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気まぐれ短編集

誤解

作者: 之雪


 満員電車にて。シートに座った男の前に女子高生が立っていた。

 男は女子高生を見上げ、ハアハアと息を荒くしていた。

 あまりにも男がハアハアするので、女子高生は我慢できなくなり、男に告げた。


「あの、私に何か? さっきからずっと見てるみたいだけど」

「……足が」

「えっ、足?」


 足元を確認し、女子高生は男の爪先を踏んでいるのに気付き、慌てて謝罪した。


「ご、ごめんなさい、気付かなくて……すみませんでした」


 女子高生が足を引こうとしたところ、男はクワッと目を開き、叫んだ。


「もっと! もっと強く踏んでくれ!」


 男は変態だった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませていただきました。 女子高生は「もっと! もっと強く踏んでくれ!」と言われた時、引いていたんじゃないかなと思います。
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