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襲撃、ロブラスター

 レッドルビーたちが立塔市郊外に転送移動していた頃、市街地ではバトロイドと自衛隊員たちの間で戦闘が起こっていた。


「総員、油断するなよ! 一体づつ、確実に仕留めるんだ!」

『了解っ!』


 以前レッドルビーたちと模擬戦を行った部隊。その隊長である鮭延の号令に隊員たちが応える。

 そして彼らは対バトロイド用に開発されたライフルの掃射を行う。


「――――!」


 その弾丸を受けたバトロイドたちは一発、二発と弾丸を受け、装甲から火花を散らす。

 さらに、当たりどころが悪かった個体に関しては装甲を貫通。内部を蹂躙し、爆発。撃破されていく。

 それを見た隊員たちは、戦闘中ということもあり手放しで喜びはしないものの、確かな手応えを感じていた。


「……よし! 市民の避難誘導はこのまま機動隊に任せ、我らはこのままバトロイドの撃破を優先する――」


 同じように手応えを感じていた鮭延は隊員たちに指示を出すが――。


「う、わぁぁぁぁ――!」

「どうした――! 怪人……!」


 一人の隊員が悲鳴を上げながら吹き飛ぶ。それを見た鮭延は何事かと隊員がいた場所を見る。

 そこにはバトロイドではなく怪人。しかも今まで見たことがない姿の怪人だった。

 その姿に驚く鮭延。

 その怪人とはザリガニ型の怪人、ロブラスターであった。


「ふふふ、いくら装備を整えようが――」


 そう言うとロブラスターは腕と一体化している巨大なハサミを振り上げる。そして――。


「――無駄な抵抗よ!」


 そのまま振り上げたハサミを地面に叩きつける!

 それとともに隊員たちに向かって衝撃波が走る。


「うおぉっ!」

「きゃっ――!」


 地面に伝わった衝撃と、風圧による衝撃。二つの衝撃を受けた隊員たちは体勢を崩す。

 それを好機とみて追撃を加えるため、動き出すロブラスター。しかし、彼の試みは失敗に終わる。


「……はい、そこまでってねぇ!」


 ロブラスターの身に迫る複数の投げナイフ。

 それを確認したロブラスターは、追撃を取り止め、ハサミでナイフの迎撃に移る。

 そしてハサミとナイフが接触。甲高い音を響かせ、地面に落下する。


「ぬぅ……! 誰だっ――!」


 ナイフの迎撃を終わらせたロブラスターは、忌々しげな声を上げて、邪魔した下手人を探す。

 だが、当たりを見渡してもそれらしき人物はいない――。


「がぁ……!」


 しかし、直後。ロブラスターは背後から攻撃を受け火花を散らし倒れこむ。

 倒れこんだロブラスターの背後。そこには――。


「ざんねーん、後ろにいたんだよねぇ?」


 そこには、小馬鹿にするようにデスサイズを薙ぎ払った格好で嗤っていたレオーネの姿が。

 そう、ロブラスターに奇襲を仕掛けたのは彼女だったのだ。

 もっとも、不意打ちを受けたとはいえ、それほどダメージを負ったわけではないようで、ロブラスターはすぐさま立ち上がり、レオーネに振り返る。


「きさまは、バウンティハンターとやらか!」

「そうだよ? まぁ、気にしても仕方ないと思うけどね?」


 ここでどうせ朽ちるんだし、と小馬鹿にするように挑発するレオーネ。

 その挑発で激昂するロブラスター。


「おのれ! その無駄口、すぐに閉じさせてやる!」

「やれるもんならやってみると良いよ? もっとも、それこそ無駄な努力だと思うけどね」


 その言葉とともにヒロインと怪人が激突する!


「はぁぁぁぁぁ――――!」

「うおりゃぁぁぁぁぁっっっ!」


 二人の叫びとともに互いの得物。デスサイズとハサミが衝突、火花を散らす。

 そのまま二人は、さらに二合、三合と打ち付けあう。

 その度に辺りに衝撃と火花が撒き散らされる。


「……ちぃっ!」

「そらそら、どうしたぁ!」


 最初こそ奇襲により優位に立っていたレオーネだったが、ロブラスターの一撃、一撃の威力が重いのか僅かに押されている。

 もともとレオーネがどちらかというと、パワーよりもスピードで翻弄するタイプであることと、ロブラスターが逆にパワータイプであることで、結果的に相性が最悪であることが原因だった。


「――でも!」


 ならば相手の土俵で戦わなければ良いだけの話。それを理解していたレオーネは一足跳びで間合いを開ける。

 こうすれば一時的であろうと仕切り直しが出来る――。

 そう考えていたレオーネだったが。


「考えが甘いっ――!」


 ロブラスターはそう怒声を上げるとともにレオーネに向かってハサミを向け、そして開く。

 すると、ハサミの内部から光が漏れ――。


「ロブラスターキャノン、発射ぁ!」


 そのまま光の束がレオーネに向かって襲いかかる。それをレオーネは驚きの目で見つめるのだった。

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