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拾われた異世界転移者  作者: デスVoice
第一章《ギルド》「闇の権力者編」
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第八話 「アンナ・ミロスフィード」

外から響く、地響きと咆哮で私は目を覚ました。


寝起きが悪いとか言ってる場合じゃない。

嫌な予感がする。ただ事ではない。


ティアも起きたようだ。.....レイは?

寝巻きのまま部屋を飛び出し、レイの部屋へと向かう。


「レイ!無事か!?居るか!?」


ドアをドンドン叩くが返事はない。

他の部屋の客も外の騒ぎで目が覚めたようで、部屋から出て軽いパニックになっている。しかしそれでもレイは出てこない。あいつは目覚めがいいはずだ、絶対におかしい。


「...!? まさか!!?」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ゆっくりと意識が消えていく感覚だけが残っていた。いや、消えていくと言うよりは、「死んでいく」と言った方が近い気がする。


まるでペラペラの紙にマッチで火をつけた時みたいに、ゆっくりとしかし確実に消滅していくのがわかる。


「っっっっっい!」


自分の体の形が分からない。人間の形がどんなのだったかも忘れてしまった。


「r……い!!」


アンナとティアちゃんだけが心残りだ。なんのお返しも出来ないまま、残していってしまう。2人が幸せになってくれたらいいな。


「レイ!!!!」


消えていく僕の意識は、僕を呼ぶ声に引き戻された。

大切な人の声。愛しい声。


「っ...........」


「喋るな!

スキル『HEAL(ヒール)』配下魔法!!!グリーンエコー!!」


アンナが回復魔法をかけてくれているの…か。

そう言えば使えるって言ってたっけ…


「グリーンエコー!!!」


治癒が効かないのか間に合わないのか...とにかくもうダメだ。意識がまた、消えていく…


もう、無理だ……ごめん。


「スキル!!『HEAL(ヒール)』!!!!支配魔法!!!エフェラルフラワー!!!!」


...........アンナの叫びを最期に、それっきり僕の意識は.....消えた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


なんとか呼吸を取り戻したレイをティアに預ける。


正直何が起こったのか分からない。何度治癒をかけても治らないレイに焦りを感じ、がむしゃらになっていたら「支配魔法」なんてワードが無意識に出てきた。


しかし今はそんなこと、ドウデモイイ。

私は魔物に立ち向かう。


治癒魔法を連発し、私の魔力や体力はかなり消費された。

だが、


それがなんだと言うのだ。


「スキル『D・SWORD(ディー・ソード)』配下剣技...」


静かにそう唱えると、剣が闇のオーラを纏いだす。


「ダークスラッシュ」


魔物のいる方向の空を斬る。距離にして数十メートル、天地がひっくり返っても当たる距離ではない。


しかし、次の瞬間、魔物の腕の1本が切り離され、地に落ちる。


剣に纏わったオーラが私の剣筋通りに宙を飛ぶ刃となり、遠距離的に奴を攻撃したのだ。


「ぎぎぎぃあ!?」


魔物を汚い叫び声をあげる。痛覚はあるようだ。


「痛がる暇なんてあるのか?

スキル『SPACE(スペース)』配下剣技、瞬間闊歩」


「ぐがっ?」


次の瞬間、私は魔物の懐にいた。あまりの高速移動に、衝撃波が辺りを砕く。


馬鹿みたいに痛がっていた魔物は完全に隙をつかれている。慌てて残った方の手を振りおろすも、間に合いはしない。


「レイを傷つけたんだ...死んで償えよ」


挿絵(By みてみん)


「がががぁぁ!!」


「スキル『D・SWORD(ディー・ソード)』配下剣技!!!ディサペア・カッティング!!!!!!」


「ぎがごこごこごごごこおぉ!!!」


空間ごと消し飛ばす最強の斬撃。縦に振り下ろす私の一撃が魔物を両断する。醜い断末魔を残し、奴は絶命していく。


「クソが」


カンッココ!


大きな霊魂玉が地面に落ちる、魔物が死亡した証拠だ。

私はこの大きな霊魂玉をぶっ壊そうとも思ったが、考え直してポーチにしまうと、踵を返しティアとレイの元へと戻る。

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