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      人間よりは金のほうがはるかに頼りになりますよ。頼りにならんのは人の心です


                    ー尾崎紅葉

新緑艦橋



 旦夕に迫った命がそこにはあった


『ザマァねぇな』


 そう言って半分空が見えるようになった艦橋で、残骸に挟まれた笠松の姿があった。半笑いを浮かべながら、咥えた煙草を燻らせ・・・は、していない。前部マストに突っ込んだ敵機が撒き散らした燃料による火災がようやく鎮火したとはいえ、再引火を考えるとそれは許しようが無かった


『尾栗ぃ、もう一度確認するぞ、脊振に被弾はないんだな』

『ああ、艦長、間違いない。ヘリの準備ももう直ぐ出来るんだ。だから』


 傍らには気をしっかり持てという尾栗の姿がある、艦の方は藤政が取り仕切っていた。艦長の側で現実を受け入れたくないというのもあってか、こちらを見ようとはしない


『可能性がある奴を優先しろや、なぁ尾栗、お前さんは良くやった。胸を張れ。なんで俺がチャフを展開させなかったか、わかるか?』

『・・・』


 あの場面、迎撃に集中していた自分にはよく分からないとしか答えようがない。何か答えようとするにも言葉が見つからない


『尾栗。俺ぁな、護衛艦乗りの矜恃ってのはこういう事だと思っとる。俺たちは護衛する相手の安全を優先して考えなきゃあなんねぇ。護衛対象が当たっても大丈夫だから自艦を優先する、というのはそいつを否定しちまう。それに、物事に可能性が低いはあっても絶対はねぇんだ』


 なんらかの要因で被害が拡大する可能性はあるし、艦橋に運悪く直撃もある。極論すれば、その弾頭が核弾頭である可能性すらあるのだ。ならば護衛艦乗りがすべき事は一種のマネージングではない


『ま、それでこのザマではあるんだがな。畜生・・・ヤニがありゃあなぁ。アメしかねぇんじゃ・・・締まらねえぜ』

『艦長!しっかりするんだ!まだ艦長には教わりたい事がまだあるんだ!』


 意識がだんだんと途切れつつある。もう幾ばくも時間がない事はわかり切っていた


『そんな顔すんじゃねぇよ、尾栗・・・学ぶのは生きてる限り出来らぁ。だからよ』


 笠松艦長の薄くなっていた瞳の焦点に光が戻る


『尾栗、お前は中央へ行け。そこで護衛艦乗りとしてお前の力を見せつけてやるんだ』


 艦隊の中央、主力艦の方へ。立身出世など考えていなかった自分に、艦長はそこまで・・・


『・・・わかった』

『へへ・・・頼んだ、ぜ』


 そう言って、微笑んだまま艦長は永遠に動かなくなった




上海沖 キングヘイロー




 黎明の惨事から日が昇り、一夜明けた海に先行偵察としてキングヘイローがその上空にあった。先ほどの防空戦闘では空中にあってAWACSの通信が途絶した事を最初に背振に伝えた存在であり、ヘリであるため航空機の接近に対して後方待機を命じられて離れていた。襲撃後は一旦着艦して給油の上、ナイトヘイローやビショップヘイローがSARや負傷者搬送に駆り出されている都合上、休息もなく空へと舞い上がっての任務であった。


『こんなに海上に船が・・・』


 電探に頼らずとも、海上には無数の大小問わない船舶が沖縄を目指して航行を行っていた。この中に、艦首脳部の考えでは核弾頭を持つ船が紛れ込んでいるという話だったけれども


『き、きききき機長〜、もしこの瞬間爆発しましたら、私たちはどうしようもないんじゃ』

『腹を括りなさい!』


 今更の事を川上が情けない声で言うのを一喝する。EAWにしろ弾着観測にしろ、実戦じゃ真っ先に敵に狙われる役目だ。だからこそ、ヘリパイの中でも一流中の一流であると云える。絶対にさがってなるものですか


<<キングヘイロー、聞こえるか>>



 通信が入る。藤ではなくさらにその上、副長の空溝であった。あまり直接的に話す相手ではないが、少し身構えてしまうところがある。どうにも母親に近いものを感じてしまうからだろうか


<<クリア、聞こえます>>

<<よし、船団を周回するように飛行して距離を保て。推定される船舶は比較的小型のクルーザー、船団の先頭にはいない。弾頭は500kgを推定、喫水が深い状態にあるだろう。貴様たちが現れたことで相手は船団中央に向けて航行を始めようとするはずだ。なにせ最後の切り札だからな>>


 最初から中央にいるかもしれないとも思わなくもないが、小型のクルーザー程度であれば、より大型の船舶に寄られて不慮の事故もあり得ることを考えれば避けるかしらね、と考えを納得させる。喫水もこちらから確認するには難易度が高すぎる。兵員をそう思わしき当該船舶に降ろすわけにも、EAWヘリである本機には地上、水上に対する武装もない、どうするのだろうか


<<なかなか難事だと思いますが、発見次第連絡します>>

<<貧乏くじだが、頼むぞ。見つけさえしたら、こちらでどうにかする>>



 どうにかするといってもどうするつもりなのかしらね、起爆させないように相手の船舶をではなく、一発で人員を沈黙させるとなると手段は限られてくるはず。が、まあ何か手があるのでしょう。考えるのは上の仕事ですわね



『聞いたわね川上!水上警戒を厳に、怪しい船舶を見つけたらすぐに報告!ルックダウンに優れる本機の性能を見せつけるのは今よ!』

『わ、わかりましたわ!』




脊振CIC



『よし・・・艦長、準備は整いました。おおよそ最悪の選択を敵はしなかったようです』

『ヘリの接近に勇み足で起爆スイッチを押す展開か』


 その展開を考えなかったわけではない。しかし、連中が企図しているのが空中でも水中爆発でもなく水上爆発である以上、核爆発の効果範囲は著しく限定されてしまう。ならば、連中にとっての最後の切り札だ、欲が出ておかしくない。邪魔が入らなければ一番効果のあるであろうところで起爆するようにするだろう読みは今のところ当たっている


『問題は相手を見つけてどう始末するかだよ。フゥん・・・群青ビショップから誘導弾を当てるにしても、リアクションタイムを与えてしまう。困ったなぁ。うちの対艦誘導弾は世界的に見ても際物きわものだしねぇ』


 さして困った風でもなく、阿久根が苦笑して見せる。世界的に際物きわものの対艦誘導弾、四三式対艦誘導弾は、帝國海軍がかねてより採用していた61センチという大口径の魚雷を捨てきれずに、ソ連の対潜ミサイルから発想を得て対潜水艦、対水上艦に使えるようにしたものを搭載している。諸国が比較的近距離に対応するために開発しているのに対して魚雷の口径の大きさから欲を出した我が海軍は遠距離にも対応するとして諸国よりもさらに大型化して実装した。具体的に言えばフランスのマラフォンとアメリカのトマホークを掛け合わせたような代物である。当然だが、弾頭は魚雷だから、水中に降着して疾走、命中までにはいくらか時間がかかる。スイッチを押すに十分な時間だ


『阿久根、貴様も既に思いついている癖にさも困ったような言い回しをするな。たわけ』

『まあ、これでもこの艦の砲雷長だからねぇ』


 ならばどうするのか。となればこの艦であれば最大の火力、主砲を使うしかあるまい。しかし、小さな目標であるそれに直撃をほぼ初弾、相手が狙われていると知覚して次の行動に移るまでの時間を考えると、出来るのは2斉射が良いところ。であるならば取れる手段は一つ、正確には二つだが、一つは核砲弾なので今回は意味がない。阿久根は深堀艦長へと向き直る



『艦長、主砲による曳火射撃を実施するよ』



 かつて、ヴェトナム動乱の際に派遣された大和以下第3艦隊の各艦は、わざと沿岸部にあけた防衛線の穴に殺到した共産匪を長駆・・・察知されることを防ぐために一昼夜かけて現地に到着させ、地上支援砲撃を行った。その際は18in砲弾の威力に物を言わせたのであるが、さらにこれを効率化しようと戦後に動いたグループが居た。主体は巡洋艦乗りの連中だったというが、当然だ。8in砲なら陸でも重砲としてなんとか運用できる。それを艦載砲として上回る事を前提として利点をさらに増やそうとしたわけだ。その成果物が、旧来の砲戦型巡洋艦を退役させることになった四六式20センチ55口径砲に、砲弾として曳火射撃を目的として近接信管を備えた地上支援用の榴散弾(HE)実装である

 砲弾の大きさの関係上8in以上の砲に砲弾は用意され、曳火射撃に関する知見を得るために陸軍の砲科の意見を聞いた際には渋面のうえ、効果的だが贅沢が過ぎますな(実際の所小さいものであれば25㎜から各種対空砲弾に近接信管を用意してるのであるから海軍的に取得に問題なかったのであるが)と評されたそれは、目的外の二つの効能を得た。かつての三式弾のような対空榴弾としての地位、特にシースキミングを行い、群れるタイプのミサイルに対して砲塔旋回が間に合えばという但し書きがつくものの対応できる点と、今回のような駆逐艦以下ミサイル艇のような船舶に対する打撃手段としての威力が期待できるという点の二点である



『ああ、一意専心。撃ち抜いてくれると期待している』



 深堀の許諾に向き直り、信頼すべき班員達へと向き直る。榴弾の威力は一概に言えるものではないが炸薬量でみても本艦の12in砲であれば24%で120㎏、これを2斉射、18発で散布界内に納めて海面を弾片をもってならす。フゥん、舶来の本によれば米海軍の運用するトマホークは炸薬量に於いて454㎏と記憶している。つまり1分内でトマホーク約5発分の火力を投入するのと同意ともいえるわけだ、実に実に興味深い


『さぁさぁ、紳士淑女の諸君。楽しい主砲射撃の時間だよ、準備を始めようか』



 動作が大げさな阿久根の指揮で砲雷科の科員が動き始める。本艦最大の火力発揮の機会であり主役である彼らは待ってましたと言わんばかりの様子に、阿久根の統制の良さが見えるがこれはこれでどうかな、と空溝は内心頭を抱える。一方の藤は科員とともに各種データをプロットモニターに入力し続けている。動と静とみるとバランスは取れているといってもいいか


『キングヘイローから入電。目標らしき船舶発見、プロット(ヴィクター)17、船団中心部にむけて12knから増速中』

『副長』


 報告に深堀が空溝に顔を向ける。何も思惑が無ければ、小型船舶が大型船すらたむろする船団中央に向かう必要はない。ましてそのタイミングが、味方・・側であるはずのヘリが現れたその時点で動くというのは非常に示唆的であるとともに、共産匪の勢力範囲として海の事には疎かろう点、そして爆破するのだろうから投入したであろう人材の点も加味すれば


『間違いないかと。これが本命です』

『うむ・・・では、左砲戦。目標CIC指示の目標、撃ちーかたー』


 阿久根が復唱し、艦外を映すモニターには旋回を始める砲塔が映る。キングヘイローの観測を元にした水平線の向こうへの射撃になる。砲科の真髄は曲射のそれにこそある。そして現代の砲術は射法を含め蓄積したデータを艦内奥深くの射撃指揮装置に連動したコンピューターが計算し、主砲塔に微調整を行う。そこにかかわる人間を係数としてその精度は上がっていく。阿久根はまるでコンサートでタクトを振るう指揮者のようだ。楽しげにその成果は、艦の最高権力者へと供される


『フフッ、艦長。撃ち方よろし』


 この砲撃こそがこの事態への最終局面をもたらすことを確信し、阿久根は振り返って報告する。時は来た、あとは装填された弾を権力者が意志を持って送り込む。それだけだ


『主砲、撃ち方はじめ!』


 そして、その意志はためらいなく発せられ、CIC全員の耳朶を打つ


『テェ!!!』


 復唱とともに、トリガーを阿久根が引く。一瞬の間が開いて



ドドドドドドドド!!!



 脊振の船体が震え、500kgの質量弾が放たれた事を、電探に新たにプロットされた輝点が報せる。ぬるりと次発装填が行われ、二度目の衝撃


『主砲撃ち方やめ。面舵一杯、船団に対して艦を縦にする。総員対衝撃に備え!』



 もしもの場合にも備えなければならない。目標が間違っていれば、あるいは砲弾が相手を圧しきれなければ、ためらいなく核のボタンを押すだろう。被害の極限にはこの方法が一番だ



キングヘイロー



 射撃自体は情報としてキングヘイローに伝えられていた。行動としての周回を辞めて離脱などはしない。音速を超えて砲弾が飛んできているという事を悟らせるわけにはいかないのだ。離脱の命令も出ていない、私たちの役割とはそういうものだ。そして、唐突に上がる爆炎。空中で火炎が膨らんだかと思うと、その下に居たクルーザーは無数の破片が貫いた擦過炎で炎が上がる


<<着弾観測、弾着よし、目標炎上中>>


 これが最期の報告かも、とうっすら感じながら報告を入れる。あの船が本当に目標なのかは完全な確証はない。もう一度閃光を浴びれば酷いことになる事の予感はひしひしと感じる。川上だけはなんとかしてやりたい気もあるが、それは責務に反する。吐息でその不安と不満を飲み込む。続けて9個の爆炎がクルーザーを覆う



カリカリカリカリ



 海面を覆った爆炎に他の船舶の動きがせわしくなるのを尻目に、背後から異質な音が鳴り響く。川上が急いで確認を行う


『て、低量ですが放射線を感知しましたですわ。ば、爆発しますの!?』

『・・・ふぅ、落ち着きなさい。弾頭の容器が破損したのよ。上の読みは大当たり、容器が破損したとなれば爆縮も難しい。そして』


 おそらく船体内部に置いていた弾頭にそんな損傷が発生したとなれば、乗っていた乗員はどうなってしまったか、想像に難くない。体中をなますのように切り裂かれてくずくずにされたのだろう。そして炎上と弾片に船体を穴だらけにされたクルーザーは浸水からか、あっという間に水中に飲み込まれていった


<<キングヘイローより背振キング、目標沈没。沈没直前に放射線感知。位置、送る>>


 恐らく回収なり事後の調査が行われるだろう。必要な記録を残さなければいけない。か細い黒煙をあげるだけとなった海面に、一縷のあっけなさを感じつつヘリは海上を飛び続けた




南大東島沖 大和 第3艦隊司令部



 核攻撃に合わせて行われた全艦出航、第3艦隊の終結地に指定されていたのは南大東島の沖合であった。総計38隻を数える艦隊のうち、大型艦を主として半分以上が終結を完了していた。艦隊旗艦である大和は、中央に半姉妹艦といえる空母の信濃と薩摩を置き、集結に伴う警戒行動などの指示でせわしなく発光信号が瞬いていた。その後甲板には着艦したばかりのヘリが駐機している


『大和へようこそ』

『参謀の君が迎えに来る必要もあるまいに、相変わらず律儀だなぁ中将は』


 出迎えに出てきた美和参謀に苦笑する。こちらは若輩の少将でしかないし、呼び出された身だ。かしこまり過ぎてもこちらが困ると肩を竦める


『そうはいかないでしょう。高松宮殿下ともあれば』

『妾腹でもか?まあ、利用はさせてもらっているがね』


 飄々とそう言ってのける高松宮に、流石に美和も眉根を寄せ、ずれた眼鏡を戻して部屋へ案内すべく歩き始める。タイの皇太子と並んで東アジア皇室のトラブルメーカーは良く言われたものだ。喜久子妃に子供が居なかったのは確かだが、先代の高松宮が妾腹としてどこともなく・・・正確なことはこちらは知りようがない。誰ともなく連れてきたとされている。しかし、宮も妃も高松宮として名乗らせている以上、それはそれである


『長官にはどう申し開きするつもりです?』

『申し開きもないよ、深堀には俺から命令した』


 高松宮が指揮下にある、第5戦隊、そのうち背振が集結命令にも関わらず上海沖に逗留したがために起きた一連の戦闘について、その責を受けるのは戦隊司令たる高松宮で、今回大和まで本人が来たのは申し開きの為ではないのか


『分隊に対しては適宜行動するように命じた。それに深堀は応えただけだ。そのおかげで帝國自体には核惨禍を受けずに済んだ』

『新緑の被弾と陸軍のAWACSが1機大破と共に、ですか』


 要請を受けて薩摩から穴を埋めるべくAEWが飛んでいる。飛行長の癖に書類仕事をさぼりがちで、なにがあっても飛びたがる妹もおそらく護衛として飛んでいる事だろう。いい加減落ち着いてほしいものだが、この宮様のおかげでそういう事になっているというなら苦言の一つや二つも言いたくなる


『だな。で、君も魅力的ベリーナイスだが妹君は元気にしているのかね』

『宮様。私としてはいくらか擁護したくても、御身の行動がそれを否定しております』


 先代もそうだったらしいが、猥談の名人の血は困ったことに脈々と受け継がれている。ぶっきらぼうな妹だが、私に後でなんだあいつは、と聞いてきたのは後にも先にも宮様だけだ。それを聞いて次はぶん殴ってやると言ってきたので、会わせるわけにはいかない


『ふむ。美和君の心配には及ばん。先に目を通すかい?事の理由は明白だからな』


 と、高松宮は続く従兵の持つ鞄から資料を受け取り、美和に手渡す。何ページがペラペラとめくり、美和はため息をつく。これだけ整ったものを用意してあるというのは


『最初の機材不調は嘘でしたね?』

『いやー、偶然だよ偶然』


 悪びれもせずいたずらっぽく笑って高松宮はいってみせる。こちらに来るヘリの機材不調で来艦時間が遅れたのだが、資料をまとめ上げるためだったのだろう。新緑のミサイル迎撃率が、斉射を行わずに18発を発射の上15目標を迎撃、自艦の近接防御火器でさらに2目標の迎撃、1目標の衝突と処理したのは18目標に上る事。群青が3発を斉発で6発を発射し迎撃、残り3目標を背振の近接防御火器で迎撃など事細かに報告が上がってきている。他にもSARで敵護衛機パイロット1名を救助。敵核兵器弾頭を搭載と思われる船舶の撃沈地点、などなど


『新緑艦長にはなんの落ち度もない、迎撃率約84%はむしろ十分以上の効率をたたき出し、かつその身を含めて敵を受け止めたのだからな』

『では、何がいけなかったというんです』


 長官が待っている会議室の扉までたどり着き、美和は振り返りながら言う


『そいつを叩きつけに来たのさ』


 高松宮の手にはもう一つの冊子、統合任務部隊設立への建白書と書かれたそれを掲げ、飄々と自ら扉を開けて入室していくのであった

といったところで、大陸における動乱を端緒とした始まりの物語は終わりとなります

いくらかの幕間を経た後、次の怪文書へと進ませていただこうかと考えておりますので、しばしの間、お付き合いくださいませ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 相変わらず今回も面白い話でした。 そしてまさかの次があるとは…素晴らしいですっ!! [気になる点] ヴェトナム動乱とありますが、宗主国たるフランスが元気で中華からの補給ルートが日本によっ…
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