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PURSUER  作者: 六花 霞螢
1/4

享受

 触れた温もりが、不満を吐こうと開かれた口を塞ぐ。

 それを至福の時と思わぬよう、流されまいと抗っているのは、ただ、認めて欲しいだけ。

 私だって。

 繰り返し浮かぶ文句は、いつだってそこで途切れてしまう。君はずるい。何も聞かないで、只管与えるだけなんて。

 私は、何も貰えなくたって構わないのに。君が受け止めてくれるだけで、これ以上なく幸せなのに。

 せめて、離れていく温もりを追うくらい、させてくれたっていいでしょう。

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