誤解
満員電車にて。シートに座った男の前に女子高生が立っていた。
男は女子高生を見上げ、ハアハアと息を荒くしていた。
あまりにも男がハアハアするので、女子高生は我慢できなくなり、男に告げた。
「あの、私に何か? さっきからずっと見てるみたいだけど」
「……足が」
「えっ、足?」
足元を確認し、女子高生は男の爪先を踏んでいるのに気付き、慌てて謝罪した。
「ご、ごめんなさい、気付かなくて……すみませんでした」
女子高生が足を引こうとしたところ、男はクワッと目を開き、叫んだ。
「もっと! もっと強く踏んでくれ!」
男は変態だった。