悪意の天使
製作期間一か月ほどですが、いろいろと並行してこうなりました。
感想とかいただけると嬉しいです!
駅のホームに向かって、入口の階段を雪崩のように駆け込む人々。
少し遅れてきた俺はマイペースに合流する。
混んでいるのが嫌いだし、満員なんて想像しただけで…。
一歩遅れることも大切だなと考えていると、足元をすくわれる。
いや、文字通りすくわれた。視界は空に向かい手すりに手を伸ばす!
俺は何もつかめないまま土砂のように流れて行った。
記憶の端には女性の叫び声が聞こえていたが、あれはなんだったんだろう。
そう思ったのは病院のベットの上だった。
目は半開きの状態、手足は痺れていて動かない。
人の気配はするが、視界がぼやけている上に目が思うように動かない。
俺の体は一体どうなってしまったんだろうか。
すすり泣く声がする。女性か?
その声は「すみません。」と繰り返している。
「まぁ、事故だしねぇ。」母さんの声か?
息遣いや服の擦れる音、普段なら気にも留めない音だが、
俺は何とかして感知範囲を広げたかった。
何やら機械のような音も聞こえるし、椅子を引く音なんかも聞こえてくる。
よく聞くと母さん、女性、弟、父さんがいる。他にもいるようだが。
引き戸の音が聞こえると「先生!」と母さんの声がする。
ドラマじゃないんだからさ。
しばらくの会話の後に、俺の目に強烈な光が差し込む。
光は右、左、右、左と行ったり来たりする。
「瞳孔に反応はありますが、いつ意識を取り戻すかは不明ですね。」
医者の声の後、すすり泣く声が聞こえる。
看護師によって寝返りを打つ。体を傾けるのを感じた。
俺の目線は家族の太腿あたりになっている。
少しずつ霞の取れていく視界に映ったのは、やはり家族だった。
それと見慣れない女性と、その両親だろうか。
すすり泣く女性の顔はわからないが、その両親だろう二人は割と高齢に見えた。
「うちの子もこうなってしまった以上回復を待つしかないが、医療費も大変だよ?」
「また笑顔が見られる日は来るのかねぇ。」
ウチの両親は声のトーンを使い、プレッシャーをかける。
弟は腕を組んだまま動かない。
女性は泣いたまま頭を下げる。その両親も一緒になって頭を下げる。
一方的に女性とその家族を攻める話し合いは、ウチの家族と看護師を残してお開きとなったようだ。
看護師は俺の体を仰向けにし、顔を覗き込む。
その時には目も動くようになっていた。
看護師に訴えるように左右へ動かすが、看護師はニッコリ微笑んだだけだった。
「大変でしたね。事故の相手のご家族の方ですか?」
看護師の質問に答える父さん。
「あぁ、うちの息子…太一がこうなったのはあの女性の所為なんだ。」
「差支えなければお聞きしてよろしいですか?介助のヒントにしたいので。」
「あの女性は駅の入口の階段でこけたらしい。その時隣にいた太一のズボンの裾を引っ張ったんだと。監視カメラに写っていて、階段下まで転がる太一を見捨てて逃げていく様子が分かったんだよ。」
「では全身に打撲がありそうですね。」
「救護義務違反にあたるんじゃないかなぁ?」
父さん。救護義務違反はひき逃げとかの話だよ…。俺の突込みは届きそうになかった。
聞こえた話だと、金額によっては示談も考慮するとの話だが、1000万は吹っかけすぎじゃないのか?
俺、そんなに悪いの?このまま動かないとか?色んな不安が押し寄せる。
そんな俺を残して家族が帰っていく。
看護師はそれを見届けてから作業に入る。
寝返りを打たせて体を拭いて、点滴や心電図?なんかの機械を確認している。
一通り終わった後、看護師はベットの端に座ってため息をつく。
患者のベットで休憩かよ…。
そう思っていると医者が戻ってきた。
「やぁ、様子はどうだい?」
「先生…。まだ意識は戻っていないようです。」
俺の目を見ながら答える看護師に、もう一度目を動かして合図を送ったがほほ笑むだけだった。
この看護師、わかってて無視しているのか!
「あまりご家族の事情に詮索はよくないかもしれないな。」
「そうですね。ご家族から何か言われたら私に話してもらえれば…。私の方が話ができると思うので。」
「そうか、助かるよ。おかげで仕事に集中できる。」
声を上げることもできず、体は痺れて感覚が無い。
看護師はわざと無視をする。最悪だ…。
今何時なのかもわからないが、多分夜だろう。
看護師が寝返りなど、世話をしてくれる。
体も拭き終わり、俺の顔を覗き込む。
見つめ合う形になるがあの目、好奇心が感じ取れる…。
反応に予想はつくが、一応目を左右に動かして見せる。
看護師は満足そうな微笑みを返し、部屋を後にした。
何がしたいんだ?俺が苦しんでいることを確認しているような…。
できることもないし、俺はいつの間にか眠りについた。
体が重い…呼吸が苦しい…。
何かが体に乗っているような…。
そんな状況で目が覚める。
目を動かし、確認してみるが変わった様子はない。
金縛りと言っていいものかわからんが、初めての感覚だった。
ベッドの隣に人がいる気配がする。
咳払いから母さんだと分かった。
目しか動かせない俺に合図を送る手段はない。
時折こっちを見ているようだが、不思議と目を見てくれない。
なんで気付かないんだ!目が動いているじゃないか!絶対気付いているはず!看護師みたいに無視しているのかよ!
色んな考えは怒り交じりに投げられたが、母さんにはかすりもしなかった。
入口の引き戸が開く。看護師が来たらしい。
「おはようございます。息子さんいかがですか?」
「おはようございます。昨日から変わりないみたいです。たまに目が動いてるんですけど…これは?」
「えぇ、説明しました通り夢を見ている影響です。意識が戻ればすぐにわかるはずですよ。」
母さん!目が動いてるの気づいてたのかよ!
看護師がいらない説明をしたために目を動かしても合図にならないらしい。
この看護師は何を考えているんだ?
やはり俺の顔を覗き込んでくる看護師。
そして目が合ったまま固まるが、俺の目が動いているのを確認するとほほ笑む。
俺の心の中で怒りと絶望、それにストレスが溜まっていくのを感じていた。
指一本でも動けば状況を変えることができるのに、何もできないことがもどかしい!
次の日には再び家族が集まってきた。
母さんと弟がいるようだ。父さんは仕事かな?
ちょっとした談笑の後、お通夜のような静けさが広がる。
やけに窓からの風の音が大きく聞こえてくる。
微かに足音が聞こえる。少し急いでいるように思ったが…。
足音は次第に大きくなり、勢いよく引き戸が開けられた!
怒号が聞こえ、部屋の空気が変わる!
「貴様らの所為で!」
体を入口に向けられていた俺の視界に、60代くらいの男が映る。声から察するに先日の女性の父親か?
男はすぐに視界から外れる。「何しやがる!」と弟の声がするが、聞きなれない効果音とともに静かになった。
震えた母さんの細い悲鳴が絞られていく。
「貴様らの所為で!娘は!マナミは自殺したんだ!」
視界の端に伸びた手は…力なく視界から消えた。
しばらくはガタガタと何かを揺らしているような音がしていたが、そのうち静かになった。
男の息切れの声がする。そいつは俺の顔を覗き込むと、用が終わったのか部屋から出て行った。
何もできなかったこと、現状を信じられないこと。
混乱している俺は必死に動こうともがいてみるが、やはり体が動かない。
呼吸は自発的にしているつもりだったが、呼吸器につながっているようでどうしようもない。
そのせいかわからないが、声を出そうにも全く出ない。
そもそも感覚がないから体が動いているのかもわかっていない。
何もできないまま時は過ぎていく。
母さんはどうなったのか…。もし首を絞められていたなら、心臓マッサージとか必要なんじゃないか?
弟は…誰か来てくれ!
祈りはだれにも伝わらなかった。
何時間たったのかは知らないが、音もなく入ってきたのは看護師だった。
悲鳴を上げることもなく、俺の視界から出ては入ってを繰り返している。
そのうちナースコールを押したのか、医者たちか入ってくる。
弟は頭から血を流して、担架のようなもので運ばれていった。
母さんは心臓マッサージをされているようだ。
こんな非日常を眺めながら、俺は気を失った。
頭が痛い…。
揺れている…。
「太一。」父さんか…?
まるで二日酔いのような感じで戻る意識。
体はやはり動かないようだ。
「太一。」震え淀んだ父さんの声が聞こえている。
その声に返事すらできない俺は、頭痛と戦っていた。
視界は薄暗く、どうやら目が完全には開いていないらしい。
エコー交じりの声は続けて話す。
「父さんはもうだめだ。俺が悪いんだ。太一には悪いがここは絞れるだけ搾り取ろうと…。」
治療費とかの話だろうな。
「そのせいで相手の娘さんは自殺したらしい。娘さんの婚約は破談になってな…。」
婚約が破談になったのは初耳だ。
「それでな、太一。母さん死んだんだ。高次は頭に包帯を巻いてはいたが、入院するほどじゃなかったみたいだ。俺は…この騒動がいつの間にか広がって、会社…首になっちまった。」
頭痛と吐き気、夢のような微睡。
そのせいなのかひどく冷静な考えをしていた。
なるほど、そんなこともあったのか、なんて感想が頭の中に浮かんで消える…。
その後視界が揺れ、「太一。ごめんな。」そう聞こえた後、また気を失った。
あれはなんだったんだろうか?
そう思えるような朝だった。
小鳥のさえずりとともに起きた俺は、視界の端に何人かあわただしく動く影を見た。
カメラの撮影音なんかも聞こえる。「こちらです。」やはり人がいるらしい。
誰かが俺の顔を覗き込んできたが、目が動かない。
何の合図もできずにボーっとしていると「第一発見者…」と声が聞こえた。
そうか…母さんが亡くなったのは現実なのか…。
頭では理解ができていても心ではまだ時間が必要そうだ。
目が動くようになってきた時、自分が寝ているベットが移動していることに気が付いた。
90度回転して窓側に頭が来る感じ。
日差しが当たって少し眩しかった。
「いえ、入るところは見ていません。」
「食事時とか、定期健診とかは?」
「こちらの患者様は点滴のみで、食事は必要ありませんでした。」
聞いたことのある女性の声と聞いたことのない男性の声がする。
看護師と誰かが話しているようだ。
「検診は?」
「私の担当でしたが、たまたま別の作業が入ってしまったのでその日は行っておりません。」
「では、誰も部屋には入っていないと?」
「廊下側の監視カメラを確認しても入っていないはずです。」
「ふーむ…。」
ドラマで見るような、聞き込みってやつだろうか?
仰向けになっている俺は完全に蚊帳の外だった。
「分かりました。またご連絡するかと思いますが…。」
「はい。その際は病院側にお願い致します。」
どうやら話は終わったようで、俺の足元の方から引き戸を動かす音がした。
しかし、気配は残っている。時々聞こえる足音が近づく…。
「…。」
やはり看護師だった。俺の顔を覗き込んでいる。
目が合ったまま動かない看護師が珍しく話しかけてきた。
「おはようございます。調子はいかがですか?」
全然良くない。体調だけではなく、精神的にもどうすることもできないし。
「睡眠はとれているようですね。」
何もできないから寝るしかないしな。
「警察の方が来ていたのを知っていますか?」
知っている。母さんに関してだろう。犯人は件の父親だぞ?
「お父さんは大変だったようです。」
だからと言って殺人は正当化されない。娘さんは気の毒だったが…。
それに弟も殴られたんだ。殺人と傷害とかで逮捕させるだろうな。
「弟さんはかなり怒っておられました。」
だろうな。看護師は俺の目から感情を読み取っているようだが、怒りが湧くことに比例してほほ笑んでいるように見える。なんなんだ?こいつは。
「お父さん…自殺したそうですよ?知ってました?」
復讐の末、娘の後を追ったってことか?こっちの感情はどうすれば…
「あなたのお父さんのお話ですよ?」
頭が真っ白になった。何も思い浮かばない。
多分俺の目は驚きに満ちていたのだろう。看護師が鼻息を立てて笑いを我慢しているのが分かった。
「天井にあるファンが見えますか?あれにロープを引っかけての自殺です。あのファンの取り付けを医院長に進言したの私なんですけどね。ただ、片付けるのが大変なんですよ。人は首を吊ると色んなものが出てくるんです。汗とか涙とか…あんまり言えない物とかね。」
呼吸は機械のおかげで安定しているはずなのに、心臓が捕まれたように息苦しい。
「ファンはあなたの真上にあったから、その色んなものに塗れたあなたを綺麗にするのが大変だったの。でもあなたの目を見ていると、頑張った甲斐があるわ。」
そういった後、看護師は俺の目を見て微笑んだ。視界が震えている俺には何もできなかった。
満足げな看護師が去って、しばらくは何も考えられなかった。
八つ当たりすらできず、ストレスと怒りと悲しみを押し付けられたまま何もできずに。
脳が指令を出しているのかもしれない。今は忘れろと。
急な眠気が襲い、眠ってしまった。
夢の中では何度も看護師の微笑みが繰り返される。
唯一動く目を動かすと、あの微笑みが浮かんでくる。
まるで俺の目がスイッチのように…。
目が覚めた後でも似たような感じで過ごしていた。
なんでこんなことに。
階段を転げた時に手すりに手が届いていれば…。
もう少し早く階段を下りていれば…。
あの女性が足を踏み外していなければ…。
あの女性が裾を掴んでいなければ…。
家族が治療費を吹っ掛けなければ…。
俺の…俺の体が動きさえすれば…!
沢山考えたさ!でも最後に行きつくのはどうしても、『あの看護師がいなければ』なんだ!
悔しい!動けよ!
俺は目に力を入れすぎたのか、心拍数が上がってしまったらしい。
初めて見る看護師が「大丈夫ですか?」と言いながら入ってきた。
そうか!心拍数か!心電図のようなものが見えないからわからないが、鼓動を早めることはできるようだ!
その看護師は俺の顔を覗き込んで小声で話す。
「大丈夫ですか…?」
目を動かして合図を送ると、「ひいぃ!」と飛びのいて部屋を出て行ってしまった。
しまった!興奮のあまり目玉を回すように派手に動かしてしまった!
そりゃ怖がるよな…。だが、これで医者を呼ぶか看護師連中に噂になるはず!
しかし、待てど暮らせど誰も来ない。体感、一時間たっただろうか。
病院ってそんなに待たせるの?いや、待たせるかも、そんな気がする。
不安と焦りですり減った精神はもうすでに限界に達している。
そんな不安が引き戸の音によって軽減された。
入ってきたのは担当医だ。一人で来たようだ。
「こんばんは。太一さんだったか?意識がないとの話だが。」
まずい…この担当医は最初に目の確認をしたんだ。動かしても気づくだろうか。
「ちょっと眩しいですよ…。」
俺の目に強烈な光が差し込む。
光は右、左、右、左と行ったり来たりする。
「瞳孔に反応はありますが、いつ意識を取り戻すかは不明ですね。」
俺の希望は打ち砕かれた。
「まあ、そういうことです。私は何も知らないんですよ?どうしてこうなるのか。」
担当医の話は続く。
「最初は熱心に原因を調べました。失血から助かった患者がいましてね?その患者は復帰したものの、全身麻痺になってしまったようでした。喋ってくれないからわからないんですがね。」
何の話をしているんだ?絶望に飲まれた俺には理解できないようだ。
「患者さんのご家族は荒れてしまって、誰もお見舞いに来なくなってしまいました。次の患者はやんちゃな方でねー。喧嘩をして、頭を強くぶつけたそうです。本人からは何も聞いてないんですがね。」
分かっている。だからこそ脳が否定する。俺にこんな話をするってことはそういうことだろう。
「やんちゃな彼の家族も荒れてしまってねー。でもあなたの家族ほど荒れてはないんですよ。結局患者さん本人は亡くなるんですけどね。」
担当医は立ち上がってさらに話続ける。
「いやー。あなたで5人目になるとね…。私にはどうすることもできないんです。ただひたすらに、恨まないで欲しいんです。医者だって万能じゃない。ミスもするし分からないことだってある。担当した患者さんが亡くなったときの罪悪感をあなたは知っていますか?私は医者になってから宗教に入りました。一人じゃ耐えられないからです。だからこのチャンスをくれた神に感謝をしたい。あなたに…一方的ですが、私の気持ちを話せたことを…。許しを請うことが出来ることを!」
足をそろえ全身が見えるように一歩引いて、担当医は頭を下げた。
「申し訳ない!私が無力なばっかりに!」
ってことは、俺の体が動かないのは原因不明で直し方が分からないってことか?
笑いがこみ上げてきた。おかしさから来る笑いではないだろう。
絶望の末、希望がないことが確定したから笑いがこみ上げるのだろう。
自分でもわかっていない、わかるわけがない!
宗教だ?なら神は俺に何をしろっていうんだ!俺が何をした!
何もしていないし!何も出来はしない!今となってはな!
涙すら出てこない俺の体はいったいどうなっちまったんだ!
おい!待てよ!最後まで話を聞け!
担当医は静かに引き戸を閉めて行った。
それから家族の見舞がなく、看護師の微笑みに付き合うこと数日。
部屋の外が慌ただしくなっていた。
勢いよく引き戸が開かれ、弟が入ってきた。
「兄貴!やってやった!仇は取ったぞ!」
俺は静かに目を閉じた…。
「父さんと母さんの仇は取った!やってやった!」
確かクリスマスだったか…。弟は欲しがっていたゲームソフトを買ってもらって喜んでいたな。
飛んだり跳ねたり、叫んでいる所とかそのまんまだ。
弟も限界だったんだな。仇はすぐ横にいる看護師なのに、俺は無力だ。
弟の次に入ってきたのは大柄な男たちだった。
直ぐに弟を捕まえ、連れて行った。
ごたごたが終わって、看護師が顔を覗き込む。もう恒例行事だ。
最近は俺の目を見ても微笑まなくなっていた。
俺が無反応だからだろうな。
見かねたのか看護師が作り笑顔で話を始める。
「弟さん喜んでいたわね!部屋の外の話だからあなたは知らないだろうけど、どうやって相手の住所を知ったのかしらね?」
そうだよな。看護師が教えたんだよな。俺の目の色は変わらない。
看護師はふくれっ面をして「もういい!」なんていって部屋を出ていく。
そのまま帰ってこなければいい。
だが看護師は何度も何度も俺の顔を覗き込むことになる。
3年くらいたっただろうか。
弟が顔を出してきた。
そこからさらに期間が経ち、車椅子で外に出ることが出来た。
担当医は泣いて喜び、看護師も泣いていた。
弟も泣いていたが、俺は泣くことは無かった。
何もできない時間が長すぎたのか、俺は何も感じなかった。
感動なんて…怒りすらなかった。
弟はアパートに案内した。
バリアフリーのアパートだが、家賃は安いらしい。
相変わらず何もできない俺に、点滴を用意したり体を拭いたりと世話をしてくれた。
弟が仕事に行くときにはデイサービスとかいうのに頼んでいるようだ。
身の回りのことはやってくれる。
テレビの前が俺の居場所になって1年。
弟は照れくさそうにしていた。
話の流れでは彼女が出来たようだが。
弟が車椅子を回すと、そこにはあの看護師がいた。
もう、何も感じなかった。
好きなようにしたらいいよ。
俺の目を見た看護師は、微笑みを浮かべていた。
【もったいないからフローを残そうかなと…。】
日常からホラー化
■フロー
・駅を出る階段でこけた女性に、ズボンのすそを引っ張られて転落
頭を打って入院
・3か月ほど目を覚まさず、目覚めるも何もできない(植物人間状態で意識あり)
・部屋には家族とこけた女性&その家族で話し合い
・主人公はそっちのけで決まる内容が女性に不利な内容、女性家族は軽減のために頭を下げる
・女性が病んで自殺をし、「自殺に追い込みやがって!」と女性の家族が殴り込み
・家族が応戦するも母親が首を絞められ意識不明の重体
・その復讐で兄弟が相手家族を殺害&逮捕(一家殺人事件)
・主人公は看護師から話を聞くが、あおった犯人が看護師
・看護師:「楽しかったですよ…」主人公の心拍数が上がることで怒りの描写、看護師笑う
・主人公父親が病室にて「母さん…死んだよ」と報告、死亡の流れ→点滴をしていたら異常が出て死亡(看護師が仕組んだこと、調べて詳しく書くか)
・父親「俺も…だめかもしれん。すまない。」と言って自殺をする(主人公の隣で)
└看護師が心拍数の音をごまかして、心音の変化に気づかず、の描写入れたい。
『心拍数の変化ならできるはずだ!気づいてくれ!』看護師が見える(伏線で見える位置に傾ける)
看護師がほほ笑む、『心音が上がらない!あいつ細工をしやがったな!!』的な
・隠れていた看護師によって父親の死亡が確認され看護師笑う
・看護師による暴露(ストレス発散と幸せを壊したい)
・担当医に異変を知らせるチャンスが来るが、担当医は無視。(つながりがある)
・担当医「過去にね、おんなじようなことがあって、みんなおんなじ結果になるんだねー」とつぶやく
・担当医「あんたもおんなじように、死ぬのかね。」無表情
・主人公「みんな狂ってる!」的な感じになるが、何年かして、出所した兄弟と一緒に老人ホームに
└みんな狂ってる一番怖いのは人間だエンドにしようか?
・老人ホームに行くと看護師が担当になるエンドにしようか
■案
時々看護師が先導する描写を入れるか
└寝返りをさせることで先導している描写にするか(見える位置の調整)
ホラーなんでおどろしく書く?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
良かったら評価でもいただけると嬉しいです!
では、またいつか。