友との別れ、旅立ち。
「お前...ウォール登ろうとしてんのか!?」
「ああ。」
「何考えてんだよ笑」
「本気さ」
「だからお前だからこそ登っちゃいけねえんだろ!」
「俺はもう決めたんだよ。」
「ダメだ。絶対ダメだァァァ」
シュンは決心していた。壁を登ることを。
シュンの父親は陸上のプロアスリートだった。持ち前の脚力で、10種競技で活躍するタフな男である。
そんな彼の父、ケンジは壁が現れた5年後、壁を登ることに決めた。探究心の塊であった彼は、壁の先の世界について知り世に知らしめようとしていたのだ。
そして、ケンジは3人目の壁の攻略者となった。でも、壁の先の世界の話を持ち帰ることを家族に約束して出て行った彼は、5年経った今も‘帰ってきていない’。
「お前のカーチャンと妹はどう思うよ?トーチャンも壁登りに行って帰ってきてない。
今度はお前もってか?」
シュンの友人のリュウヤの言うことはもっともである。
「でも俺は壁の向こうに何があるか知りたいし、親父だって取り返したい。応援してくれないか。」
「うっっ。。。カーチャン達はどう言ってんだ?」
「最初は死ぬほど反対してたけど、説得に説得重ねて許しもらった。」
「許したんかい!オヤジも息子もシンダナコリャww」
「不謹慎な奴だぜ」
「なら仕方ないな。。。絶対帰ってこねえと許さねえかんな!頑張れよ!登れなかったらすぐ諦めろよw」
「誰が諦めるか。w サンキュ、またな」
こうしてシュンは旅立った。過酷な試練壁、
通称 HIGHWALL へ!!