表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/71



異世界街生活11日目。

本日はまあ、槍の修理DAYにしたいと思います。


オークと死闘したことを面白おかしく武器屋の兄ちゃんきかせつつ、修理を頼んだら夕方には帰ってくるとのことだった。

どうも穂先自体がいかれた模様。修理費3000ぐらいとんだわ。


はあ。


ここですこし、言い訳をしたいと思う。

誰に? 誰にだろうなホント。

しかし俺は、目立つ目立たない以前に自分が巻き込まれる様な事はしたくないというのが本音だ。

途中で被害届くらい……と思わなかったわけじゃあない。

だが、俺は高ランクならともかく超低ランクなわけで、そもそも被害届自体の意味合いがあるのかという気がしたのだ。

低ランクばかり被害にあっている、と言っていた一言でな。


そもそも一件目で動けよっつー話だよ。

俺の届けが監視の引き金になるとか逆に怖すぎるわ。

そんなフラグいらん。


勿論前々から読んでいた本の内容が思考のベースにはある。

あるんだが……これはぶっちゃけ、自分の気持ちの問題でもあるんだろうなあ。

なんていうかな。

これ、手ぇ出して自分がさらに被害あうフラグじゃね? というあれである。


まず最初に考えられるのが報復。

これはぶっちゃけ届け出しなくても狙われる可能性は高い。

まず、その話についての確認が一切なかった。

これは冒険者が自己責任で動くためである、というのもありそうなんだが……。

あの受付嬢の中で、俺ならなんとかなるんじゃね? という甘えが存在していたのではないかと思うんだよな。


どう考えてもコレ駄目なパターンだよなぁ。

だってそうだろ、弱者だって言ってんのに本音は何とかできるって期待されてるんだぜ?

そして実際何とか出来そうだけど、何とかしちゃったとしよう。

目立つ以前に、目ぇつけられるよね。

ギルドの受けはよくなるだろうけど、反面どう考えたって無理難題がふられるようになるよね、という。


俺は強くはなりたいけど、無理はしたくない。

あと適度に受付嬢と仲良くはしたいけど、面倒事にお人よしによって巻き込まれるのはちょっと嫌だったのだ。

もうね、ひしひしと感じてたよね。

ギルドで有名になって巻き込まれフラグが立つテンプレと言うヤツが!!


だからああいう、被害届みたいなのを自発的に出すつもりは今後もない。

勿論向かってこられれば倒す気はある。

粘着されるなら相手が悪いから被害届だって出してもいい。出そうが出すまいが来るわけだしそこは柔軟にやるしかない。

相手の言い分に理を与えても仕方のないだから。


ただな、貴方が出してくれればみたいに言われるとこう、危険とは別に感情的にも嫌なんだよな。

俺みたいな雑魚にああいうことを続けているなら遅かれ早かれ被害届は増えるだろうし、そもそも話自体はあるんだからギルドが警戒しろよ、という話に終始する。


天邪鬼というなら言えばいい。

自分の知らないところで何かが起こっている可能性があることが、俺は実は一番嫌なのだ。

あと解決して勝手に上に報告されるのも避けたい。


うん。

語って自分なりに納得したところで昼にしよう。



今日はクエストもしないので、昼は近くの定食屋で食いました。

この世界結構食事美味いよな。

俺はちなみに食事に活力は求めていないので自分で料理する気は端からない。

嫁もらったら嫁に美味い飯を作ってもらうのだ!


……とりあえず先に嫁を探せよって話だな。


くるり、と街中を見回した先にいるのは色とりどりの女の子。

存外女の子の冒険者も多いみたいで、いい子いないかなーと実は見つめているわけだが、なかなかストライクな女の子がいないんだよな。

亜人も存在するッぽいので、できれば俺は嫁は獣人がいい。

ウサギとかー犬とかー。

あー、かわいいなら猫でもいいな。どちらかというときゅんきゅん懐いてくる犬系のが好みなんだけど、ツンデレさんもかわいければ許す。

あんまり大きいと自分の身長を抜かれてしまうし、年下ちっちゃい子を希望。

後できれば胸はある方向でッ!


「お」


そんなことを思っていたら、なんか好みの子がちょうど通りかかった。

白いふわふわの耳が銀色の長い髪の上でちょこんと存在している。

胸は……うむ、いい感じのふくらみだ。Cは確実だな。着やせしているならもっとあるかも。

顔は割と綺麗めだが、特筆すべきは赤い目だろうな。

ルビーのような目が、キュッとした感じでそこに存在している。

種族は尻尾の様子からいって猫っぽいなー。

白ネコちゃん。かわいい。細い尻尾でも触り心地は良さそうだしもふりたい。


俺の邪な目には気付かないのか、白ネコちゃんは落ち込んだ様子で道を歩いていく。

その足取りはなんていうか……すんごく、重い。

今にも地にのめりこみそうな様子がさすがに気になって、俺はこっそりと後をつけることにした。


ストーカー?

いやいやナンパだよ。

勿論空気を読んでから声かけますけどね!


段々歩みが遅くなるので追い抜きそうになっては買い食いしつつでしのぎ、そろそろ白ネコちゃんに焼き鳥でも渡して親交をはかろうかなー、そう思った時だった。

白ネコちゃんがある建物の裏に入って行ったのだ。

そこにあるのはどう見ても裏道なうえ、一本道。

一般人が通りかかりそうにない場所に、ちょっとだけ躊躇する。


えーと。

まぁ見とがめられたら素直に道に迷ったって言おうかな、と計算し。

俺はそのまま彼女の後を追うようについていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ