表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラフトアルケミストの異世界素材録 〜スローライフから始まる概念破壊の銀河群像劇〜  作者: 島田一平(ねこちぁん)
咲姫の肉球学園生活"中等部"編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1360/1589

瞳25:流転する重量――水ゴーレムと、2.2Hzの相転移なのです!

前線の停滞――掴めない「敵」


鉄ゴーレムの残骸を回収し、調理器具への再加工を進めていた咲姫のもとに、再び前線からの緊急通信が入りました。


「咲姫さん!鉄の次は……『水』だ!巨大な水の塊が、こちらの打撃をすべて受け流して前進してくる。剣を振っても水面を叩くようなもので、ダメージが全く通らないんだ!」


地下三階の中層域。そこには、周囲の湿気を集めて巨大な人型を形成した「水ゴーレム」が鎮座していました。鉄のような「硬さ」はありませんが、どんなに切り刻んでも一瞬で修復され、逆に男子部生たちの重装備を「錆び」と「浸水」で無力化していく、いわば「維持の天敵」でした。



咲姫の解析――液体を「固定」する公式


「……形がないのなら、形を与えてあげればいいのです。水もまた、NkQ(余白)のエネルギーを奪えば、身動きの取れない『素材』に変わるはずなのです!」


咲姫はデカプリンを操作し、今度は「熱応力」ではなく、相転移を制御する公式を打ち出します。



【術式番号:NkQ-225】水ゴーレム・相転移(凝固)固定公式


1. 熱エネルギーの急速抽出(青スライム:スイカによる冷却)

Q = m * c * ΔT + m * Lf

--------------------------------------------------------------------

Q : 奪うべき熱量

m : ゴーレムの質量

c : 比熱

Lf : 凝固潜熱(液体から固体へ変わるときに放出される莫大な熱量)

--------------------------------------------------------------------

[状態]:2.2Hzの冷却振動により、分子運動を強制停止させる。


2. 物理的拘束力の最大化

[状態]:H2O分子が結晶構造(氷)を形成。

「流動性」という自由な余白を、物理的な「脆さ」へ置換。


3. 結論:【氷像化による完全沈黙】

水ゴーレムを「動く液体」から「動けない固体」へと定義変更する。



2.2ミクロンの氷結――スイカの全力なのです!

「スイカ(青)、出番なのです!デカプリンの増幅器を使って、前線の冷却波動を最大出力にするのです。相手の『潜熱』を一気に奪い去るのです!」


咲姫の号令と共に、前線のスライム・ネットワークが青く輝きました。

水ゴーレムの足元から、2.2Hzの超低周波冷却が伝播していきます。


「パキパキパキ……ッ!!」


波打っていたゴーレムの表面が、一瞬にして白い霜に覆われました。

形を変えて攻撃を逃れようとするたびに、スイカの冷気がその動きを「氷」として固定していく。


「……仕上げなのです!表面だけじゃなく、コアまで一気に凍りつくのです!」


最後の一撃が放たれた瞬間、巨大な水の怪物は、その場に静止した「巨大な氷像」へと姿を変えました。動くことすら許されない、完全なる静寂の勝利。



氷の彫刻と、贅沢な「冷やし」


「ギニャー! 咲姫、今度は氷漬けにしたのかにゃ。見てるだけで寒気がするにゃ」


「おじさん、これはただの氷ではないのです。地下三階の純粋な魔力水が凍った、最高級の『冷却材』なのです!」


咲姫は、運ばれてくる氷の破片を思い浮かべて微笑みました。

「この氷があれば、学園の冷蔵倉庫のNkQ(維持期間)が22倍に伸びるのです。それに……暑い日の放課後には、美味しい『かき氷』が作り放題なのです!」



鉄の次は、氷。


咲姫にとってのダンジョンは、もはや恐ろしい場所ではなく、学園生活を「涼しく」彩るための巨大な冷凍庫へと変わりつつありました。

水ゴーレム~「熱を奪う」という負のエネルギー管理。

敵を氷像に変えるのは、夏の生活を豊かにするための準備なのです♪

次は、この氷をも溶かす「火ゴーレム」の熱気が近づいている予感がするのです……!


【裏話】

固定の水(カタチが作れる)or不定形の水(カタチが維持できない)

で、迷いましたが、カタチが維持できない=スライムのイメージが強かったので、代わりにゴーレムとなりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ