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初めてのプロポーズ
「おおきくなったら、わたしとけっこんして」
八歳のとき、私は初めてのプロポーズをした。けっこん、というものをすればずっとそばにいられると聞いたのだ。大好きなお花をたくさん詰め込んだ花冠。ジークは絶対に喜んでくれる! そう思ったのに、彼は困った顔をして笑った。
「これは受け取れません。エミリア様にはもっと素敵な方が現れますから」
花冠を返してこようとするジークの手を、私は振り払った。
「いやだ! ジークとけっこんするの!」
私は手足をばたつかせ、大きな声をあげて泣いた。
「エミリア様……」
ジークは花冠をそっと私の頭に乗せた。
「結婚はできませんが……俺はずっと、エミリア様のそばにいますよ」
私はパタリと泣き止み、ジークを見上げた。
「ほんとに? ずっといっしょにいる?」
「はい。約束です」
ジークは小指を差し出した。私も小さな小指を重ねた。ジークの小指が温かい。この温もりはずっと、ずっと私のものだ。
大きくなって、自分が一国の姫であり、ジークが護衛であるという立場を理解した。ジークは私と「けっこん」できないということも。それでもそばにいてくれるなら、それだけでいいと思っていた。
そう、思っていたのに。




