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第百一話 京街道

御所の門前でお高がおりょうを出迎えた。

「おりょうちゃんよく似合ってるわよ!」

興奮したお高が抱きついてこようとするのを何とか躱しながら

「お、お高さんありがとう。うちこれから帝に会いに行くからちょっと勘弁して欲しい・・・。」

おりょうはのけぞりながらお高から離れようとしたが、お高は容赦なくせまっていく

「逃がさへんで~って痛っ!」

「お頭落ち着いて下さい。」

「お冬痛いじゃない!曲がりなりにも(かしら)に手刀って酷くない?」

「何を言うんですか。お頭を正気に戻そうとしただけです。何も悪いことはありません。」

お冬は悪びれることなくそう言い切った。

そうこうしていると、御所の奥からおりょう達を迎えに使者が現われた。

門をくぐり、閑静な御所の中を静々と進む間、さしものお高も無口であり、おりょうに至ってはこれからやらねばならぬ事への重圧もあってか、表情は硬いままだった。

反面、お冬は良くも悪くも常の通りというか、話すことこそないもののまるで物見遊山のように興味津々と行った様子で見まわしていた。

案内に導かれた三人は小御所の近くまでやって来た。

「では、おりょう様。参りましょうか。」

使者に連れられたおりょうは、心配そうに見守るお高とお冬に送られて一人参内するのであった。


おりょうが参内していた頃、残った定吉達は頭を悩ませていた。

「思ったよりこっち来るの早そうやな。」

「そうやねん。姉御が戻ってくるの間に合えへんのちゃうかな?」

「定吉っあん。わしらどないしたらええねん。」

「どない言うても、今は姉御を信じて待つしか・・・。」

「あんた達、何にしけた顔してるのよ!」

しょげていた定吉達に与力の三田が声を掛けてきた。

「これは三田の旦那。旦那は平気なんですか?」

「バカ言わないでよ。平気な訳無いでしょ?」

三田は心外そうな顔で応えた

「その割に元気ええですやん。」

「ここを仕切るようお奉行から直々に仰せつかっている以上、しょげている暇は無いのよ!」

「確かにそうでんなあ。」

「分ったらしっかりなさいよ。当てにしてるんだから!」

そう言って三田は定吉達に発破をかけながら

(おりょう。あんたが頼みなんだから、手下達をガッカリさせるんじゃ無いわよ。)

心の中で呟いた

不安な気持ちを抱えながら、何時化け物が来るかと待ち構えていた定吉達ではあったが、なかなか姿を現わす事は無く、早ければ明け方にはやってくるだろうと言っていた筈ではあったが、お天道様がかなり高くなる辰の刻に差し掛かってもなお、姿はおろか砂埃すら見ることは無かった。

「なかなか来うへんなあ?」

定吉が小手をかざして眺めていると、下ッ引きの一人が駆け込んでくるのが見えた。

息も絶え絶えで転がり込んできた下ッ引きは、倒れ込むように三田の元に現われると

「ば、化け物が突然現われた鬼と闘ってます!」

そう言って気を失ってしまったのだ。

「鬼と化け物って・・・あなたが気を失ったら詳しいことが聞けないじゃないの。」

三田はとりあえず、気を失った男を介抱するよう言いつけて、こちらから様子を見に行かせようとしていたが、程なく詳報を持った同心が、馬を駆ってやって来たことにより、事の次第がはっきりした。

当初化け物(剛霊武(ゴーレム))は足を速めていたようで、大きさは始めに現われた時に比べると移動に重きを置いたのか一丈に足るか足らぬかと言った大きさではあったが、大力であることには変わりない様子で、枚方宿辺りに造っていた馬防柵や仕掛けなど造作も無く突破される有様で為す術は無く、指を咥えてみるしか無いと諦めてい見届けてると、丁度樟葉へ差し掛かった時だったらしい、突然大きな黒い塊が化け物の行く手を遮るように躍り出ると、大人の身の丈もあろうかという大太刀を振りかざして襲いかかったのだ。


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