ける。
「さて。
今日は何を読もうかな」
ただの読書仲間、そうとしか思えないんだけどな。
ありがとうございました。




