あたしという存在
*は心の中で喋っていることです。
!と❗️で使い分けています。注意してご覧下さい。
「っ!」
槍が飛んできた❗️
あたしに向かって、圧倒的なスピードで。
稲妻を纏っていて、もしそれに触れたら一瞬で溶けるんだろうか?
だが、もしそれがあたしに突き刺されようと、それ以上に強大な何かがあたしを攻撃しても、あたしは終わらない。
あたしの人生、あたしの物語。
それってとっても短いし、それに感情的になる要素なんて、あるわけがない。
だが、それがきっと、楽しくなっていくことを、祈っている、願っている。
そこに意味が、なくてもね。
ーーーーー
あたしは森の中で起き上がった。
あたしはとても混乱していたし、それと同時に冷静でいた。
「ここはどこなんかな?」
その森は不気味に暗く、木の一つ一つが自分の背丈の7倍ぐらいありそうだ。
ツルが伸びていて、引っかかりそうであまり森の中に進みたくない。
「ここがどこか分からんなら、移動しないとな〜。でも、、、行きたくないな〜。」
可憐な少女はうじうじと言うと、「自分はこういう時、絶対行かないから。」と自分に言い聞かして、初期位置から動かずに寝転んだ。
ということで、現在の状況を確認する。
あたしは人間だ。
黒のダサめだけど、可愛い子が来ていたら逆に可愛くなりそうなパーカーを着ていて、少女らしからぬ黒いズボンを履いている。(普通スカートとか履くもんじゃないんか?)
髪はショートの、色は薄紫色。
また、あたしには初期装備として、赤い玉とめっちゃ可愛いぬいぐるみを持っていた。
木々の隙間から見える天気は「晴れで昼ぐらい。」
あたしは現在の状況を知って思った。
「あたしーーき」
???「あ、人いるーーー。」
不意に森の中から恐らく森の中を駆け回っていたであろうボロボロさの、男の子がいらっしゃった。
あたし「ん、この森、あたし以外もいたんだね。」
???「いやー、僕もびっくり!それもお互い様だね。君も記憶ない状態でここにいる感じ?」
あたし「うん、そう言うってことはボクも記憶ない状態でここにいるってこと?」
ダウン「僕のことをボクと言うなよー僕にはちゃんとしたダウンという立派な名前があるんだから。」
あたし「分かったよ、ダウン。ダウンは何故森を走り回っていたの?」
ダウン「それはね、僕以外に人がいないか、探していたからだぜ〜。」
こりゃまぁ、語尾がよく変わることで、と思いながらあたしはやっと寝っ転がった状態から起き上がった。
あたし「で、どうする?ここから。」
ダウン「そうだね。まずはこの森を抜けようよ。」
あたし「そう?あたしはここから動かないことにする。」
ダウン「どうして?」
あたし「あいつらがいるから。」
ダウン「、、、、、、あぁ、あいつらか。」
あたし「あいつらにしても、あいつら以外の要因だとしても、あたしは死にたくないのでね。」
ダウン「待って、あいつらのことなんで知ってるの?」
あたし「なんで知ってるとおかしいの?」
ダウン「あいつらは森の中でしか現れないからね。俺は森の中で過ごしてるうちにあいつらのことが分かったんだ。で、君があいつらが知るためには、森の中に行かなくちゃならない。」
彼は私を不思議そうな目で睨んだ。
あたし「森の中に少し入ったんだよ。」
私は彼を見つめた。
ダウン「そ、それはおかしい、。、、だって」
あたし「だって?」
ダウン「結界が破壊されてない、、、それは嘘?」
あたし「そう、、、、『うそ』。」
あたしは少しニヤッとしながら男の子に近ずいた。
あたし「初期位置にある結界からキャラを引っ張り出すためにわざわざ、人になって来てくれたんだよね?」
ダウン「、、、」
男の子は少し顔を逸らした。
うん、やっぱり君はただの男の子だ。
あたし「君は記憶無くなってるの?、、ダウンという立派な名前持ってるんだね、それは非常に不思議だ、あたし、そんな立派な名前貰ってないや。」
あたしは今、生を実感している!あぁ、なんか楽しい❗️
ダウン「はぁ、、はぁ、、、はぁ。、」
ダウンは息が荒くなりながら、こちらに視線を向けた瞬間、服に忍び込ませていたナイフで荒々しく襲ってきた。
ダウンはあたしを殺した。
ダウンは非常に取り乱した。結局、あたしを殺せば丸く収まるってんのに。
君はまだ、こんなに小さい男の子じゃないか、いや、もしかしたら、あいつらかも知んないけど、
でも、もし、ただの男の子なら、
あたしはここで死んだって、
『一向に構わない。』
「はは。まぁ、そういう時もある。大丈夫さ、失敗を活かせ。」
ーーー
その後、あたしはもう一度、同じ時間で、だけども登場人物が違う同じような世界で生きることとなる。
あたしは依然として赤い玉とめっちゃ可愛いぬいぐるみを持って、次の死亡までを待ち続ける。
あの男の子は人だったんだろうか?人じゃなかったんだろうか?
人だったらあたしは勝ててたかもしれない。
でも、もし彼が人だとしたら、あたしが死ぬことに意味はあった。
あの子が生きることに役立っただろう、主人であるあいつらに少しでも気に入られるだろうからね。
可憐な少女は白い歯を見せながら大きく笑う。
その笑いは苦しさか、楽しさか。
あたしはそれでも大きく笑う。
いつか、あたしの、あたしの前の体の持ち主が、笑っているあたしを見て、笑ってくれるんだから。
あたしは今後一生関わることの無い世界でも、良い世界になるように願ってるんだ。
ん。ごめんね、もう、話せない。
「次の刺客が来たようだ。」
???「こ、、こんにちは。」