表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/52

恥ずかしい魔女

ウルトラ短い。

キリが良い所だと、こんな事に。

前話と繋げりゃ良かったかも。


妹視点。

「ふぅ……」


 ちょっとお腹が重い。食べ過ぎちゃったかも。


 部屋に戻った私は、椅子に座って一息吐く。

 ベッドの上を見やれば、鎮伏者をやっている時の衣装を詰め込んだバックが載っている。


 皺にもなるし、汚れもあるから洗濯もしなくてはいけない。

 なので、このまま寝てしまいたい気持ちを我慢して、中身を広げる。


 出てくるのは、黒を基調としたフリフリの衣装だ。

 マントが付属し、ツバの広いとんがり帽子もある。


 所謂、魔女っ娘衣装だ。

 可愛いとは思うんだけど、荒事をする為の衣服ではないと思う。


「……こんなの、見せらんないよ」


 恥ずかしすぎる。

 良い年して魔女っ娘なんて、顔から火が出てしまいそうだ。


 変に似合ってしまう所も問題である。

 小柄で童顔な私が着ると、ハロウィンで子供が仮装しているような可愛らしさが出てしまう。


 パーティメンバーは、女の子だけだし、皆、似たり寄ったりなのであまり気にしていなかったのだが、お兄ちゃんに見られると思ったら駄目だった。


 絶対に笑われる。

 それだけは、私の矜持にかけて、必ず阻止せねばならない。


「とはいえ、どうしよっかな……」


 売り出されている衣装は、どれもこれも仮装グッズじみている物ばかりだ。

 世間で鎮伏者がどういう存在と思われているのか、よく分かるラインナップである。


 だから、市販品で揃えれば、結局は似たような感じになるだろう。


 ならば、オーダーメイドならどうか。

 こちらならば、自由にデザインできる。

 地味で無難な物だって大丈夫だ。


 但し。


「高いんだよね~……」


 虚数領域で通用するレベルとなると、そこらの鎧やら何やらよりも、よっぽど頑丈だし、特殊な能力が付与されていたりする。

 しかも、モンスター素材だって、取り扱いが難しいものが多い。


 その為、鎮伏者装備の製造者は、国家資格を要求されるし、その関係で依頼額も鰻上りとなっている。

 高給取りとされる鎮伏者であるが、質の良い装備ほどお金がかかるので、収支としてはトントンという場合が多いのだ。


 私も、探索が軌道に乗り始めて、貯金が増えてきてはいるけれど、オーダーメイドを注文できるほどではない。

 残念ながら。


「何とかしないとなぁ」


 無い物ねだりだけど、何とかしたい。

 そんな乙女心の狭間で、私は深々と溜め息を吐くしかなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ