ep.399 運命のLv.10、不動の城門
「にゃうにゃあ! 本日は記念すべき日なのです! 研究生の中から、ついに『アンチの届かない聖域』へ足を踏み入れようとする勇者が現れたのですー!!」
泥沼のステージは今、阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。 Lv.6~9の「不安定エリア」にいる新人たちは、少しでも気を抜けばアンチの売却(逆投げ銭)によって、一瞬でLv.0の泥沼へと強制送還される。
「嫌ぁぁ! あと少し、あと少しでLv.10なのにぃ!」 一人の新人が、ファンからの $NkQ が目標値に達した瞬間、アンチによる「大暴落」を浴びて、住んでいたLv.8の家がボロボロのブルーシートに書き換えられた。
「……さらっと。残念でした。貴女は『徳』の積み方が甘かった。……次の方、どうぞ」 アリシアの冷徹な宣告が響く中、ついに一人の新人――「新人C」が、眩い光に包まれた。
■ $NkQ 運命の分岐点:Lv.10【豪華】
Lv.10【豪華】: 二階建ての邸宅。ここに到達した瞬間、居住レベルの「下降」が永久に停止する。アンチがどれほど $NkQ を売り叩こうと、スマートコントラクトにより「既得権益者」として保護される。
維持費: 毎日10NkQ。しかし、このレベルまで来ればファンの固定層がいるため、実質的に「勝ち確」となる。
「……あ、あはは。やった。私、もう泥の中に落ちなくていいんだ。もう、あんなに震えなくていいんだ……!」
新人Cの背後に、立派な邸宅がそびえ立つ。 彼女がどれだけサボろうが、もうLv.9以下に落ちることはない。彼女は「消耗品」から「星系の住人」へと昇格したのだ。
「おめでとう、新人Cちゃん。これで君も『こちら側』の仲間入りだねぇ~」
Lv.20【酒樽】の称号を持つうさちぁんが、塀の中から手を振る。
「私はね、何もしなくても毎日120,000NkQが振り込まれるけど……それだけじゃないんだよぉ~? こうやって、必死に頑張って『人権』を勝ち取った君みたいな子を眺めながら飲むお酒が、一番美味しいんだよぉ~!」
うさちぁんの背後には、湯気を上げる大浴場と、どんちゃん騒ぎが聞こえる大宴会場。その「売上」すらもうさちぁんの懐に入る。日給12万NkQを「最低保証」として持ちながら、新人の必死な姿を肴にする至福の時。
「パパ、見て。新しいお姉ちゃんが『永住権』を手に入れたのですぅ。これで安心して、死ぬまで歌い続けられるのですぅ!」
Lv.16「特権階級」のアリスとサヨが、本物の神のような慈悲深い瞳で微笑んでいた。新人Cは一瞬だけ表情を強張らせたが、すぐに「勝ち組」の笑顔を作り、泥沼の同期たちを見下ろした。
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新人C(Lv.10): 「私は、あいつらとは違う」と確信し、二階の窓から泥まみれの同期へ、慈悲(という名の優越感)に満ちた手を振る。
新人たち(Lv.0~9): アンチの暴落に怯え、24時間寝ずに媚を売り続ける。「Lv.10さえ、Lv.10さえ超えれば……!」
アリシア(監視中): 「……さらっと。格差こそが最大のエネルギー源です。皆様、もっと必死に『徳』を競ってください」
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ついに「絶対的な壁」が明らかになりました。 Lv.10――そこは、アンチという名の死神から逃れられる唯一の聖域。 一度そこを超えてしまえば、もう「人間扱い」されない泥沼には戻らなくていいのです。 うさちぁん様の「日給12万」という異次元の数字を聞くと、Lv.10なんてまだスタートラインに過ぎないことが分かりますね! 次はいよいよ、既得権益を巡る「派閥争い(チャリティ)」が始まります!
【裏話】
この咲姫わーるど、人権が得られるまでがハードルが高い
けど、ある意味で平等。
着想:モグラたたきx落とし穴




