「長文タイトル」や「テンプレ」が好まれる理由を自分なりに考察して行き着いたのは「なろう小説=フリマの福袋」
わりと真面目になんでなんだろう? と考察してみた。
長いタイトルが嫌だ。見たくもないって人がいたりするのに、ランキングに上がってくるのは長文タイトルばかり。正直字面の圧みたいなものがあって「うわぁ」って思ったりもしますが、誰かが言った「当たり判定がデカイ」っていうのは言い得て妙だなと感じます。上手い。
よくなろう小説のことをスナック菓子に喩える例があったりしますが、自分がそれでしっくり来なかったので考えてみた結果がタイトル通り。
『なろう小説=フリマの福袋』説を押していきたい。
喩えるならば、福袋しか置いていないフリーマーケット。
・手に取って開けないと中身が分からない
・出品者のほとんどが素人
・出品者の中から商業に引き抜かれていく場合もある
・中身の分からない福袋が一万、二万とずらっと並べてある
これが前提です。
そんな福袋の中から、自分好みの商品が入ってるものを選ぼうとするとき、選ぶ基準はやはり、ぱっと見で分かる部分だけなんですよね。
袋の商品説明が極端に短かったり、抽象的な謳い文句が書かれてたり、商品名で中身の想像がいっさいつかないものなら、買うのも躊躇います。
逆に、分かりすぎるくらいデカデカと商品説明が書いてあると安心感があるかもしれない。陳列されてる中で、ぱっと見で分かる部分がこの商品名です。
商品名で中身がある程度分かるようになってさえいれば、自分好みのものも探しやすいし、タイトルで要素を拾って更に手に取って(クリックして)商品説明 (タグやあらすじ)を確認して見ようともするでしょう。
それで好みのものかな? と判断してもらえたら袋を買って中身を開けて見てもらえるわけです。
そして中身も、下手に素人が独学で作りました! って商品よりも、商業化してるものや、人気のレシピを取り入れて安定感のあるもののほうが消費者の安心感を買いやすい。これがいわゆるテンプレですね。
(固有名詞だけ変えましたみたいなやつは沢山の人に買ってもらえるとしても例外。あくまでテンプレを軸にちゃんとオリジナリティを出しているのが個人的にはいい。この辺もまあ、買う側の好み)
袋のラッピングにこだわってたり、売り出すための広告に全力を注いで目立とうとしている状態が「長文タイトル」と「テンプレ」なのでしょう。
そりゃ、中身の分からないものがずらっと万並んでたら、内容が分かりやすいものを手に取るでしょうね。
ただし、たまに(というか結構)説明詐欺とかもあったりする。
短編で断片を出してから連載化とか、タグやジャンルが不適切だったりとか、まあこれは袋の中身を見て「違くね?」ってなった人が通報するなりなんなりすればいいので置いときます。
テンプレが強く、そして好まれるのは「読者が先を知ってるから」という理由が大半だと思われます。素人さんのものでも、ある程度道筋が決まっているテンプレならば安心して読めるということですね。
人それぞれ、嫌いな要素。地雷。そういうものがあるので、自由に書いてる人のをスコップして読んでいるとその地雷にいきなりぶち当たったりする場合もありますから。余計に内容がほぼ決まっているテンプレに人の足が伸びるのでしょう。
恋愛物でタイトルあらすじタグにそんな匂わせもいっさいなかったのに寝取りとか来て地雷で大爆発する人もいるかもしれませんからね。
序盤はテンプレを用いてある程度方針を定め、そして徐々にオリジナリティを入れていき、それで読者に受け入れて貰えたら万歳! って感じでしょう。
これは持論ですが、人は最初に面白いなって思ったものを飽きるまでリピートして読みたがる生き物だと思っています。そして、好きなものと似た要素を持つものに手を伸ばしまくる。
だからこそ、ランキングに流行り廃りが生じるんじゃないかなーっと。
まあこれ全部、自分なりに考えたことをなにか文字にしておきたくて書いてることなので、考えの押し付けをするつもりはないんですけれども。
私が「なろう小説=スナック菓子」に違和感を持っていたので、もやっとした自分を納得させるために考察した説が「なろう小説=フリマの福袋」なのでした。
非テンプレを書いてランキングをぐわっと上がってくるような人は尊敬してます。だって自分はもう手段を選ばなくなってしまったもの……と。
手を出したからには突き抜けてやろうとは考えてますけれどね。
さてここらで考察は終わりです。お読みいただきありがとうございました。
皆様が来年もそこそこ幸せなスコップライフと、執筆ライフを過ごせるよう祈っております。