07 かしまし
そんな感じで幽霊騒動も無事解決。
あれからエルミナは『神樹の細枝』を出来るだけ持ち歩くようにしております。
可愛いリボンを巻いてあげたり、
アリシエラさんがホルスターみたいな装具を作ってくれたり。
ゼシカさんから教わったやり方で、いつでもお話し出来るようになりました。
目をつぶっておでこにくっつけて、
祈るように『神樹の細枝』とお話ししているエルミナは、
神秘的な可愛らしさなのです。
そういえば、あれってどこかで見たことあるなって思ってたけど、
リリシアさんの例の決めポーズだよね。
もしかして『バストネイシア』とお話ししていたのかな。
今度リリシアさんに聞いてみよう。
それからしばらく後……
「どうすれば良いのだろう、カミス」
困り顔のシスカ。
何ごとかな。
えーと『守り手の片翼』たちが、エルミナのホルスターを見てうらやましがってるとのこと。
『私たちだって、シスカといつも一緒にいたいのじゃ』ですって。
でも、私服でお出かけの時も剣と盾をぶら下げて歩くのは、さすがのシスカでもちょっとアレなんじゃないかな。
頑張って早く顕現してもらえれば、いつでもシスカと一緒にいられるのにな。
そういえば、『守り手の片翼』のおふたりのお名前、まだ聞いていなかったね。
「剣は『ソルメーア』、盾は『シルミース』、だそうだが」
「メーアちゃんとミースちゃんと呼んで欲しいようだ」
えーと、さすがに"ちゃん"付けはアレなので、
メーアさんとミースさん、ですね。
『……』
「『カミスなら呼び捨てでも許すっ』だそうだぞ」
善処します……