ゆあ
???「こ、、こんにちは。」
あたし「はい、こんにちは。こんな森の中で何かあったかな?」
あたしは今回の相手が女の子で少し怖がっていたので、優しく話しかけた。
???「、、、うぅ〜。」
あたし「どうしたのかな?」
少女はもじもじとしていたが、急にこっちの方を向くと、決心が決まったように言ってきた。
???「私と一緒に来ませんか??!」
ちょっと、いや、かなり驚いた。
こいつ何故、、、?
???「ぁ、あなたにもメリットがあります!」
あたし「は、、はぁ。」
???「実はですね。この森には大変危険な動物や怪物がいます。動物の方はまぁ、逃げれば何とかなるんですが、怪物の方は怪物がこちらを殺す気ならば、絶対に殺されます。」
あたし「うん。」
???「森の中は危険。私は森の中で集落を作る、知的怪物の一種である『アレラ』様に奴隷として、長らく生き長らえさせてもらっています。今回の、、、というか、今回も任務は発生した人間を出来れば生きている状態でアレラ様達に献上することです。あなたにはその献上品になって欲しいのです。」
そう!そうなのだ、怪物は生きた人間を欲する。だから、普通は人間を拘束して、献上する。わざわざ、説得なんてしても時間取られるし、意味がないと思うからだ。それが普通の発想なんだ。
あたし「え、でも、あたし、死ぬくない?」
???「いえいえ、アレラ様達は人間を使って、人間を持ってこさせます。だから、アレラ様達から認められ、人間を持ってくる側の人間になればいいのです。しかし、この提案に皆、頭を縦に降りません。皆怖いのでしょう。そういうもの達は大抵、死んだ状態でアレラ様達に献上されます。もし、あなたがこの提案をうけいれれば、生きた状態でアレラ様達に献上されます。生きた状態だからといって、絶対に持ってくる側の人間になれるとは限りません。当然、アレラ様達は気まぐれですから。ですが、、!ですが!いずれ死ぬのなら、どうせでも、長く生きながらえたくないですか?!
私はこういうことが言いたいです。
もし、私に着いてくるのなら、
私があなたに持ってくる側の人間になるための、
最高の支援をすることをお約束しましょう。
私についてきてくれませんか?」
?、、ら、、、???。、、話が長すぎてよくわかんなかったな。
取り敢えず、私のために死んで!と、あたしは言われているのかな?
まぁ、おもろそうだし?
あたし「いいよ。君、名前なんて言うの?」
ゆらり「え、いいんですか?!分かりました。私の名前はゆらりですよ。ゆらり。あなたにはまだ、名前が無いかもしれませんが、アレラ様に会ったら、名前を付けてもらいましょう。」
あたし「分かった。」
あたしとゆらりは初期位置から離れ、一緒に森の中を進みだした。
アレラ様達はほとんど動かず、ずっと部屋の中にいるらしい。
で、ゆらりの任務はその部屋のドアの前に人間を置くこと。
生きた人間もドア越しに持ってくる側の人間に任命するか決めるため、実は、ゆらりはアレラ様達を見る機会がほとんどないらしい。
ゆらり「かれこれ9年ぐらい従属しているんですけどね。」
アレラ様達は少なくとも3体、多くて5体ぐらいらしい。
あたし「その感じで行くと、家族で住んでいる感じなんかな?」
ゆらり「あ、それありますね。」
進んでいくと、緑の生い茂った森ではなく、茶色に枯れたようなものになっている森になり、霧が濃くなっていった。
ゆらり「これが、アレラ様達に近づいている証拠ですよ。アレラ様達は他の怪物と違い、好戦的じゃないですから、霧で他の生物を惑わせるんですよ。」
そうだね。だから、アレラ達は名前も姿も現さない。
あたしはゆらりに手を引っ張られながら、かなり濃い霧の中を突き進んだ。
そうして、遂に霧がはれ、そのアレラ様達の住居が姿を表した。
そこには大きな大きな木が1本、ど真ん中に立っており、その木の中を掘って、生活しているような感じだ。
あたし「木でっか〜。」
ゆらり「そうですね。この木のことを我々は巨大樹と呼んでいます。絵本部屋の絵本から、巨大樹はアレラ様達が育てたとか何とかの情報がありました。真実は違うと思いますけど。」
あたしはゆらりに導かれる。
途中、3人の人間とすれ違った。彼らは持ってくる側の人間だろうか?
そして、あたしとゆらりは1つの大きな扉に行き着いた。
ゆらり「ここからは私は進めないから。頑張ってね。」
あたし「は~い」
あたしは扉を開け、中に入っていった。
ーー
あたし「こんにちは。」
誰かの視線だ。
こちらを見てる。あたしからは見えない。
???「君は誰の紹介で、来たのかな?」
あたし「ゆらりさんの紹介で来ました。」
???「へぇー!ゆらりちゃんからなのか!珍しいな〜。」
???「じゃあ、君は合格ね。」
あたし「え、もうですか?」
ルーラ「うん、もう。私の名前はルーラ。よろしくね!」
あたし「え、名前って言っていいんですか?」
ルーラ「、、、ダメ、、かも。」
ルーラ「ごめんだけど、しーっしてもらえるかな?」
あたし「あぁ、まぁ、いいですよ。」
?、ルーラ、、、こいつはなんか、、、すごいな。
見た事のないタイプだ。
ルーラ「別に、私は私自身のことをみんなに教えたいと思ってるぐらいだからね。そんな怖い顔しないで。」
ーーー「ね。?」 その言葉と同時に彼女はあたしの前に現れた。
右肩に天使の翼、左肩に堕天の翼。
不気味に笑っており、その顔は非常に威圧的に見える。
右目は開いていない。左目は紫色。
肌が青白く、金髪ロング。
身長は、、4m30cmぐらい?
右目から血が涙のように出ている。
その血は誰の血か、「知らない血だよ。」
人では無い。人であるはずがない。
そりゃそうだ。
『だって、こいつはやつらの一種なのだから。』
怪物「君の名は、、、ゆあ。うん。そう名乗って。」
ゆあ「分かった。確かに、あたしはもう、ゆあでしかない。」