第四十五章:禁断の「マヨ化粧水」そして「美肌の深淵(アビス)」なのです!
「……さらっと。惑星マヨラー・ヘヴンの大気成分を分析。……卵黄エキスと醸造酢、そして高純度の植物性油脂による100%エマルジョン構成です。……美容成分としてのポテンシャル、計測不能。……市場独占、確実。アーメン」
会計・秘書のアリシアが、着陸の衝撃でドロドロになったタブレットを、もはや「鏡」として使いながら冷徹に告げます。
「あはは!最高だよぅぅ、孝平くん!惑星そのものが巨大なドレッシング・ボトルなんて、監督の美学は『保湿とコク』で満たされちゃうじゃないかぁ~♪さあ、サヤ!この海を丸ごと濾過して、私の乾燥した肌(と喉)を潤す究極の『マヨ・ローション』を精製しちゃってよぅぅ!」
監督うさちぁんが、マヨネーズの波打ち際で「ポニー」号の脚を滑らせながら、空の酒瓶を掲げた。
「……了解。サヤの魔導乳化、起動。……魔法式『深層・卵黄・モイスチャー』……油分と水分を黄金比で結合させ、肌に浸透(物理)する攻撃的化粧水へと変換します。……南無」
魔法使い・サヤが無機質な瞳で杖を振り抜くと、足元のマヨネーズの海が渦を巻き、透明感のある黄金の液体へと分離・精製されていく。
「にゃうにゃああああ!!撮れたのです!油分を美しさに昇華させる、禁断の錬金術!咲姫アイ、今、全世界の美容業界が卒倒する一枚を固定したのですー!……あ、でもレンズが油で曇るのですー!」
咲姫が、マヨネーズの波を被りながらも黄金のカメラを死守し、肌がテラテラに輝き始めたうさ監督を激写する。
「……ちょ、ちょっと待ってください!!臭い!臭すぎる!これ、全身に塗ったら『歩くポテトサラダ』じゃないですか!!騎士の、騎士のプライドが、この酸っぱい香りに包まれて消えていきます……!!」
騎士が、膝までマヨネーズに埋まりながら、バキバキの瞳で絶叫した。彼の持参金の一部が、今まさに「卵黄由来の美容投資」に消えようとしている。
「騎士さん、女子力が足りませんよぉ♪ボクの可憐さには、この『エキストラ・バージン・マヨネーズ』が最高の艶を与えてくれるんですっ!ほら、騎士さんの分もたっぷり塗ってあげますからぁっ!」
男の娘・新人が、あざとくマヨ化粧水を両手に広げ、騎士の顔面にダイレクト・アタックを仕掛ける。
「……あ。……あぁ。……世界は、潤いに満ちているんだね。……でも、足元が滑って……一歩も進めない。……よし、この『高カロリーな地滑り』を、僕のチュロスで……サラサラに浄化してみせる!」
勇者・孝平が、マヨネーズでコーティングされた光のチュロスを杖に、ズブズブと沈む足場を攻略すべく立ち上がった!
マヨネーズは油、化粧水も油!宇宙の真理に到達した一行は、ついに「マヨ化粧水」の開発に成功!
しかし、この惑星の主、「マヨネーズ・クラーケン(超高カロリー)」が、その香りに誘われて浮上してくる!?




