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隣国編、まったり開始ー。

10話ほどのんびり毎日更新します。

ノリはいつも通りです。


合言葉はハーレムはお帰りくださーい。

あとイケメンは滅べ! でお送りします。


隣国の関門でフラグ回収とかないかなーと思っていたが、特に何事もなく関門を抜け、すぐ近くにある街にまで翌日すんなり移動することが出来た。

ここからは護衛についていた冒険者とも別れ、別の隣国の冒険者を護衛として首都まで抜けていく。

というか親父さんの持ち家は首都より遠くにあるんだそうで、首都まで送ってもらいそこからは別行動ということで話がついていた。

ハーフェンなんかはそのまま隣国へ抜けたそうにしていたのだが、俺は評価をマイナスにしないことを条件に断ることにした。


だって、ねぇ。

俺のスキル関連についてこの国のギルドで詳しく今報告されても困るしね?

前の国のギルドでの報告なら王族に情報が伝わる気配がないので安心だが、こっちで報告されると何があるかわからないからな……。

ある程度この国が落ち着ける場所とわかれば仲良くなるのもやぶさかではないのだが、今現在の俺とティナの立場は微妙なモノと言わざるを得ない。

そのため、仲良くなる相手は落ち着くまで選ぶべきである、というのが俺の結論なのだった。


ちなみにゴレムさんは置いてきた貴族の動向も気になるそうで素直に戻るらしい。

俺としてはどんな惨状をひきこ起こしたのか知りたくもないので二度と会いたくないなと思っている。

フラグ過ぎるだろとか思ってない。

思ってないので円満に別れさせていただきたいと思います。


「じゃーなー」

「ゴレムさんもお気をつけてー」

「それお前さんにいわれる台詞じゃないと思う……」


幸いというか、関門近くに来てくれていたギルドの人間はティナとも面識がある人間のようで、こちらを見るとすぐに駆けつけてくれた。

ちなみにおっさんだった。

さすがにティナの相手としては年齢対象外だと思う。よし。


「おうティナちゃん、久しぶりだな」


親父さんに負けず劣らずの筋肉に、でっかい武器。

ティナの身長程ありそうな斧を抱え、にっかりと笑った顔はかなり愛嬌があった。

が。


「え? 伯父様がきたのですか?」

「ぶっ」

「おうよ。ディクに話は聞いてんが、実際にティナちゃんの心を射止めた男の顔は是非拝まなきゃと思ってなぁ」


どうやら親父さんの兄か弟らしい。

顔はあんまり似てないが雰囲気はそっくりである。

こっちの伯父様の方がどちらかというと豪快で、いかにも漢って感じではあるが。


「ダグラス・ヘルディンだ。ディクは弟にあたる。よろしくな?」

「あ、はい。サレスです。よろしくお願いします」

「ほーう? 魔法使いって事でへろへろなのを思い浮かべてたんだが、お前は意外に胆力ありそうだな?」


俺が持っている槍を見つつ、感心したように呟くおじ……ダグさん。

ティナをちらっと見ると目がキラキラしているので、どうやら褒められたようだ。

一瞬なにか寒気がしたんだけど、気のせいだったか?


「俺の威圧受けてもなんともないってことは、それなりに武器も扱えるんだろ?」

「……あ、はい」


やっぱりなんかされてた!

どうやら挨拶と同時に威圧を飛ばされていたらしく、よく見たらダグさんの横の男たちの顔色が悪い。

おい、どんだけ飛ばしたんだよ!


「とりあえず首都までは行きに掃除はしてきたから問題はねーはずだが、サレスはこの国が初めてなんだろ? 観光含め案内してやるから楽しみにしててくれ」

「ホント? 伯父様」

「おう。いわば新婚旅行みたいなもんだからな。首都行くまでに観光地もあるし、見る処は多いぞ」


掃除って何をしたのかそっちがきになるよダグさん……。

ティナは観光と聞いて嬉しそうにしているが、横にいる男……多分護衛冒険者のメンバーなんだろうけど、一人だけ威圧を逃れたのかうんざりした感じでこちらを見てるのがいるぞ?

いいのかこれ?


「えーっと……ダグさん。横の方たちも紹介してもらっていいでしょうか」

「お? ああ、こいつらはおまけの護衛だ。あんまり気にせんでいい。俺一人でいいって言ったんだが、数も力だから連れていけと副ギルド長がうるさくてな。護衛経験もかねてAからDまでそろえて連れてきてる」

「えー。ギルマスその扱いはないっすよー……」

「うっせぇなぁ。ああ、サレス。こいつだけはティナと同じAだから頼りにしていいぞ」


AからDって俺Eだけどな。

と心の中で呟きつつ、紹介されたA級冒険者を見る。

少しチャラい感じはするが、ティナを見る目にいやらしさは特になくいかにも出来る冒険者って感じの青年だ。

ダグさんに声をかけられて一歩前に出ると、かなりフレンドリーな感じで自己紹介してきた。


「こんちわっすー。ニックって言うっす」

「サレスです」

「ティナなのです」

「大暴れしそうなギルマスを抑える役目でついてきてるっす。よろしくっす」


ギルマス……って話の流れ的にどう考えてもダグさんだよなぁ。

まぁ親父さんも相当強かったし、その兄が隣国のどっかの街のギルマスでも別に驚かんが大暴れ防止ってどういうことっすかね……。

深くは考えまい……(想像つくし)。


「とりあえずお婿さんがか弱くて根性ごと叩きのめされるとかがなさそうで何よりっす。溺愛怖いっす」

「さらっと何爆弾発言してんのかな!?」

「この国では周知の事実なんで教えてみたっす。今の威圧だけで同行者は思い知ったと思うんで気にしないでもらいたいっす」


気にしないでいいなら言わなければよかったのにこの人確実に一言多いよね!?

とは思うが、割合善意の発言っぽいので俺は何も言わずに頷いた。

威圧ってなんだよと思ったけど、ついてきた冒険者を牽制するためと今後の周りの対応を考えた発言であったらしい。

見た目の軽さとは裏腹に気遣いが細かいなコイツ。


でもイケメンは滅べ。


「!? なんで俺が逆に威圧受けるっすか!?」

「なんとなく?」

「こっわ! お婿さんこわ!」


いやあ、無意識に思っただけだったんだけど威圧を飛ばしていたらしい。

だってねえ。

ティナを見る限り大丈夫そうではあるが、こいつってまさに”ティナを特別扱いしない彼女にランク近い冒険者”に当てはまってるじゃん?

警戒するに越したことはないよねー。


「ニックの人当たりの良さをしっかり看破して逆に威圧をかけるとはやるな」

「うう……俺ナンパ属性はないっすのに……」


ぼそっと呟くダグさんに、情けない顔をするニック。

だが俺は知っている。

こういう人間こそ確実に油断がならないのだと。


鑑定眼さんも俺に見ろとばかりに称号を見せつけて来るしね!

――称号:横恋慕専門(無意識) 女たらし(無自覚)

横恋慕てお前ナンパよりなお悪いわ!!!!! 無意識とか無自覚とか細かい説明が嫌すぎる!!

そして赤文字で指摘してくる鑑定眼さんも有能だけど嫌すぎる!

っていうか称号なんてあったんだ初めて知ったよ!?


なんだこの悪意ある称号。

鑑定眼さんはどうやら俺の地雷をしっかり把握してアラートを出してくれるたらしい。

ステータスを無意識に見るとかないだけましだけど、悪意を警戒全開にしていたために目の前の男は引っかかったんだろうね……うん……。

悪意の認識が少し違うけどまあ、大事な事なのでいいや……。


俺にとっては一番大事な事なのでまぁいいや(2回目)


「サレス―。早くいくのですよー!」


そわそわしているティナに連れられて、俺は本日泊まる宿に向けて歩き出したのだった。

合流してすぐついた隣国初の街なのでさすがに今日は移動しないらしい。



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