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クラフトアルケミストの異世界素材録 〜スローライフから始まる概念破壊の銀河群像劇〜  作者: 島田一平(ねこちぁん)
咲姫の肉球学園生活"中等部"編

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瞳34:発泡する迷宮――第五階層・ドリンクスライムと、2.2ミクロンの調合なのです!

第四階層の「地底温泉」で心も体もがっちりリフレッシュした一行。


その潤いを保ったまま足を踏み入れた第五階層は、これまでの「無機質なゴーレム」の世界とは一変し、どこか懐かしくも新しい、ポップでカラフルな「液体の領域」でした。


美味しそうな足止め――混じり合う三色


温泉の湯気から抜け出し、喉を鳴らして進む男子部生たちの前に、ぷるぷると震える巨大な三色の影が立ちはだかりました。

これまでの「素材ゴーレム」とは違い、彼らは自律的に形を変え、独自の「成分」を放って冒険者たちを翻弄します。


「咲姫さん、気をつけて!こいつら、攻撃すると弾けたり、こっちをドロドロに汚したりしてくるんだ!」


炭酸スライム:

透明な体に無数の気泡を蓄えた、パチパチと弾ける個体。近づくと刺激臭(炭酸ガス)で呼吸を奪い、攻撃すると「発泡」による衝撃波で弾き飛ばしてくる。


ミルクスライム:

真っ白で濃厚な、粘り気のある個体。魔法を吸収し、剣を絡め取って重くさせる「高タンパク」な防御を誇る。


トマトスライム:

真っ赤で瑞々しい、果肉たっぷりの個体。潰れるたびに強力な「リコピン・スプラッシュ」を放ち、視界を真っ赤に染め上げる。



咲姫の解析――「敵」ではなく「レシピ」なのです!


「ギニャー!咲姫、こいつら見てるだけでお腹が空くにゃ。でも、混ざり合うとベトベトして掃除が大変そうだにゃ」


猫二が鼻をひくつかせましたが、咲姫はお玉を構え、その瞳に鋭い「調理師の光」を宿しました。


「猫二おじさん、これはピンチではなくチャンスなのです!炭酸にミルクにトマト……。これらがバラバラに暴れているから混乱するのです。なら、私の22NkQ(黄金比)で一つにまとめてあげればいいのです!」



2.2ミクロンのカクテル・タクティクス――虹色のシェイカーなのです!


「デカプリン、あなたの出番なのです!その大きな体で、暴れる三色のスライムたちを優しく、かつ迅速に『攪拌ミキシング』するのです!」


咲姫の合図で、デカプリンが巨大なシェイカーのように形を変え、三種のスライムをまとめて包み込みました。


「……プリン(黄)炭酸のシュワシュワが抜けないように、微弱な電気で刺激をキープするのです!イチゴ(赤)トマトの酸味をまろやかにするために、ほんの少しだけ熱を加えるのです!スイカ(青)最後に全体を2.2度だけ冷やして、喉越しを完璧にするのです!」


デカプリンの中で、三色の成分が絶妙に混ざり合っていきます。

反発し合っていた炭酸の刺激、ミルクのコク、トマトの酸味が、咲姫の「調教(味付け)」によって、一つの「完璧な液体」へと昇華されていきました。


更地のドリンクバーと、至高のプリン


「……はい、出来上がりなのです!」


咲姫がデカプリンを解放すると、そこには戦う意志を失い、トロリと美味しそうに輝く「特製ミックスベース」へと変わったスライムたちの姿がありました。


「ギニャー!咲姫、もはやこれ、ただの飲み物だにゃ!炭酸の刺激が効いたトマトミルク……意外といけるにゃ!」


「猫二おじさん、失礼なのです。これは地下五階の魔力が凝縮された、美容と健康のNkQ(栄養源)なのですよ!」


咲姫は、回収した液体を小瓶に詰め、満足げに微笑みました。


「この炭酸があれば、学園のパーティーで2.2倍盛り上がれるのです。そしてミルクとトマトを煮詰めれば、デカプリンのための至高の栄養フレークが作れるはずなのです!」


第五階層の入り口を塞いでいた「美味しい軍勢」は、咲姫の「レシピの知恵」によって、学園の食卓を彩り、相棒を育てるための「味深の原材料」へと姿を変えたのでした。

スライムは食べ物です。

スライムは飲み物です。

どんどん食材が集まっていくのです。

これでフルーツポンチも出来るのです。

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