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小学校編.1

 私、恋咲こいさき 雛乃ひなのは父が好きだ。勿論(?)、異性としてである。血も繋がっている。


 何を馬鹿なことを、と思うかも知れないが事実だから仕方がない。理由?好きなものは好きなだけだ。理由はない。


 今日も今日とて私は小学5年生というアドバンテージを活かし、父の懐に潜り込み、「大人になったら結婚して」作戦にて言質を取りに行く所存である。




「雛乃ちゃ〜ん。もう小学5年生なんだから、お父さん離れしましょうね〜」




「・・・チッ。わかってるよ。お母さん」


 私が風呂上がりで軽装になっている父に擦り寄ろうとしている時に現れたのは、我が母にして最大の恋敵である恋咲 あかりだ。


 黒髪清楚のお淑やか美人ーーを装っているが、それは父を落とす為に父が好む見た目に擬態しているだけだということを私は知っている。腹も黒い。


 因みに私はそんな母の容姿の良さを受け継ぎ、黒髪清楚系の美少女なのだ。しかし、父には効果がないのが難点だ。


「いいじゃないか、あかり。こんなことを言ってくれるのも中学生になるまでだろう?」


「駄目よ、あなた。雛乃も、そろそろ外に目を向けないと〜。・・・どうなるか、わかったものじゃないわ」


 こちらに剣呑な視線を向けながら告げる母を睨み返しながら、私は父に見えないように舌を出した。


「・・・流石、我が娘。本当にクソガキ」


「あかり、ごめん。ビール取ってくれない?一緒に乾杯しよう」


「は〜い!あなた〜!一緒に乾杯しましょうね〜!」


 TVを見ている父の所に向かう途中、母は態々こちらに勝ち誇った表情を向けて、ビール片手に去っていった・・・クソが!!


 いつか、その顔を絶望色に染めてやる、と心の中で誓いながら私は「・・・宿題するから」と自分の部屋に戻っていった。

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