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異世界街生活20日目。

今日はティナちゃんちででぇとですーぅ。


なんてこたーなく。

今日も今日とてお勉強会、である。


「サレスは呑み込みがはええな」

「元々勉強家なんで!」


俺がまず頼んだこと。

それは、常識を教えてもらうことだった。


言語は通じる。

文字はなんとなく読める。

しかしながら俺、自習には必須である本を、この世界に来てから一度も見かけなかったのである……。


いやさ、ギルドで聴こうかなーとか何度も思ったんだよ?

思ったんだけど、なんか見渡す限りに本ってものがなくてだな。

何変なこと聞いてんの? って見られたらちょっとやだなーとか、そう、うん。

思ってまして。

で、いい機会だから常識を知っちゃおう! となりました。


相手はS級冒険者でまだ病人。

自宅療養者なので暇そうだったし、聞いてみれば初心者指導も結構お手の物だったらしく、登録したばかりのルーキーだということを明かしたところ、快く引き受けて頂いた。

むしろ拍子抜けされたレベルだった。


ちなみに本は馬鹿みたいに高いのでギルドにあるにはあるが、貸出もあまりやってないみたい。

本は本当に貴重品なんだそうだ。

禁書も多すぎて一般冒険者じゃ見れない。

そのため本を盗もうとする人間は一定数おり、下手に訊かないのが正解だった模様。

危ない危ない、ステータスとか隠蔽とかばれてたら盗賊と間違われるところだったよ。


なお、俺が持っている鑑定能力についてだが……。


魔物の名前を見れる→冒険者ギルドに申請推奨。

人間の名前を見れる→冒険者ギルド監査レベル。

千里眼機能→冒険者ギルドに申請推奨。

相手のステータスを見れる→国家監査レベルむしろ隷属対象レベル。

ぐらいの貴重能力でした。


やっべええええ! ステータス見れるどころか相手のスキルも大体見れるよ俺えええ!?

そもそもユニークスキルになってる時点で駄目みたい。

ユニークスキルはどれをとっても最大能力で開花したものらしく、ユニークスキル持ちの段階でアウト。

ユニーク持ちは冒険者ギルドに限らず、どこかのギルドに所属した上、制限をかけないといけないものらしい。


色々アウトや……。

想像以上にアウトやったよチートくれた神様……!

説明を聞いてだらだらと冷や汗をかいていた俺を、生ぬるい目で見守ってくれたのは親父様。

いい人や。

ちなみにこっそりと俺もユニークは持ってるが申請してないとかばらしてくれた。

いい人や……うん、俺が持ってるの反応でバレバレだったんだね……。


どうもその制限自体が、国家に反逆しないように、と自由を謳う冒険者ギルドですら顔をしかめる決まりに近いらしい。

実はギルドで把握はしているけれど、国の申請には載せていないって事も多々あるとのこと。

限りなくグレーに近い黒である。

まあ、要はギルドに反逆されたくない側面があるみたいだが、そんなのを国へ馬鹿正直に申請するのがそもそもありえないってことみたい。

国への信用ねぇなあおい!


「あんな馬鹿貴族が横行する国だからな」

「ごもっともだった……!」


王様の権力はちなみに弱いわけじゃないみたいだが、国がでかすぎて体質がなかなか変わらないんだそうだ。

ギルド所属なのにほぼ国の奴隷化して戦争に駆り出されたりということが数百年前横行したらしく、冒険者ギルドは他国と繋がりをもって独立組織化した。

そのため緊急時の国の救助などには手を貸すが、監査レベルのユニークスキルに関しての申請はだいぶゆるいみたい。

これならそこまで目立たないかなぁ?

まぁ、万が一国の監査官に鑑定されても俺の場合隠蔽があるから関係ない気もするんだけど。


ちなみに隠蔽を鑑定すると、ユニークスキルの鑑定眼でも他人による看破は出来ないって書いてあった。

隠蔽強いな!?

俺は自分の鑑定だからこそ正確な内容がわかるみたいだが、普通はスキル名がわかっても使用方法はわからないのが大半みたい。

ちなみにステータスに関しては、神殿に行くと神様に見せてもらえるらしい。


……神様身近にいんの?


「手に持ってるカードにステータスとかスキルが見える機能が追加されるんだ。不思議だよな」


神様なんでもありらしい。

どうも、俺が最初に持ってたカードの機能の劣化版が冒険者などのギルドカードに追加されるみたいである。

一般人はギルドじゃなくて、生まれた時に申請すると国家からステータスカードもらえる決まりがあるんだってさ。

なお、偽名や身分を偽るとき等、ギルドに所属しステータスカードをギルドカードに吸収させることで機能を移動させることもできるんだとか。


カード関連は色々神様の優遇があるみたいだなー。

ちなみにギルドカードを同じギルドカードには吸収変更は出来ないが、所属ギルドが変更の場合は吸収できるとか。

色々制限があるみたいだが、神様が許してくれれば名前変更とかも出来るっぽい。


いやはや、学校の勉強は一夜漬け万歳だったが、こういう内容であれば割と勉強も苦にならない。

むしろ知れば知るほど面白くてぶっちゃけ3日間俺は通い詰めていた。

静養の邪魔になるかな? とも思ったが内容は好き勝手に武勇伝を話しつつ敵の弱点を教えてくれたり、国のなりたちの面白おかしな伝記内容を書いて文字を教えるついでに聞かせてくれたりだったりと、ティナちゃんも手伝える内容だったのでそこまで迷惑にはならなかったようだ。

文字も思ったよりはするする入った。ってかアルファベット崩れただけの感じだし漢字みたいなのもないし。ほんとにひらがなだけみたいな感じで読み方と文字だけ覚えればオッケーぐらいなので楽勝楽勝。


はい、現在のステータスはこんな感じ。


Name サレス(カズヤ・オトナシ)

Age 17

Lv 25

Job -初級冒険者Lv7-

Status -閉-

Skill 

聖属性魔法 Lv8

火属性魔法 Lv7

水属性魔法 Lv5

槍術 Lv7

体術 Lv4

盾術 Lv7

短剣術 Lv7

テイム Lv1

共通言語 Lv5


Unique Skill

鑑定眼 

成長補正

隠蔽

手加減


Bless

創生神の親愛



所持金

 12000J


雑魚敵しか倒してない割には全体的にまんべんなく上がってる感じ。

オーク乱獲でざざっと上がった分の方が多いのはご愛嬌。


所持金が順調に減ってるのは宿代とか槍の修理とか、あとは防具の新調のせいである。

まあ、布の服よりは胸当てですよねぐらいの話なのだが。

小手とかあと魔法使いならアクセサリーだぜ! って言われてアクセサリー買ったりだとか。

魔法使いの装備ってバカ高いの。しかも補正したのがMP増強だったんで実はいらんかったかなとか思った残念仕様だったからもうつけてることも忘れることにした。

そんなばかやってもいいじゃない! 右腕がうずくじゃないけど上腕にくっつく腕輪が結構かっこよかったんだよ! 黒くて!


決して防具やに付き合ってくれたティナちゃんに、これ似合うのです~とか言われたからとかじゃないからな!

金欠だってこと言えなかった俺も悪い、という、うん。

魔力あげた方が良かった気がするのは気のせいだよ……。


ちなみに魔法の習得条件だが、これは一般常識だった。

予測はつけていたがその通りで、その属性の敵を倒しまくれば基本は習得できる。

ただ覚えるまでの数というのが適正値で変わり、まるで適正のない人間が何匹倒しても習得できない、という感じらしい。

ファンタジーでよく見る属性測定みたいなものの存在はなし。

大体親の遺伝で確認し、魔法使いになることを夢見つつ属性を持っている敵をちまちまっと倒していくという形でしか適正は知れないそうだ。

10匹で魔法を覚えたのはうん………まあ、何も聞くなってカンジだな。


あと獣人はあまり魔法は使えないとのことで、ティナちゃんが得意なのは短剣2刀流による殲滅だそうだ。

身体強化魔法は使えるとのこと、こっちの魔法はむしろ獣人特有と言われてるものなので俺は覚えれないかもな。

親父様は武器はオールマイティに使える剣士。

身体強化魔法は使えないが、火魔法を極めるとそこに筋力増強があるらしいので俺も覚えるのを楽しみにしておこう。

多分上級になるんだろうな。俺の持ってる魔法は一律下位魔法らしいので。


スキルに関してだが、Lv10になると自動的に一つ上の魔法に移るとのこと。

場合によっては水と風が統合されて水風魔法、もしくは氷魔法となることもある。

その辺の条件は不明らしい。俺はどうなるのか今から楽しみだ。

さすがに成長補正は上級になったら働かないとかないよね?

ね?


「ところでサレスさん、実際の狩りはいつ行きましょうか?」

「ティナちゃんはもう、狩りに出れるようになったのか?」

「はいなのですよ。手続きは諸々終わりましたし、お父さんも遠出しないならふたりでイイと言ってるのです」


ふむ。

座学(買い物はしたが)を3日したところで、実際の狩りに勝る勉強がないというのも事実。

ある程度知識を詰め込んだら次は実地だな、と言われていたが実際はティナちゃんがまだ奔走していたこともあり、狩りはもっと後になると思っていた。

だが、俺が思っていたよりこの世界はゆるいのか、暇になったらしいティナちゃんはキラキラと目を輝かせて俺に話しかけてくる。


「……楽しそうだな?」

「勿論なのです! 狩りはみんなでするのが楽しいのですー!」


ここ最近はあの貴族に囲われていたこともあり、PTプレイがろくに出来ていなかったというティナちゃんは、たかだかルーキーの俺とのペア狩りだろうと楽しみらしく、満面笑顔だ。


「いつもはPTメンバーに男がいるだけで色々ダメ出しをもらって結局ソロが多かったのですが」

「おい」

「サレスさんとならペアでもいいと言われたのですー!」


親父様、過保護すぎるだろ。

っていうかティナちゃんA級なんだよね!?

どんだけペア以上の狩りに飢えてるの!?


……俺もまぁ、楽しみだけどさ。


俺が盾になって横から殴ってもらってもよし。

ティナちゃんが前に出て魔法で殴ってもよし。

結構いい感じでPTくめそうなのが何よりである。

いや、まだどこまでばらしていいものかわからないんでちまちまつつくだけになるかもしんないけど、それでもソロからの脱却は素晴らしい。


だいたいその……いい雰囲気と言えば雰囲気だろうけど、うん。

ティナちゃんから見れば俺は恩人だが、それ以上の者ではない。

強さを見せたわけでもないし、連携を見せれたわけでもない。

素人でしかない俺はきっと足手まといだろうし、失望させる可能性の方が高いだろう。


だがしかし。


「じゃあ明日、待ち合わせはここでなのですよー」

「おう」



待ちに待ったでぇとの機会なんだから細かい事はどうでもいいよな!



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