ep.429 琥珀の墓碑銘:這い上がる悪代官と「穴掘り」の祝祭
黄金のBBQの狂乱が去り、二日酔いの重い空気が平原を包んでいた早朝。 黄金の離宮の前に広がる巨大な陥没穴から、ズルリと、泥とキノコまみれの何かが這い上がってきました。
■ 猫二の生還:虚無の猫泣き
「にゃ、にゃあああああん……! お肉の匂いがしたのに、骨しか残ってないにゃああああん!!」背中に妖輝石を埋め込まれたまま、自ら具現化させた「嘘のキノコ」を食いつないで穴を登ってきた猫二。しかし、彼を待っていたのは冷え切った鉄板と、空になった酒瓶の山でした。「一口でいいから、あの金色の液体(酒)を飲ませてにゃ……喉が砂漠にゃ……」
そこへ、朝一番のメガホンを抱えた咲姫が、爽やかな笑顔で現れます。 「にゃうにゃあ! おはようございますなのです! 飲みたいなら、『労働』でその渇きを癒やすといいのですー!!」
■ 皮肉なる採掘:落ちた穴こそが宝庫
「働かざる者、飲むべからずなのです! 猫二さん、あなたが落ちていたその穴は、実は『パルミエの喉元』だったのですー!」咲姫の「ここ掘れ!」指令により、猫二は救出されたそばから、自分の墓穴になるはずだったその場所へと再び蹴り落とされました。「にゃあ!? また落とされたにゃ!!」しかし、猫二が着地した衝撃で、穴の壁面が崩落。そこから顔を出したのは、雪原で見つかったものよりも純度が高い、青白く輝く伝説の金属群でした。「これは……オリハルコンに、ハイミスリルにっぽ!」地中で配管工事を続けていた魚人が、目を輝かせて叫びます。
■ Lv.16~17:労働狂信者たちの合流
「猫二様、おかえりなさい! 穴の底は聖なる採掘場ですよ!!」信者リーダーたちが、待ってましたとばかりに穴に飛び込み、猫二を「生体ツルハシ」として担ぎ上げます。猫二が妖輝石の影響で「俺様は掘るのが大好きにゃ……(嘘)」と呟くたびに、共嘘石が反応。現場に「猫二は伝説の採掘師」という嘘の認識が広まり、彼を中心に異常な速度でハイミスリルが掘り出されていきました。
■ Lv.18:主役の「監督(放置)」
バルコニーでは、うさちぁぁんが果林にウコンのドリンクを飲まされながら、穴を見下ろしていました。「あはは~、猫ちゃん元気だねぇ~。もっと掘ったら、お酒一滴あげちゃうよぉ~」「うさちぁぁん様、一滴ではなく、一樽と言ってあげないと、彼は途中で力尽きますよ。……まあ、力尽きたら別の建材にするだけですが」果林の冷徹な補足に、隣で護衛をしていた騎士は、甲冑の中で冷や汗を流します。アリスとサヨが「パパぁ、猫二さんがサボらないように、上から石を投げて『応援』するのですぅ」と笑顔で石を渡し、騎士は震える手でそれを穴へと落としました。
「にゃはは! 欲望を掘り出し、価値を私が決める! これこそがホワイトな経済循環なのですー!!」
ピックアップ
猫二(Lv.17:生体掘削機) 酒欲しさに「掘るのが大好き(大嘘)」を吐き、自ら『共嘘石』のループにハマる。現在は信者たちに担がれ、頭から岩壁に突っ込まされてハイミスリルを削り出している。
信者リーダー(Lv.17:労働の加速)
猫二の生還を「労働力の増強」として心から喜んでいる。猫二の嘘を「聖なる啓示」として受け止め、現場のブラック度を神の領域へと引き上げた。
騎士(Lv.18:不本意な投石)
娘たちに強要され、穴の底の猫二に「応援(石)」を投げ続ける。彼の騎士道精神は、平原の朝霧とともに消え去ろうとしていた。
猫二を「自らの墓穴」で再利用する皮肉を描きました。嘘が連鎖する『共嘘石』のせいで、彼が吐く嘘がすべて「過酷な労働」の理由にされていくという、逃げ場のない構造です。
【猫二】
コンセプトは"はた迷惑な猫"
うさちぁんの対比キャラが欲しくて、名前に思い入れのあった"猫二"を採用しました。
本編に出すための練習として書いた短編が↓になります。
神様のけんかに巻き込まれたけど、うさちぁんが全部なんとかしてくれた話
https://ncode.syosetu.com/n5580lm/
https://kakuyomu.jp/works/822139841255165378
なろう版とカクヨム版のリンクですが、中身は同じです。




