第五話染め合う仲
第五話染まり合う仲
私と彩那は大荷物を抱えて目的地である錦秋通りに向かっている。
私は錦秋通りで彩那に気持ちを伝えるつもりでいる。
彩那にだけは知ってて欲しい、私の気持ちを。
三七分後
「ねえ彩那……着いたし、ちょっと飲ませて」
私はさっきのスマテンで買った一.五リットルのミルクティーを飲んだ。
ゴクゴク
「ぷはぁ……やっぱりミルクティーは美味しいっ!! 普段はこの距離ならあまり疲れないんだけどさすがにこの大荷物だと疲れるね彩那」
「だねぇ……私にも一口ちょうだい、お願い」
「いいよ……というか二人で飲むために買ったんだから」
いつもの私なら『これって間接キス!?』とか動揺するんだろうけど、彩那も疲れてるだろうから今は彩那の願いを叶えるのが先って考えてるけど照れてないわけじゃない!!
「別に一口じゃなくてたくさん飲んでもいいから……どうぞ」
「ありがとう…………ふぅ、うん美味しいね。ねえ愛海せっかく錦秋通りにきたし記念に写真撮ろうよ」
「写真は嬉しいんだけど記念ってなんの?」
「だ〜いすきな愛海とのデート記念!! なんてね……えへへ(デートスポットって言われてる錦秋通りに愛海と二人でこれたからって浮かれてすっごいこと言わなかった私!? 今の愛海どう思ったかな? 嫌だったかな? というか『だ〜いすきな愛海』って言ったよね私、それってもう告白じゃん!! 告白する時はもう少し雰囲気のいい場所で……ってここデートスポットだから雰囲気は充分あるよね、うんじゃあオッケーだ!! ダメだよこんな大荷物二人揃って持ってるだけで雰囲気台無しだよもーー!! よし、今は恥ずかしいから……こ、今度もっかい言うぞおーー!!)」
「なっななななな今彩那なんて言った? もしかして私のこと好きって言ったの!? 私も同じだから本当に嬉しい」
「あっありがとう……その……愛海声に出てるよ」
「えっ嘘……はっ、恥ずかしいから忘れて!!(でも結局はここで伝えるつもりのことだから)やっぱり忘れないで、彩那が言ってくれたんだからちゃんと私も伝えるよ。私も彩那のことが好きずっと……だから今度ここに来る時は……本当のデートがいい」
「今度は本当のデートでここにって……ほんと、嘘じゃないよね?…………嬉しい」
「ちょっと……泣かないでよ彩那、私まで…………」
そして私と彩那は付き合うことになり嬉しさのあまり二人とも泣いてしまった。
二十分後
「……ごめんね愛海、嬉しくて……こんなに泣いちゃうなんて、えへへそれじゃあこれからよろしくね"私だけの恋人さん"」
「私こそよろしく恋人さん……なんか恥ずかしい。咲美に連絡するからちょっと待ってて」
「照れくさいねこういうの、でも……夢じゃ、ないんだよね……えへへ、ダメだニヤけちゃう」
私は咲美に連絡をした。
そして私は咲美に彩那を友達としてではなく"恋人"として紹介するために大荷物を持って家に戻った。
二時間後
ガラガラ
「……はぁ、はぁ咲美……ただ……いま」
「おかえりお姉ちゃん……それに彩那ちゃん……それともお義姉ちゃんのほうが良かった?」
「そっそれはまだ気が早いよ咲美ちゃん……そのうち……ね、愛海」
「そっそういうのは卒業してから!! 今はまだ早い彩那も咲美も!!……灯凪ちゃん久しぶりだね」
「……おっ、お邪魔してます愛海先輩!! それに彩那先輩もお久しぶりです!!」
「久しぶり……さっき私と愛海で錦秋通り行ってきたんだ〜……それでね……私たち付き合うことになったんだ〜!! えへへ、もうね嬉しすぎて飛び跳ねちゃうんだよ」
「そっそうなんですね。あのですね……彩那先輩後で相談乗ってもらっていいですか?」
「私でいいの? 愛海にも…………」
「あっ、愛海先輩にはちょっと言いづらくて」
「分かったその時は是非とも先輩の胸を貸してあげよう!!」
「ありがとうございます」
彩那と灯凪ちゃんは何か話してるけど聞き取れない
「ねえねえお姉ちゃんちょっと灯凪の私のことで相談いい?」
「いいけど、珍しいね咲美が私に相談なんて……まあいつも私ばっか相談乗ってもらってるからねお姉ちゃんに任せて……って言っても上手く出来るか分からないけど、それでもよければ」
「別に上手くなくてもいいよ……お姉ちゃんに聞いてもらうだけでも嬉しいんだよ私は!! それじゃ荷物持ってくね……よいしょっと」
そして私は咲美の相談に乗ることにした。
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