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異世界街生活2日目。

毎日狩をするとか勤勉なことをすると死ねる気がするので今日は装備をそろえようと思う。


まず平均的な魔法使いの装いからチェック。

ローブ・杖・服装はあまり重くないようで、鎧などはきていないようだ。

まぁ、後衛に筋力とかあるわけないもんなぁ。


とりあえず杖の効力は初心者用で1割増、高度なもので5割から2倍と幅広く、高ければ高いほど威力は高まる。

……当分は無理しない予定なので杖はいらんかな。

他の技能も上げて見たいので近接の武器と、軽鎧辺りが無難かなとあたりをつけて俺は武器屋に足を運ぶことにした。


短剣類はまぁ剥ぎ取りだけでいいや。

剥ぎ取り特化らしく殆ど刃こぼれしない優れもの。

ただし生物に使うと耐久度が減る、らしい。何その不思議仕様。

まぁこの世界の独自ルールは大体名前で理解できるのでいいや。深くは考えまい。


他の武器と言えば長剣・両手剣・弓・槍・棍棒・杖・鈍器・斧が存在していた。

後の武器はどうやらオーダーメイドのようだ。武器屋のオッサンと話し合って新しい武器を作る人間も多い模様。

俺の場合遠距離は魔法ですますので弓はなし。

選択肢で考えるといいのは何だろう。やっぱり剣だろうか。


そう思っていた時が俺にもありました。


剣を見てあまりの頼りなさに持つの、断念。

基本的に近づかれるのは嫌なので比較的距離を取れそうな槍にすることにした。

近づかれる前にやれが基本です。チキンって言うな。


「槍は重いが、どのくらいまで持てそうだ?」


親切に説明してくれる武器屋のあんちゃんに言われ、槍を持ってみる。

短槍。むしろ軽すぎる。

通常槍。投げられそうなくらいの軽さ。

ハルバード。ちょうどいい位。


……しかしハルバードはありなのか? 結構重いって言うか普通に重騎士がもってそうな感じなんだけど。

見た目は相変わらずのもやしっ子な俺なので、ハルバードみたいな斧槍を軽々持ったことに武器やのあんちゃんが口笛を吹く。


「おー。すげぇなあんちゃん」


言い忘れてたけど俺、レベルもう10あるんだ。

筋力も2桁超えたし、知力に至っては3桁超えた。

そして俺は考える。


――――もしかして成長補正は仕事しすぎてるんじゃないかと。


ちら、と武器屋のあんちゃんに鑑定眼を発動。

器用さと筋力だけが2桁で、後はどう見ても一桁。

……。

……。

いやなよかんしか しない。


「必要筋力ってどれくらいなんだ?」

「ん? ハルバードか? これは10ぐらいはないと使えん重装備だなぁ」

「ソウデスカ」


おれ、にじゅうあるよ。

10で じゅうそうびって この世界のへいきんっていくつ?


「……少し振り回すには重い気がするから、こっちの通常のにします」

「こっちの必要は7だな。あんちゃん前衛なら盾も持つんだろうし、盾の重さは大丈夫か?」

「盾はじゃあ一番軽いのでお願いします……」


たぶんすげえよゆうだとおもうけど、軽さを俺は求めることにするよ……。

だってほらスキルないしね!

ないしね!


後から聞いたところ、スキル補正がない場合の数値だったようでスキルがある場合は必要値-1補正がかかるようだ。

なお、スキル習得は持ったままウルフに一撃を入れただけで手に入った。

盾も受け流すだけで問題なかった。


成長補正が仕事しすぎて辛い……。

ますますPTプレイとかできそうにないわ……。



とりあえずおれ、よめさがそう。






異世界街生活3日目。

なお、通常槍は本当に普通の槍だったので1000Jでした。

2泊分? 安ッ!?

と思っていたが、あまり使用できないことが判明。


壊れる。

うっかり壊れる。


もうね、ゴブリン退治2回目で5匹目あたりで槍にひびが入った時はどうしようかと思った。

5匹だよ?

5匹で槍壊れるって…使い捨てじゃないんだから……。


吃驚して他の敵はホーリーボールで倒し、そろっと修理にいったら呆れられた。

どうも初心者だから力入れ過ぎて木にぶつけたとか思われたみたい。良かった。


よくよく話を聞いてみると、通常槍は何匹も倒すのには向いていないことが判明。

……。

そりゃ、そうだわ。

PTで一日3匹って言ってたじゃんッ。ソロでも3匹ぐらいなら、と思っていたけど普通に考えて前衛だけで魔物退治とか鬼じゃん。


幸い大きい街だからゴブリン程度ならソロをする人も多く、たまたま登録が遅かったからみたいな目で見られてたようだ。

そうだよね、成人15だものね。

登録してなかっただけで狩してたんだと思われて、だから期待の新人さん扱い、だったのかもしれん。

もうそれで通そう。


こまめに直しに来いよ、って言われてホッとしたのは秘密ね。

ごめん昨日買ったんだそれ。

顔覚えられるような個性的な顔じゃないことに安心するとか侮れん、異世界。


しばらく試行錯誤し、埒が明かないと気づいた俺は修練所で槍のレベルを上げる事に決定した。

一応低レベルならこう、案山子相手でも殴ればスキルレベルはあがるらしい。

初心者丸出しでどうしたらスキル持てますかねちっくに尋ねたら、ギルドの受付嬢が生暖かい目で修練所を教えてくれた。

ありがとうございます。


初心者向けの修練所は本当に人が少なかったのでうっかり案山子を斬り倒したところも見られることなく、短剣と槍のスキルを5ほどあげることができた。

……5、ねぇ。

微妙な数値である。


とりあえず成長補正さんがどれくらい仕事してるかは、今度鑑定眼で確認することにして……。

本日の営業はこれで終了。

昼前だったんで、のんびり街中を散策することにした。




(なお斬り倒した案山子はこっそり証拠隠滅しておいた。倉庫に壊れたのがあったから紛れ込ませておく)




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