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加護持ち領主の和平活動  作者: アイゼン・ジム・トンプソン
第一部 帝都動乱編
3/135

おじいちゃん、ご自愛しんちゃい

お坊さんのBLで、阿闍梨さんが元彼として出てきました。

もう、色即是空です。

アイゼンより

鏡の中のイケメンガチホモサイコサドは俺の思った通り動いた。

「俺イケメンだったのか」

「王子、説明していただきましょうか?」

桃ローブが俺に詰め寄る。


「アドナイアス。どういうことじゃ?」

桃色ローブは白衣のおじちゃんの裾を引っ張った。

「ガルバリアス。王子は魂の魔法を使ったのですよ。何をしたかはしりませんが、体が動かなかったのは、一時的に魂が体から離れたことを示します」


俺は3人に詰め寄られ、断食の下りから正直に話した。

「…というわけで、俺はイケメンサイコサドとは無関係なんです」

桃色ローブのアドナイアスは頭を押さえ、緑色の宝石を自分の額にあてた。それ、気持ちいいよね。

「あなたのいうイケメンサイコサドとはガルシア侯爵領を治める領主の嫡子、ガルシア・デ・トールバルド・ミヒャエル様です。次回からはそうおしゃってください」

ジルバンテが俺の肩を揺さぶる。

「おい、それでは王子はどこにいったのだ」

「王子ははじめ、“影武者の契約”を結ぼうとしたのでしょう。しかし、タクミ殿が逃げそうになったので、“血統変換の儀式”を行ったのです」

「あびすあべば」

アドナイアスは倒れたガルバリアスの額に緑色の宝石をあてた。

「あのー、血統変換ってなんすか?」

「一族の血が絶えそうになったとき、次期当主のみが行える魔法です。正統な血を持たないものを当主にすえるときに使うのですが。まあ、ミヒャエル様はあなたを次期領主として定められたのです」

「あーー。でも、俺が王子と同じ見た目になったのはなぜですか?」

「お互いの肉体と魂を入れ替える魔術は高度ですが特別珍しいというわけではありません。しかし、まったく見ず知らずの異邦人を領主にするというのも問題がありますので、王子はそれを考慮したのかと」

「じゃあ、別に体を取り換える必要はないんですね?」

「ええ、まあ王子の性格からして、顔バレしていないあなたの肉体を乗っ取りたかったというところですかね」


おい、やっぱりイケメンガチホモサイコサドじゃねえか。俺の貞操は無事だろうな?


「元に戻れるんでしょうか?」

「まあ、王子が自ら戻ってこない限り無理でしょうね。文武両道の王子と誰も見たことのないあなたの外観。他国にばれないように動かなくてはいけませんから」


まぢか、グッバイ俺の尻……


「俺はどうすればいいんでしょうか?」

「とりあえず、領主になってください」

俺たちは城の中庭で香りのよいハーブティーを飲みながら、これからのことを話していた。

「いいんすか?」

「かまいません。王子が戻ってきたら、血統変換と魂魄変換を行いましょう。それまでのつなぎです」

よかった、このまま尻の心配をしながら異国で一生を終えるのかと思ったよ。あれっ?でも無理とか言ってなかったか?

「王子を連れ戻す手段はいくつかあります。タクミ殿の似顔絵を国中に貼り出して指名手配する。剣術大会を催す、法術大会を催す、10年ぶりに武器博を開催するなど案は考えてあります」

王子大会好きだな。武器博って。俺もちょっと興味あるわ。


「じゃあ、これからタクミ殿は影武者ということで働いていただきます。今のところこの事実を知っているのはここにいる4人と、侯爵様だけです。くれぐれも他言なきよう」

アドナイアスは桃色のローブを翻して去って行った。

「タクミ殿」

「はい」

ジルバンテとガルバリアスは立ち上がると、頭を地面に叩きつけた。

「「真に申し訳ないっっ!!」」

「いやいやいや」

「これもすべて武術師範と主治医の目が行き届からなかったせい。庶民ですらない、異国の方を巻き込んでしまうとは。なんとお詫びをしたらよいのか」

ガルバリウスは頭を地面につけたままピクピクしていた。爺さん大丈夫か?

「確かにえらい目にあったとは思いますけど、もしもあの時王子に出会ってなければもっとひどい目にあっていたかもしれないんです。だから、頭をあげてくんちゃい」

つい訛ってしまいながらも、自分で自分の言葉に納得した。絶食20日目で山の中に放り込まれたらそもそも助かるのか?山賊やら、人さらいやら、物騒な人間もいるかもしれない。国民でもない人間が一文無しで生活ができるのか?考えようによっては王子を人質に取っているわけだし、命は絶対に保障されているとも言える。てか、アドナイアスだっけ?あの桃色。あいつも土下座しろよ。

「まあ、王子が見つかるまでのつなぎではありますけど、よろしくお願いします」

ジルバンテは、涙を流しながら俺の手を握った。ガルバリアスは寝たままだ。

「すまない。あなたの剣として、この命ささげよう」

「いや王子は?」

「私は将軍としての任は全うするが、あのイケメンガチホモサイコサドは主君でもなんでもない」

あっ、言っちゃうんだ。イケメンガチホモサイコサド。


「ところで俺はこれから何をすれば?」

「とりあえず、結婚してくだされ」


「はっ?」

「婚約者はもう決まっております」

俺は、王子と入れ替わってすぐに結婚することになった。




ちなみに、ガルバリウスは全治3週間で自宅療養となった。

一話ずつの話が安定しなくてすみません。

なれるまで勘弁してください。

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