転生したネコは傍観する
俺、斉賀秀人は学校帰りに…有り得ない手段で誘拐された高校生だ。
有り得ない手段ってのは…そのな…頭が可笑しいとかじゃないぜ?コンビニでアイスを買った学校帰り、何時も通ってる道にピカピカ光る不気味な魔方陣みたいなのが地面に出たと思ったら、全く知らない場所に居たんだよ。口に食わえてた寄り道して買ったアイスが落ちた。
どんな事態かと言うと……異世界からの勇者召喚魔法だそうだ。
魔法、異世界からの召喚って此所は異世界かよ!しかも勇者って何処の物語の世界の話だよ!
で、こんな頭の痛い事を教えてくれた兼召喚って手段で俺を誘拐してくれやがった犯人は、ネクラそうな魔術師とかヤバそうな奴等で無くて、なんと言うか……一言で言えば美少女。逆に誘拐したい、じゃない誘拐されそうな外見の女の子。
この世界で出会った誘拐犯、召喚された国ヒルナンデ国の姫、アイリスってアイドル顔負けの美少女だ。
後魔術師ぽい小柄な娘。
異世界からの召喚って話を聞いて混乱してる時にアイリス姫にキラキラした目で勇者様!って呼ばれて、魔王を討ち倒して欲しいと頼まれた。
魔王?……ハハハ魔王ね。正直いきなり召喚されて魔王倒せとか言われてもな?美少女の頼みでも意味わかんねぇよとか、ふざけんなとか、パンツどんな種類とか、帰せとか、自分達でやれとか、美少女ハァハァてくらいしか思わない。
え、半分ぐらい可笑しい?…………まぁそれは置いとくとして、それより魔王倒してくれね?
この時、判る情報で言えば召喚されたこの世界は召喚とかみたいな魔法もある世界、魔法あるなら魔物とか出るファンタジーの世界ぽい。あ、やっぱりこの世界にはスライムやら竜とか魔物が出るそうだ。
魔物とか出るなら……魔王ってのは性格とかからくる異名とかでなくて、良くゲームとかに出てくる世界征服とかしちゃう魔王だよな。
……うむ無理だ。おれ普通の学生だぜ?魔王どころか普通の魔物でも無理だろ。
けどもっと詳しく話し聞いてみるとな。少しな。
姫が話してくれた内容は……ファルセンってこの国の隣国が魔王に侵略されて多くの人が苦しめられてる、何時この国にも魔王の魔の手が来るか判らない。なら普通なら国をあげて戦うって話しになるよな。
なのにこの国の重臣はアイリス姫の国王や婚約者筆頭に皆魔王に協力してるか操られてる。魔王を倒すどころか魔王と和平をしようって話になってるそうだ。
それ本当なら詰んでるだろ。想像通りの魔王と和平とか確実に裏切られるだろ。いや裏切られなくても国が大変な事になるだろ。これは姫と同意見。
どうにもならなかった姫が頼ったのは勇者を召喚して魔王を打ち倒す事。つまり俺が姫にこの国の希望。
俺は迷った。ただの学生なら迷わず断れたけど……な。
姫が異世界からの召喚をした理由は……召喚された異世界人が異様に強いって伝承があったからだそうだ。
俺が強いとか無いって言うと修練場って所に連れてかれて試しにマジな剣を振らされた。……うん、……こえええええええよ!!!!
先ず鉄の塊で10キロは有りそうな剣に重さを感じないのに違和感感じた。そして力を込めて剣を振ると飛ぶ斬撃がでやがった。だいぶ離れた所に有った試し切りの人形が真っ二つ。自分でやっといてドン引きだわ!!剣道の経験すら無いのになんじゃこりゃ!?
魔法も初期の生活にお役だちな魔法、ライターみたいな火が出る魔法を試すと……業火が出た。これが生活魔法?なに日常的に放火でもしてんの。原因は俺らしい。魔力量が異常に多いそうだ。
結論……俺無茶苦茶強くなってた。
けど、想像通りの魔王だとなー。魔王なんかに挑むなんて絶対に命懸けになるよな。いきなり召喚された世界の事だし関係ないって言える……けどな……姫に考える時間をくれって頼んだ。
その日の内に俺は呼び出されて王様とアイリス姫の婚約者と出会った。意外にも召喚した事の謝罪から始まった。いや、それはいいよ。
それより……スゲェ腹が立った。
王様は娘をなじった。婚約者も姫の事をバカにした。召喚も、魔王を倒す事も愚かな行為だと言った。
王様や婚約者だけじゃない城の中の殆んどの奴が同じ事を、姫を愚かだと言う。隣国を侵略した魔王と戦う必要がない。召喚された勇者なんて必要がない。……全員が姫を、国を想い人を助けようと想った一人の少女を責めていた。
心に灯った熱は何だろうか。怒りもある。それよりアイリス姫の行為がバカにされたままなのは納得いかないな。
俺は……魔王を倒すことにした。
俺は姫に魔王の討伐を承諾した。
数ヵ月、姫の協力者の魔術師や剣士に戦闘訓練を受け。それから装備品等の物資や資金色々な支援を受けて旅に出た。
道中、魔王の手先の魔物に苦しめられてる人を助けながら隣国を目指した。
隣国についたのは一年後、本当なら数ヵ月で着く筈の隣国に何者かの妨害を受けて隣国まで辿り着くまで一年も掛かった。多分魔王だ。
俺は隣国に侵入して噂を頼りに魔王を探した。魔王は以外に簡単に見付けられた。不自然な程に簡単に……。
魔王は俺の、勇者の俺の事を待ち構えていた!魔王が情報元はアイリス姫の婚約者、あの男だと言った!妨害してたのも魔王でなくて奴だったのか!しかも魔王はアイツを操ってない!味方だと!?俺はその事は後でけりをつけると心に誓って魔王に戦いを挑んだ!
魔王はまるで人の様な外見の持ち主。人の姿に気後れしてると、魔王は部下を下げて一人で俺と対峙した!魔王が無意味な戦いだと言いやがった!俺を本来の場所に帰してやるだと!俺を嘗めるな!!
俺は魔王と一対一で戦って俺は……魔王に負けた。
俺は強くなったと思ってきたのにまるで相手に為らなかった。無様に負けて逃げた。命からがら逃げた。いや魔王が逃がしたんだろう。あの蔑んだ目!俺がどうでもいい羽虫とでも思って!
負けた……負けたけど!俺は!俺は!アイリス姫の元まで逃げ帰った。アイリス姫はアイリスは魔王に負けた俺を責めなかった。無事で良かったと喜んでくれた。
俺は……諦めたくなかった。
俺は、魔王に負けた俺をまだ勇者と信じてくれたアイリスの為に更に一年掛けて修行し強くなった。だけど此でも足りないと今度は仲間を集めることにした。
殆どの奴は魔王と戦うと言ったら誰も協力してくれない。特にファルセンで魔王の討伐が目的と言ったら狂人の様に見られたり襲われたりした。それでも何とか仲間を四人集められた。
そして俺は、俺達は魔王の居城に突入して……とうとうあの魔王を打ち倒した。
……あとは……
はぁー、どうしたものか。
次期国王となる、私の頭を悩ます魔王による隣国の侵略。
国力で言えば隣国とは同格いや格下だった。だが魔王殿の配下の兵力が増えて近年では此方が劣勢。此のままだと何時攻められ我が国の危機になるか判らない。
魔王の討伐?勇者の召喚?姫が何やら可笑しな事を言ってるが無視だ。いや妨害だけはしておく。魔王殿との和平を進めていたら…姫が本気で勇者を召喚してしまった。
召喚から2年後、なんと魔王殿が勇者一行に倒された。我が国の姫によって異世界から召喚された勇者が仲間と共に魔王を倒した。倒して"しまった"
王女と結婚し次期国王となる筈の私は、魔王殿を討伐"してしまった"勇者パーティーと王女殿下に聖堂まで呼ばれて……其所で記憶は途切れた。
ーー姫最後の敵を倒したーー
ーーああ、勇者様此でファルセンとの戦争も回避出来て平和になるのですねーー
ーー姫、いやアイリス…俺は…俺は貴女を愛している。姫としてでなくて一人の女の子としてーー
ーー……シュウト……私もーー
「ニャグァァア(瀕死の奴の前でラブコメ見せ付けんな!)」
鳴いたのは昼下がりの街角の木箱の上で寝ていた白いネコ。
白いネコは伸びをして起き上がる。彼はネコ。白い毛のネコ。野良猫だ。因みに元人。数年前まではこのヒルナンデ国で産まれ育った元人だった。昼寝から覚めたネコは暇潰しに二人の商人の話を聞いた。大変タイムリーな話題だった。
「いよいよ勇者様と王女殿下の結婚かー」
「ああ、結婚と同時に今の国王陛下が退任されて勇者様が国王陛下になるそうだぞ」
「へぇーめでたいな。王女殿下も勇者様と結婚出来て幸せだろうな。」
「ああ、そう言えぱ姫の元の婚約者は魔王と和平を結ぼうとしたり、魔王を倒して平和になった後にファルセンと戦争を起こそうとした大罪人だったな」
(ファァー……元の人生は大罪人ね。あれが大罪ね。……まぁ……やった事は間違ってないんだけど)
ネコはアクビをして眠そうに目を半開きにしながら商人達の話を聞く。ネコは思う。あの王女殿下とあの召喚された勇者の結婚ね。それで新しい国王があの勇者。……後継者決めた前の国王なに考えてんのと。
勇者が国王になって数ヵ月。
(あー煩い。昼寝の邪魔。何か最近人が騒がしいね)
昼寝を邪魔したのはネコは覚えないが彼等は、数ヵ月前にネコの暇潰しに話を聞いていた二人組の商人だ。
「なぁ、ファルセンの噂は本当かな」
「ああファルセンと同じく魔王が征服してたセルガリア帝国と同盟を組んで攻めてくるって話だろ」
「魔王が居なくなって戦争が終わったと思ってたら……何でそんな事になったんだよ」
「……今の国王陛下様が原因らしいぞ」
「国王陛下って魔王を倒した勇者様だろ。何で魔王から解放して貰った国の奴等が攻めてくる原因になるんだよ」
「ああ、…此処だけの話…魔王が悪逆非道とかって話だっただろ。あれ……嘘みたいだ。いやそもそも魔王って所から間違ってたらしい」
「は?」
「いやさ。仕事でファルセンに行くことが有ったんだけどよ。……そのなファルセンでは元々の統治者が最悪だったの知ってるだろ?」
「そういや……貴族の犯罪は野放しで奴隷なんかもいまだに使ってた国だよな」
「知ってるよな。それでな魔王に侵略された後には奴隷制は廃止されて、貴族の犯罪も取り締まって、治安も良くなって景気も良くなったそうだ。ファルセンでは魔王は救世王とか呼ばれてたんだよ」
「魔王が救世!?魔王なのに!?」
「あーそのな。そもそも……魔王、人だったみたい」
「はぁぁぁー!?人なら魔王でないだろ」
「魔王っての魔族の王って意味で無くて魔法で頂点とったって意味で魔王って呼びなだったらしい……」
「それマジかよ」
「マジ、マジだよ、実際にファルセンの連中に聞いた事だ」
「え、じゃあ、魔王が極悪非道って話しは!?噂流れてたよな!」
「……その噂か。出元の一つは知ってるぜ」
「何処だよ」
「数年前、人を襲う魔物退治してた勇者様の活動有っただろ」
「え、ああ確かそんなのあったな」
「勇者様がその時に魔物の攻撃は魔王の仕業だって言い触らして各地回ってたそうだ」
「……知性のある魔族なら兎も角、魔物って野生動物みたいなもんだろ普通に人を襲うだろ、何で魔王の仕業だと思ったんだ。てか何でそれ聞いた奴は素直に魔王の仕業だと思ったんだ」
「助けてくれた相手だからじゃないか。
それとな魔王を倒した勇者のパーティなほぼファルセンの旧貴族とからしいぜ」
「て事はなんだ。…ファルセンにとっては国王陛下は…勇者でなくて……魔王って呼ばれてる良い王様を昔自分達を苦しめてた貴族と一緒に冤罪吹っ掛けて殺した暗殺者に成るのか」
「そう考えたら今回の戦争の原因は国王陛下交代だな…ファルセンにとっては怒り心頭だろ」
ネコ的には今更な話し。
(アレな二人だし対策とかしてないだろうなー。…あの二人はともかく他の真っ当なのどうしたんだ?まぁネコの自分にはもう関係ない事だけどね。それより誰かご飯くれないかなー。魅惑のこのMYボディーをモフモフさせてやるぞ)
ネコ的にはヒルナンデ国の戦争の危機への関心はお昼ご飯への関心の遥か下だ。
「どうなるんだ此れから。今考えたら……あの大罪人とか言われてた王女殿下の元の婚約者正しい事をしてたんだよな」
「ああ、救世王って呼ばれてた魔王との和平に今戦争間近のファルセンとの戦争準備だったか……確かにそうだよな大罪人とか全くの嘘じゃないか。……生きててくれたら」
ネコはあのまま生きてたらと想像した。あの姫と言う名のお花畑の夫で国王となった自分の姿。
(げふぅ!?)
ストレスと無縁だったネコの胃がキリキリ痛んだ。
想像だけで血を吐きそうな未来が見えた。
(そ、想像だけでこれって、良かったー。お花畑とあのまま結婚せずに済んで)
「……そ、そうですか」
ネコは返事が聞こえた様な気がしたが、さっきのお花畑との結婚生活を考えて幻聴が聞こえたのだと思った。
ネコは思い出す。思い出せばあのお花畑の行動には何時も胃を痛めたなと……ネコの生前、当時の国王に王女しか子供が居なかった。つまり次期国王は王女の夫が国王に成る。
(そんな状態なのに王女のお花畑ぷりに婚約者に名乗りを上げるの居なかったんだよな)
「こ、国王の地位付きなのに……権力欲がギラギラそうな貴族が避けるって凄まじいですね」
ネコはまた聞こえた幻聴を無視した。
(それで当時の国王に婚約者として指名されたのが、まだ婚約者が居なくて優秀な部類に入ってた俺。……国王に土下座されて頼まれんだよな)
ネコの婚約話は色々な意味でブッ飛んでいた。
「……え、貴方が無理矢理王女と婚約したのでは」
幻聴は驚いた声を上げる。ネコはその質問に無意識に答える。
(あーあのお花畑の中ではそうなってたなー。……此方は断ってたら婚約か処刑かまで追い詰められて仕方なく婚約に成ったのにな)
「……うわぁ」
ネコにとってあの婚約は最悪。
生前のネコが婚約者という事でお花畑の暴走の処理が全部回って来た。
例を上げれば貧民に救いの手をとか言って国の財源を際限なく引き出そうとした。
下の者達との交流とか言って誘拐しろとばかりに、宝石付きのドレスで外に出て護衛の兵士を疲弊させた。
友人となった相手の一本的な意見を聞いて真っ当な商売をしてる商人の断罪を行おうとした等々…自棄になって王家から追放しろとマジで国王に嘆願した程だ。
(本当に色々あった。中でも一番酷いのは勇者召喚だ)
「え、アレが!?」
(そう、そうなんだ。あのお花畑が魔王と聞いて勝手に悪逆非道とか思い込んで国王に異世界からの勇者召喚を頼んだ。当然だけど国王は断った。魔王殿と友好関係結ぼうとしてたし、そもそも異世界からの召喚て禁忌だしな。ヤバイ、レベルで……ホント……隠蔽するのがどれだけ大変だったか)
「…禁忌」
(うん?そうそう禁忌。神様から禁止されてる特大の禁忌。
異世界からの召喚なんてやらかしたら死罪が妥当な重罪。国でも関わってるのバレたら亡国になった事例もある。
……だから王女に協力するのが出ないと思って放置してたんだよ。なのに何処からか禁忌を無視する黒魔術師連れてきて、勝手に勇者召喚したんだよな……あのお花畑は兎も角あの黒魔術師はなんだ?姫が関わってなきゃ火炙りかギロチンに掛けられてるの知っててやったのか?)
「……黒魔術師、火炙り……ギロチン」
(そもそも何で魔王が悪人で異世界からの召喚で倒すとかなんだよと思ったら、異世界の絵本を参考にしたと聞いた時は国王と一緒に倒れたよ)
ネコは当時を思い出して愚痴を言い出す。
「……え、絵本」
(……絵本みたいに本気で魔王討伐して帰ってくるし)
ネコは当時の勇者パーティーが魔王を倒して戻ってきた時の絶望を思い出した。
魔王統治前のファルセンの国王や貴族は色々と酷かった。だから侵略だが統治を良くしてくれた魔王をファルセンの国民が国王と認めていた。ヒルナンデ国は戦う理由もないので魔王と和平を結ぼうとしていた。
つまり勇者派遣はファルセンにとっては、友好関係を結ぼうとか言ってたヒルナンデ国が国民が認めた国王への暗殺者差し向けたって事になる。普通に戦争案件だ。実際両国の関係は勇者のせいで最悪の状態に陥った。ヒルナンデ国は魔王暗殺犯の勇者をファルセンに引き渡して戦争を回避しようとした。
だが王女がその動きだけを無駄に察して、止める間もなく勇者のした事を大々的に宣伝して、勇者がしたファルセンの王の暗殺が王家が承認した行為って事になった。
(あれでファルセンとの仲が決定的になったんだよな)
「…………」
もう戦争が回避不能って情勢下に成っていて、自分含めて国王陛下とか国の重臣とか仕方なく戦争準備をしてたら、戦争の原因を作った勇者やら王女に当時のネコは呼ばれた。
幾らお花畑の王女でも流石に事態に気付いて責任を感じてると思ってたら……
「…………」
(ま、けど戦争とか過労死しそうな仕事にかかわらずに済んでラッキーなのか。……と言うか良く今まで国がもったよな?)
ファァァァ
ネコはどうでも良いこと思い出して疲れた。
ネコらしく昼寝をする事にする。
「少しいいですか」
zzzzz
「……あの」
zzzzz
「………………」
zzzzケフ、ウウンzzzzz
ガシッ
「ニャ!?」
ネコは両脇に手を入れられブランと宙吊りになる。
(な、何だ!?捕まれた!?魅惑のネコボディーに魅了された子供か!?)
「……お久しぶりです」
(ダレ?)
ネコは久し振りと言われたが宙吊りにした犯人、魔法使い風のローブの女の子が誰か思い出せない。
「その……3年前、あの聖堂で会ってます」
(3年前の聖堂って死んだとき…………会ったけ?)
「だ……ダメ魔術師です」
(ダメ魔術師?ああ!)
ネコは数年前にあの勇者召喚をやらかした魔術師の事を思い出した。
「……ダメ魔術師で思い出された」
ネコは落ち込んだ様子に思考が読まれてるのかと考えた。
「……はい読めてます」
(流石禁忌の異世界召喚とかやるぐらい無駄に優秀なダメ魔術師)
ネコは思考が読まれてるので嘘がつけない。
「……」グスッ
(そろそろ昼寝したいから下ろしてくれん。使い魔にするネコでも探してるなら良いミオスケってどら猫を紹介するよ)
ネコは泣いてるのをスルーして近所の迷惑ネコを紹介しようとする。
「………………いえ使い魔探しではありません」
(もしかして"偶然"自分を見付けたの関係あるとか言わないよね?)
「…………」
魔術師からの涙目な視線、ネコは面倒ごとの臭いを感じ顔を背けた。
だがネコは逃げられない。
どうやらネコの前世の仕事はまだまだ終わってないようだ。
えっと、ご想像にお任せと言うの無理そうなので続き作る予定有ります。