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30

短め。



異世界生活35日目。

ということで俺たちは最下層に来ています。




なんでだよ!!!!





「まさか転移に引っかかるとはなぁ……」

「ギルマスがいたことが仇になったっすねー。転移は対象者のレベルに連動した階層に移動っすから……」

「……」


と、いうわけである。

低層は逆に人が多すぎるので、平野と同じくらいの敵が多い中層へ向かった俺たち。

ニックがいるので俺も派手なことはせず、ティナへの補助をしつつ槍でつつきつつしていた時それは起こった。


「あ、レアなのがきたっす」

「レア?」

「あれに近づいちゃだめっすよ。変なところに飛ばされちゃうっす」


いたのは光るモンスター。

煙っぽい光る物体なので、ウィスプっぽい奴という認識であってると思う。

詳細を聞いてみると、魔法でしか倒せない上、短距離転移を使って移動してくるモンスターということで遭遇するのも珍しい魔物だったようだ。

遠目から見ている分には害はないというので、そんな奴もいるんだなぁと見ていた俺たち。

だがしかし、危機は向こうからやってきた。


「……なんかアレ大きくない?」

「そういえばなんか……サイズが二回り位違う気がするっすね……」


遠目から見ていた分には気にならなかったのだが、進行方向を変え遠ざかっているつもりが何故か近づいてくる魔物に嫌な予感を覚えた。

そうして振り返ってみたところ、レアな魔物はさらに近づいてきていたのだ。

嫌な予感がして鑑定眼を発動した処、見てはいけないものが見えた。


Name non

Age non

Lv 49

Job 転移術師

Status -閉-

Skill 

闇属性魔法 lv3


Unique Skill

強制転移



……。

ユニークスキル持ちの、魔物だと…??

なにそれ、どう見てもこれっていわゆる『ユニーク個体』と言うヤツでは?

そう思った瞬間、ニックが慌てたように叫んだ。


「足元!! 転移陣が!」

「なんだと!?」


慌ててダグさんが魔法でレア魔物を打ち落とすも時すでに遅し。

発動した強制転移によって俺たちは最下層へ飛ばされてしまったのであった。





「しかしここが最下層ってのは周りみりゃわかるんだが、この辺は見た覚えがないんだよなあ……」


こんこんと壁を叩くダグさんが、首をかしげて周りを見回している。

最下層へ俺たちを連れて来ようかと言っただけあって、このダンジョンの敵は数体であればダグさんの敵ではないそうだ。

要は囲まれないように動けばいいだけなので彼に危機感はない。

巻き込まれた俺たちは戦々恐々だけどね!!


「ここが最下層なのですかー。あまり変わりは感じられないのですー」

「久しぶりっすねぇ。まあ、こうなったら仕方ないし、何とかなると思うんでどーんとしててくださいッス」


訂正。

怯えてるのは俺だけだった。

まぁそうだね! 俺だけEランクだしね!

ティナも最下層こそ初めてであるものの、中層までは潜ったことがあるそうでなんの恐怖心も抱いていないようだ。

まあ、ダグさんいればそうですよねーわかります。


でもね、俺には見えてるんだ。

咄嗟に見てはいけないものが、見えてしまったので頭を抱えるしかないんだ。


壁にね。

鑑定眼をかけるとね。


――隠し小部屋(76F)


って見えるんだよね。

このダンジョン75層でしたよね?

なんで限界突破してるのかなー!?

どこまで飛ばされてるのかなぁああ!?


上、登れるのかなコレ……。


「サレス、何か気になることがあるです?」


俺が頭を押さえていたせいか、ティナが不思議そうにこちらを見る。

親父さんに色々聞いてるだろうダグさんはまだいいけど、ニックがいるんだよなぁ。

変に能力公開したくないんだけどどうしたもんかな。


「いや、ダグさんが見た覚えがないってのが気になって」

「?」

「最下層を案内できるほどのダグさんが見たことない場所って、どこだって話だよ……」

「あ」


慌てたようにダグさんを見るティナ。

ダグさんはと言えば、難しい顔をして壁を睨んでいた。


「伯父様。ここ、最下層ではないのです?」

「階層的には最下層かその周辺であることは間違いがねぇ。だが、この空間に出入り口が見当たらん」

「ええ!?」

「それって出れないってことですか!?」


出入り口がない、だと……?

もしや仕掛けを作動させずに来たから出れないとかそんな感じ!?


「いや。ある程度なら壁をぶっ壊すことも可能だが、どこが薄いもんかと思ってな」

「壊せるんかい!」

「あ? もちろんだ。上は無理だが横はいけるぞ。そういうダンジョンだからな」


どういうダンジョンだよ!

思わずツッコミを入れてしまったが、ダグさんは気にしないように壁を見に行ってしまっていた。

本気で壊す気満々らしい。


もうツッコミすら追いつかないのでぐったりしていたら、ダグさんはあっさりと壁を破壊して上へ向かう階段を見つけていた。

で、階段を昇ったら最下層の祭壇横から出てきたため大騒ぎになったのはまた別の話である……。

なんかもう帰りたい……。




トラブルメイカー発覚(ただし実害はない)

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