表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラフトアルケミストの異世界素材録 〜スローライフから始まる概念破壊の銀河群像劇〜  作者: 島田一平(ねこちぁん)
咲姫の章【極:TRANSFORM】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

406/1342

ep.396 仮想の福音、再誕するNkQ

 「にゃうにゃあ! 皆さん、お待たせしたのです! これからの星系スタジオは、目に見えるお金のやり取りなんていう野蛮なことは卒業するのです! 全員の想いをブロックチェーンに刻む、究極のクリーン経済圏『$NkQエヌケーキュー』へと進化するのですー!!」


 映画村の巨大モニターに映し出された咲姫は、かつてないほど清らかな光を放っていた。その背後には、清楚な坂道系制服に身を包んだアリスとサヨが、聖母のような微笑みを浮かべて立っている。


 その足元、映画村のメインストリートには、華やかな「オーディション合格」の報せを信じて宇宙各地から集まった、十数人の少女たちがいた。


「……さらっと。合格者の皆様、おめでとうございます。本日より皆様は、聖・坂道アイドルグループの『研究生』として登録されました。ただし、現在の皆様の居住レベルは【Lv.0:野晒し】です」


 アリシアが手元の端末を操作すると、新人たちの網膜に直接、無機質なステータス画面が投影される。


「……え? でも、この星系はどこも真っ白で、誰もが幸せに暮らせる『天国』だって聞いてきたんですけど……」


 一人の新人が、震える声で尋ねた。彼女の視線の先には、豪勢な和風建築で「極楽だニャ……」と高級またたびを噛み締める猫二や、金貨の詰まった袋を愛おしそうに撫でる騎士一家の姿がある。


 アリシアは、感情の消えた瞳で新人を見つめ、静かに、しかし残酷な真理を告げた。


「万人に平等な天国など、この宇宙のどこにも存在しません。天国に至るためには、相応の『徳』を積むことが必要なのです。この星系における徳とは、即ちファンからの支持――仮想通貨 $NkQ の獲得量に他なりません」


「徳、ですか……?」


「はい。徳を積めば、スマートコントラクトによって皆様の居住レベルは自動的に上昇し、壁が現れ、屋根が付き、食事が豪華になります。逆に徳を失えば、部屋の壁は一瞬で解体され、皆様は再び『野晒し』へと戻る……ただそれだけの、非常に公平でクリーンなシステムです」


 咲姫がモニター越しに追い打ちをかける。


「にゃうにゃあ! さあ、まずは『徳』をマイニングするための、24時間全力ダンスレッスンの開始なのです! 踊る姿が尊ければ尊いほど、視聴者からの投げ銭($NkQ)が集まるのですー!!」


 清楚なピアノの旋律が流れ出す。しかし、そのリズムに合わせて新人たちが立たされたのは、かつて超新人が沈んでいた「あの泥沼」の上に急造された、底の抜けたダンスステージだった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


新人たち(混乱): 「徳って何!?」「壁が欲しい!」と叫びながら、泥飛沫の中で必死にステップを踏み始める。


アリス・サヨ(ロイヤル): 居住レベルMAXの特等席で、温かいココアを飲みながら「みんな、頑張って徳を積むのですぅ」と応援している。


騎士(見守り中): 「……徳か。確かに、今の俺たちが幸せなのは、これまでの苦労(徳)があったからだな」と、ホワイト設定に完全に毒された解釈で納得している。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新章突入です! 通貨廃止の真意は「ブロックチェーンによる徳の管理」にありました。 「天国はタダじゃない」というアリシアの言葉、重みがありますね。 でも、頑張れば頑張るほど居住レベルが上がるなんて、なんて夢のあるシステムなんでしょう! 新人の皆さんが早く「屋根」を手に入れられるよう、読者の皆様もぜひ $NkQ の投資(投げ銭)をご検討くださいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ