2.2 あかいけど、あかくないそげきじゅう 2
何か、後にいろいろと修正が入りそうだなぁ……この話。
私がくじを引くまでに青いドラグノフが当たる確率は………知らん。
始まった時には私の前に並んだユーザーたちが100人以上いた。
限定何百と言っていた事を考えて、当たる確率は後ろのほど高くなるが………
「二等が出たぁぁぁぁ!! おめでとぉぉぉぉぉ!!!」
どうやら、二等のM4A1シルバーカラーが出たらしい。
M4A1は反動、精度と共に当たりやすく初心者に扱いやすい万人向けな銃だから、当てた人は嬉しがった事だろう。
でも、うん、私はいらない。
私は万人受けの武器は使わないし……癖のあるやつが好きだからね。
「♪〜」
何だか、テンションが上がってきた。
鼻歌でも歌いましょうか。
「あ、お嬢さん……出番だよ?」
「あう? あ、ああ……ごめんなさい」
鼻歌を歌っていた所、出番が回ってきていた……らしいわねぇ。
「で、何が持ってかれたのかしら?」
「ああ、一等と二等が出た。 しかし、お嬢さん……昔WSに居なかったか?」
「居ましたよ? 運営さん」
「……なら、そうだな」
「?」
「よし、くじを引いてくれよぉぉ!!」
「わ、わかりました……」
何やら怪しい動きをしていた事が気になるけど、私は運営のゲーム内担当の人の指示でくじを引く………すると。
「三等だぁぁぁぁぁ!! 可愛いお嬢さんにはメイド服を贈呈ぃぃぃ!!」
「あ、あなた……絶対に狙ったでしょぉぉぉ!!」
「んな、馬鹿な!! このメイド服……ハイテクなんですぜい!!」
「いや、そんなこと聞いてないから!」
運営の担当者が、私にメイド服が押し付ける。
「まあ、三等おめでとう」
「はぁ………」
運営には逆らえないし、しょうがないと思った私は三等のメイド服を受け取ると、アイテムBoxにしまう。
「はいはい、運営さん。 ありがとね」
そして、一言を残すと……その場から離れた。
「あ、性能は上位ですのでちゃんと着てくださいよ〜
着ていれば良いことがあるかもしれないですから」
てか、あの運営の担当………一体、何なんだ?
このゲームの名前は 『ワールド・ワイルド・シューティング』と言い、通称WWS。
以前、私がやっていたワイルド・シューティング(WS)というゲームのVRMMOFPS Verである。
アバターを同じように作ったから、運営は私の事を知っていた?
でも、じゃあ………まさか!?
「広告に使えるプレーヤーが欲しかったから、それが来るのを待っていた………?」
ここまで考えつくのに約5分。
今、私が考えついた仮説を言えば……WWSは衣装の種類が豊富で軍服を始めとしていろいろな物が売られている。
……しかし、当たり前の事なのだろうが、やはりほとんどのプレーヤーは迷彩服等を買うために…その意味がないのだ。
だから、くじでプレーヤーを釣り上げ……性能がおかしい色モノ衣装を渡す。
そして、そのまま活躍させて…運営はそれを宣伝する。
それはWWSは他と違ったFPSゲームだと言うことをはっきりと熟知させるため……
「…………うふふ」
とある事を思い付いた私は隣にあった衣装専門店に駆け込むと、試着室にへと入り込み、アイテムBoxの中にあるメイド服……いや、メイドセットを着てみる。
すると、私は……一瞬自分の体が光ったかと思うと、メイド服に着替え終わっていた。
タイプはベーシックでシンプルな感じ、スカートの長さも膝の下辺りだから動き難くはないかなぁ…スカートがめくれないし。
ただ、ガーターベルトの所にホルスターが二つあり……スカートの内側に拳銃をしまうためにかなり取り出し難そう。
……多分、これは私の考えだと………運営はあの動作を狙ってるな?
………いや、それよりも確認しないといけないのはぁ!!
すてぃたすだぁぁ!!
…………
「………はぁ!?」
やはり、ステータスはおかしくなっていた。
「………………」
それは、もう………唖然としてしまうほどに…
しばらく、ステータス付加値と付加スキルの高さに唖然としていた私だったけど……やはりひとつ問題に私は気がついた。
「これ……場所、選ばないと引っ掛かってまともに使えないじゃん!」
使えといわれても引っ掛かったら使えない。
……つまり、本末転倒である。
『運営よ。ステージを選ばないと使えないこれを……どう、宣伝できるように使えと?』
私は結局…ステータス付加値と付加スキルの代償というものに為に途方にくれる羽目になってしまった。
でも、まだ私が考えついた仮説なのに、決め込んで随分と考え込んだなぁ……私。