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はじまりかおわり

カーテンの隙間から、淡い光が差し込んでいる



少しばかり重いまぶたを上下させる



体を起こし、立ち上がる



全く同じことはないが、昨日とも一昨日とも似通った朝だ。

まぁ、今日から少し違うかも。

朝ご飯を食べたら、顔を洗い、はを磨き、真っ白なシャツに腕を通して支度を済ませる。

今日は入学式だ。


今日から俺…僕は、高校生になる。

そういうことなので、一人称を変える。昨日よりちょっぴり高校生っぽい気がする。脳みそちょろい。

まぁあまり深く考える必要はない。こういうのは気分だ。


___________________________


さぁ、そろそろ家を出ようかな。初日っていうのはなにかと早めに着いておきたいものだ。


理由はよく考えたことがない。きっと想定外の事態に備えてのことだろう。

それは初日じゃなくても大事だと思うが、初日以外も早めに着いておく側ではないので、深くは考えないでおく。


そうそう、僕の通うことになる高校は、国内でも1番偏差値が高くてかなりハードルの高いことで有名な天陽高校だ。

ここに合格したことは、間違いなく中学時代の努力が結んだ成果の1つだろう。


ナイス、中学時代の僕。


「いってきます!」


返事はないが家との挨拶、防犯上、気分など、色々あってこういうことは言うようにしている。

まぁこれも細かいことは気にしなくていいのだ。


登校は歩きだ。公共交通機関を利用してもいいが、運動など諸々兼ねてのことだ。

幸いなことに、登校はスニーカーでオッケーだ。

ローファーだったらきつかったのかなぁ…とか思いつつ、またもや中学時代の僕に感謝だ。


そろそろ退屈になってきたりしてないかい?

ついつい考えてしまうのだ。こういう無駄なことは。

そして頭の中で口調が若干変わるのも僕という人間の性なのだ。一人称僕も、じきに慣れるさ。


そうこうしてたら高校に着いた。オープンキャンパスなどで分かってはいたが、いつみても綺麗な校舎をしているな〜。グラウンドは人工芝だし、なんか凄そうな感じ。

当然だが、僕の周りにも登校してる人がちらほら。

電車とバスの時間は把握してタイミングをずらしてあるから、たくさんってことはない。

特に話しかけるようなことはせず、事前に伝えられていたクラスへと、気付かれない程度の早足で向かう。

良かった。もう教室には人がいるようだ。

少なめだが、一番乗りよりはましだ。


「あっ!はじめまして!俺、加藤 真司。まことを司る、加藤真司。君は?」


「いきなりぐいぐいくるね…僕は神野 正輝。正しい輝きで正輝。よろしく?」


「うん!よろしくー!ねぇ、正輝って呼んでいい?」


「わかった。僕も真司って呼んでいいかな?」


「もちろん!」


「色々話したいのは山々だけど…一旦荷物とか置いたりしてもいい?」


「あ!ごめんごめん!じゃあ、またあとで!」


「うん、また」


これまたすごく元気そうな人に話しかけられたな…

まぁ、良い繋がりになりそうだ。


んーと、僕の席は窓側の端の後ろから2番目か。そこそこ定番といえば定番らしき位置だな…まぁ、正直席はどこでもいい。

真司は…真ん中右の前から3番目か。隣の人と話してる。相変わらず元気だね。


入学式が始まって、校長が色々話して、いかにもな人が色々話す。

ちなみに僕はこういうのはちゃんと聞くタイプだ。素直にこういう言葉は受け取りたいし、たまに良いこと言う人もいるものだ。


新入生代表の人が挨拶して、滞りなく入学式は終わって教室に戻る。


クラスメイトの自己紹介も担任の話も終わり、昼食の時間だ。

食堂はなく、それぞれ持ってきた弁当などを食べる。

一応校内販売はあるから、そこで買ってもいい。

初日は流石に皆教室で食べるようだ。

賢明だと思う。


ちなみに今日の僕の昼食は弁当ではなくおにぎりだ。

高菜と塩むすび。1:2。


食べながら、クラスメイトをちらりちらりと観察する。ちらちらじゃなくて、ちらりちらり。


うん、やっぱりおにぎりが手軽に食べれていいな。

バリエーションも豊富だし。


昼食が終わったら、仲を深めるレクリエーション的な時間。

こういうのは嫌いじゃない。というか好き。

4人グループを作り、軽く挨拶を済ませ、答えを合わせるあれをする。


「おにぎりの具といえばー?」

「高菜!」「鮭っ!」「ツナマヨー!」「納豆」


まぁこういうふうに、なかなか揃わないものなのだ。にしても納豆はないだろ納豆は。揃える気ないだろ納豆は。


「ペットといえばー?」

「犬…?」「猫でしょ!」「犬かなー」「メダカ」


僕は悟った。それ以上の言葉はない。


そんなこんなで、今日の授業は終わった。

帰りの挨拶を済ませて、少しの間、仲良くなったクラスメイト達と雑談し、校門で別れて帰路につく。


入学式だけだったのにもう夕方で、あたりはすっかり橙色だ。

今日の大きいイベントが終わった感じがして、なんだか達成感が湧いてくる。


___________________________


家に着く。チャイムは鳴らさず鍵を開けて家に入る。



「ただいま!」



当然返事はないが、言うのだ。

家に向けてと防犯上と雰囲気で。


お風呂に入り、夜ご飯を食べる。ちなみに回鍋肉とみそ汁。白米は言わずもがなだ。

食後の歯磨きも忘れずに。


明日の準備を済ませて、ベッドに入り体の力を抜く。

途端に疲労感がどっと出る。不思議なものだ。

今日の終わりを感じる。

今日も、似通った日々がまた過ぎていく。


「かなり良さげだなー。良い人そうな人多いし」


目を閉じる。


「今日は別に収穫はなかったかな」


今日も変わらず似通った日々

でも、確実に違う日々だ

劇的に変わることなんて、そうあることじゃない






















「まぁ、明日からだ」


読んでいただきありがとうございます!

感想や気になった点をコメントしていただけると嬉しいです!


・神野正輝 かみのまさき

・加藤真司 かとうしんじ

・天陽高校 てんようこうこう

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