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第二話鈍感な姉妹

 第二話鈍感な姉妹


 私は咲美が放った『私お邪魔だった?』の一言を聞いてこれだと彩那が私の気持ちに気づいてしまうのではと思ってますます、気まずくなってしまったと思っていたのだけど……彩那の方はそう思ってなかったみたい。

「……ねえ愛海、もしかして咲美ちゃん何か勘違いしちゃったのかな? 私と愛海はまだ付き合ってないのにね。だから一緒に居てもいいのにね」

 私はある言葉に疑問を思った。

 それは『まだ付き合ってない』の部分だ。

 “まだ”ってことはいつか付き合ってくれるって事なのかな?

 期待してしまったら期待通りにならなかった時のショックが大きくなってしまう。

 分かってはいる自分勝手だってことは。

 私は動揺を隠すように棚の中に入っていたカードゲームを取り出し彩那にこれで遊ぼうよと誘った。

 そのゲームとはジェンガだ

 どうしよう、よりによって彩那とやると余計に恥ずかしいゲームを選んじゃった。

 どうして恥ずかしいかというと……手が触れるかもしれないし

 どうしてこのゲームがあるかというと……まあ咲美が『お姉ちゃんが彩那ちゃんと遊べるように買っておいたよ!!(これで手が触れるかもしれないドキドキとゲームのドキドキで……というかお姉ちゃんジェンガが倒れたのと同時に彩那ちゃんを押し倒しちゃえ!!)』と

 彩那は「懐かしいし楽しそうだから二人でしよ」と満面の笑顔で言ってくれた

 遊ぼうと言ったのを少し後悔しつつも彩那と一緒にこのゲームを出来る嬉しさの方が勝ってしまい顔がニヤけそうになるのをなんとか抑えた。

 そして場面は咲美に変わる

 お姉ちゃんどうだろう? 今回こそ彩那ちゃんと上手くいってくれればいいんだけど。

 お姉ちゃんはなんで彩那ちゃんの気持ちに気づかないんだろ?

 ……多分お姉ちゃんは『自分のことなんて誰も好きになってくれるわけがない』とか思ってるだろうけど、というか絶対思ってるよね。

 だってそう言いながら泣いてるもん寝る前に……でもこれってお姉ちゃんには言わない方がいいよね。

 走りながら私は考えごとをしていた時どこかで見たことのあるような女性とすれ違った。

 するとすれ違った女性が私に話しかけてきた

「あれ、さきみんじゃん!? まさかここで会えるなんて思わなかったよ」

 私のことをさきみん呼びするのは一人しかいない

「まさか灯凪(ひな)!? やっぱり灯凪だよね!! 会うの小学校以来じゃない?(どうしよう最初成長しすぎて灯凪だと気づかなかった。というかいろいろ成長しすぎ……負けてるんだけど、ぐぬぬ)ねっねえ灯凪本当……変わったね、その変わりすぎて最初気づかなかったよ」

 灯凪は驚きつつも笑みを浮かべた後「そんなわけないじゃん」と口にした

 実は灯凪は咲美のことをこれまでも見つけていたのだが話しかけたいのに話しかけるべきかを悩んでいた。

 この二人はジョギングコースで何度か会っていたが気づいていたのは灯凪だけだった。

 灯凪は勇気を振り絞ってやっと今日話しかけることが出来たのだった。

 私は灯凪にお姉ちゃんがどうやったら彩那ちゃんと上手くいくのか相談してみた。

「ねえ灯凪相談なんだけどさ、お姉ちゃんと彩那ちゃんを付き合わせるにはどうしたらいいのかな?」

 私は聞いた後に灯凪がそもそも彩那ちゃんのことを知っているのかと疑問に思ったが

 灯凪は彩那ちゃんのことを知っている様子だった

「彩那姉とは昔からよく遊んでるからね!! 最近は彩那姉が相談に乗ってくれることが多くてね……あっ! そうだ咲美ちゃんにも彩那姉の連絡先(LINE)教えていいか今から聞いてみるね!!」

 そういえば私彩那ちゃんの連絡先(LINE)知らないんだった

「ね、ねえ灯凪今から彩那ちゃんに聞くのは……待ってほしいかなぁ」

 灯凪は「どうして待ってほしいの?」と当然の反応をした。

 私は灯凪に家でお姉ちゃんと彩那ちゃんが二人きりでいることを説明した。

 すると灯凪が

「あぁ〜そゆこと……なんとなくだけど分かったよ!! それじゃ私たちは楽しもっか!!

 さきみんは、どこか行きたいところとかあるの?」

 私が行きたいところ……か、お姉ちゃんと彩那ちゃんが付き合った時のためにおすすめ出来るようにデートスポットって呼ばれてる場所とかかな?

 私には関係ないだろうけど

「ねえ私が灯凪と行きたいのってここなんだけどいい?」

 灯凪は顔を真っ赤にして

「ここって恋人同士のデートスポットで有名なところじゃん。まあさきみんが行きたいって言うなら……行くのって私とだよね」と聞いてきたので私は答えた

「当然灯凪と行くに決まってるじゃん、それに灯凪以外誰がいるの?」

 そして私と灯凪はこの辺りで恋人同士のデートスポットとして有名な通りである『錦秋通り(きんしゅうどおり)』

 この通りの名前の由来は森園宗匠(もりぞのそうしょう)が美しき紅葉の景色を見て付けたのが始めらしい

 この通りのモットーは『四季の木々・花々の美しき景色を観てそして肌で感じる』こと。

 そしてこの場所が有名になったのはドラマ『華を直視できない櫻木さんは"華"に魅入られすぎて困ってます』の主人公の櫻木凛華(さくらぎりんか)がヒロインの花園夏恋(はなぞのかれん)に告白されて付き合うことになった時のワンシーンの撮影場所として使われたことで有名になった場所

 私はお姉ちゃんに「久しぶりに灯凪と会えたから錦秋通りに行ってきます」と連絡した。

 そして場面は愛海へと戻る

 ピコン

 突然何かの通知が来たので私はスマホを確認した。

「……えっ!?」

 私は思わず声が出てしまった

 私の驚く声を聞いた彩那が「そんなに驚いて何があったの?」と聞いてきたので私はスマホの画面を見せた。

 彩那は「もしかして咲美ちゃんが錦秋通りに行くって言ったから驚いたの?」

 と聞いてきたので私は思いっきり首を縦に振った。

 すると彩那が「私たちも行ってみる?」と言われ……言われた!?

 こっこれはどういう……まさかデートとか……いやさすがにそれはないよね。

 咲美が心配私にとっては行く理由としては十分すぎる。

 私はそう思い彩那の誘いに乗った。


読んでいただきありがとうございます!!

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