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エピローグ
二十年後。
『レミ、こっちへ来てくれ』
床に横たわるアレスは、舌と喉とが完全に魔導草に浸食されたため、今では思念を送ることでしか会話が出来ない。
レミはアレスの横に座り、なんでしょう? と思念した。耳も、右は完全に形を失い、左は重要な器官を削られ、回復は見込めない。
『最近は、どうだ?』
『とても順調です。貴方のお陰で、この村も大分変りました。街も、影響を受けていると聞きます』
『そうか』
アレスの体は、ほぼ形を残していなかった。脳など、体の重要な器官はかろうじて機能を保っているものの、外見は、風化したミイラさながらの風貌である。
その時、アレスの動かないはずの舌はわずかに上下し、風が通って音が鳴った。
――ありがとう。
レミは笑って答えた。
「愛しています」
揺れないはずの鼓膜から何を聞きとったのか、その瞬間に、アレス・ダガーズは息を引き取った。
長ったらしい話ではありましたが、もし全てお読みいただいた方がいらっしゃいましたら、ここに深く感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。




