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19話【幕引きは――】

「――んっ……ここ、は?」


 強い衝撃を受け、気絶してしまっていた俺が目を覚ますと、こちらの顔を覗き込むようにして様子を窺っていた数人が声を上げた。


「あっ、セーちゃんが目を覚ました!」

「うう……さっきの戦闘のせいか、この顔を見たらなんだか殴り飛ばしたくなるんだけど」

「よかったぁ……目を覚まさないから、やりすぎたかと思っちゃった」


 レン、レイ、それにリムが、各々そんなことを言っている。

 辺りを見回すと、激しい爆発のせいで崩壊しそうになっている教会跡が見えた。

 大罪スキルを失い、もとの姿へと戻ってしまったヘラは、縛り上げられたままの状態でまだ気絶しているようだ。


「よおっ! 無事に目を覚ましたみたいで安心したぜ。身体のほうは大丈夫か?」


 そう言って駆け寄って来てくれたのは、リクさんだ。

 そういえば、皆もかなり重傷だった気がするのだが、大丈夫だったのだろうか。


「ああ、俺たちのほうは、このプルプルした可愛いやつが懸命に治療してくれたからな。大したもんだよ、そんじょそこらの治癒術士より腕がいいんじゃないか? ははっ、よかったらお持ち帰りしたいぐらいだ」


 そうか……ライムが皆を治療してくれたのか。属性スライムの中でも元魔法を所持するプリズムスライムだけあって、彼女の魔法熟練度はなかなかに高いからな。


「よかった……っていうか、ライムはあげませんよ」

「ちっ」


「――セイジ君、その、なんと言ったらいいか……心のほうは大丈夫かい?」


 心配そうに尋ねてくれたのは、ラハルさんである。

 大罪スキルに心を呑まれてしまったのではないかと心配してくれているのだろう。

 最後のほうはかなり危なかったから、そう思うのも無理はない。


 頭の中に響いていた声は――うん……驚くほど静かだ。

 あれだけ強い衝動に駆られていたというのに、今は平穏そのもの。


「なんか……大丈夫みたいです。はは、これもリムのおかげかな」


 おそらく俺が眠っている間にライムが治療をしてくれたのだろうが、まだちょっと頬がジンジンする。

 うん、あれだけ強く殴られれば正気に戻るってなもんだ。


「あ、そうだ、ラハルさん。例のものを渡してくれませんか? たぶん……今ならなんとかできそうな気がします」


 例のもの――というのは、当然ながらアリーシャさんが閉じ込められている封玉である。

 そのために、あれだけ苦労してヘラから大罪スキルをもぎ取ったのだ。


「あ、ああ! 頼むっ」


 ころんとしたガラス球のようなものを、ラハルさんが慎重に取り出した。

 透明な球体の中心には、小さな人影のようなものが見える。

 とても綺麗な顔立ちをした女性――間違いなく、彼女がアリーシャさんだろう。


 俺はその封玉へと手をかざし、自分の中にあるもう一つの大罪スキルを意識するようにして、解放するよう念じた。

 すると封玉が光に包まれ――……とても美しく、若い女性が姿を現わした。


「ぅ……」


 どうやら眠っているようだが、呼吸も安定しているし、外傷もないようなので、いずれ目を覚ますだろう。

 にしても……若いな。

 俺よりちょっとだけ年上の、美人なお姉さんといった感じだ。

 リクさんやラハルさんと同年代にしては、かなり若い気が……。

 もしかすると、閉じ込められていた間は時間が停止してたとか?

 そう考えると、この不思議な現象も理解できる。


 アリーシャさんが無事であることを喜んでいるのは、当然ながら親友だった二人の男なわけであるが……心なしか、それとは別の歓喜の表情が浮かんでいるような気が――いや、きっと気のせいだろう。

 純粋に、親友の無事を喜んでいるはずだ。

 ともあれ、これで一件落着ということで――


「――あ、ぐぅぅぅっ!!」


 突然、身体の中で何かが暴れるような、苦しい感覚に襲われた。


「だ、大丈夫!?」


 心配して声をかけてくれるのは嬉しいけども、リムは一旦、その拳を下ろそうか。

 この苦しさは、さっきのものとちょっと違う気がするのだ。

 頭の中に響くような声も聞こえない。

 殴るのは、まだ早い。


「――なるほど~、こういう結果になったんだね」


 その独特な口調は、聞き覚えがある。


「シャ……、ニア? どうしてここに? っていうか、いつから……?」

「まあ、そういう細かいことは今はいいじゃない。それよりも、苦しいのなら無理せずに出しちゃったほうがいいよ。無理やり抑え込もうとしたら、たぶんもっと苦しくなるから」


 なにそれ、どゆこと。


「たぶん……君が新たに自分の中へ取り込んだのは《嫉妬》の大罪なんだろうけど、君にはそっちの適性がなかったんだと思う。言ったでしょ? 大罪スキルは、宿主としての適性がある者にだけ宿るってさ」


 適性?

 ああ……そういう、ことか。

 俺だって人並みに嫉妬ぐらいするけど、大罪スキルの適性っていうのは、それとはまた別物なんだろうな。


「無事に目的を果たしたのなら、無理せずに出したほうがいいよ。そのままだと、身体がパーンッて破裂しちゃうかも」


 そんな軽い感じで破裂するのは……なんか嫌だ。


「くっ……」


 苦労して奪い取ったわけだし、あまり手放したくはないが……このままじゃ本当に破裂しそうだ。

 体内を暴れまわっている存在を抑えつけるのではなく、外へと出ていくように促す。


 ――すると俺の身体から、薄っすら光るような何かが、ふわりと出ていくではないか。

 その物体は、空高く昇っていこうとしたところで――シャニアが持っていた宝玉のようなものに、シュポッと吸い込まれていった。


「シャニア……それって、もしかして」

「うん、これは君のおかげで修復できたドラゴンオーブだね」


 ドラゴンオーブ――悠久の昔から、ずっと七つの大罪を封じ込めてきた竜人族の至宝。


「えーと。ひとまずは、ありがとう……なのかな?」

「どういたしまして。この封印したやつはどうしよっかな。君が奪ったものだから、オーブごと返してもいいんだけど……できるならそのまま封印しといたほうが無難かな。もしこっちに預けてくれるのなら、竜人の里にいる長老たちは喜びそうだけど」


 うーむ。

 使い道がないのなら、そのほうが安全かもしれない。


「それで……シャニアはなんでここに?」

「もし君が暴走するようなら、わたしもキツイ一発をお見舞いするって約束してたからね。遠くから見守ってたんだけど……君がもともと宿していた大罪スキルについては、上手くコントロールできてるみたいで安心だよ~」


 そういえば……そんなこと言ってたっけな。

 彼女なりに、心配してくれていたのかもしれない。


 ともあれ、これにて本当に一件落着だ。

 アリーシャさんは無事に助けることができたし、大罪スキルに呑み込まれるような事態も回避できた。

 めでたしめでたし……ん? あれ、なんかまだ忘れてるような気が……。




「――はーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは――ゴホッ、ガハッ!!」


 突然、なにやら無性に腹の立つ高笑いがその場に響きわたった。

 この声は、たしか……。


「冷静に状況を見定め、お前たち悪漢どもの魔の手を見事にすり抜けた私に、今こそ歯噛みするがいい!」


 お、おう……ものすごく偉そうな口ぶりで叫んでいるのは、戦闘のどさくさに紛れてスタコラ逃げ出したアンデルさんじゃありませんか。

 あんまり覚えてないけど、ヘラに殺されそうになってたところを、助けてあげたんだっけ?


「くっくっく。許さん……許さんぞ! よくも私にあのような屈辱を味わわせてくれたな! お前たちは、全員生け捕りにして、徹底的に拷問してやる! 自分から殺してくださいと懇願するまでたっぷりといたぶってやるぞ! はーっはっはっはっはっ」


 助けられた……とは思っていないようだな、うん。

 あれだけビビりまくっていたアンデルがこんなにも強気になれるのには、当然理由がある。


「うわぁ……マジか」


 ――現在、彼の後ろには大勢の兵士が隊列を組んで待機しているのだ。


「はっはっはぁ! 大人しくしたほうがいいぞ。お前たちは完全に包囲されているからな!」


 包囲ということは、今見えている数が全てではないということか。

 となると、その数は百や二百どころではなく、千人単位と思われる。

 痛い目に遭って、そのまま黙っているタイプではなかったように思うが……。


「そこまでやるかよ……」

「父上の権力を以ってすれば、これだけの兵を動かすのもわけはないのだ。お前たちが無礼を働いた相手が、どれほどの者だったかを思い知るがいい! さあ父上、号令をっ」


 そうして立派な馬車から姿を現したのは、威厳のありそうな初老の男性だった。

 あれが……大臣のギルバランか。


 っていうか、パパンまで連れてきちゃったの!?

 親の七光りもここまでいくと逆にすごいわ!

 いくら息子のためとはいえ、いや……違うか。


 たぶん、ギルバランの狙いは息子の報復の手伝いなどではない。

 アンデルからどこまで聞いたのかは知らないが、色々と面倒な後始末をつけにきたと考えるのが妥当だ。

 万が一、アリーシャさんが無事に解放されてしまっていた場合、ギルバランにとっては都合の悪いことになる。

 いっそのこと、自分の息のかかった部下に命じて亡き者にしてしまうとか、保護するという名目で監禁し、今後も皇帝への交渉カードとして利用するなど……悪い考えを巡らせたことだろう。


 そんな中、ヘラのように規格外の強さを有している俺たちがアリーシャさんに味方していると聞かされれば、これだけの兵士を動員するのも頷ける話だ。

 彼にとっても重要な局面だから、わざわざこんな場所まで出張ってきたのだと思われる。


「にしても、あの数は……ちょっとまずいな」


 さすがに、あれだけの兵士を相手にするのは無理がある。

 俺だけでなく、皆も相当疲労が溜まっているだろうし……ルークに騎乗して空から包囲網を突破しようにも、さすがにここにいる全員は乗れない。


 この場で余力を十分に残し、かつ状況を打破できそうなのは――


「――いや~、なんか面倒そうなことになってるね」

「……なあ、シャニア」

「ん? なに?」

「さっきの大罪スキルを封印したオーブだけど、あれ返さなくていいや。シャニアに預けとくことにする」

「え、ホントに!? 預けただけで、あとですぐ返せとか言わない?」


 なにこれ、なんかいつもと逆な感じになっちゃってるけども。


「その代わりと言ったらなんだけど……今の状況を何とかしてくれるとすごく助かる」


 俺が控えめにそう言うと、シャニアは包囲している兵士たちを見回して、にんまりと笑った。


「な~るほど……いいよ。ちょっと荒っぽいかもしれないけど、何とかできると思う」

「シャ、シャニア様! それはっ……」


 彼女の傍で彫像のように立っていた付き人のベルガが、制止の声を上げる。


「だ~いじょうぶだって。ちゃんと手加減はするから」

「里の長老たちが、人間には必要以上に関わるなと言っていたのを、お忘れですか?」

「七つの大罪のうちの一つを持ち帰れば、多少のことには目を瞑ってくれるってば。それにさ……わたし個人としても、前々からちょっとムカついてたことがあるんだよね」


 そう言ってシャニアは、リムを手招きして自分の背中を向けた。

 なにをするのかと思いきや、服の隙間から手を入れるように指示する。


「あ……そこ、ちがっ、うひひ、くすぐったいってば」


 ……なにしとんねん。

 さっきまでのシリアスな感じが全部吹き飛んだじゃねーか。


「ねえ、ずっと前にリムと一緒に温泉へ入ったとき、なんて言ったか覚えてる?」

「えっと……ごめん。なんのこと?」

「わたしの背中にさ、一枚だけ真っ赤な鱗があるんだけど、それをブチッとやると大変なことになるって言ったと思うんだ」


 ちょ、ちょっと待った。

 もしかするとそれって……。


「あ! それそれ! 今触ってるそれがアレだよ!」

「これをどうするの?」

「遠慮なく、ブチッといっちゃって!」

「……えい!」

「うきゃあっ」


 うん……躊躇うことなく行動に移せる女子って魅力的だよね。

 リムの手には、綺麗な紅色に光る鱗が握られている。


 引き千切られた痛みのせいか、シャニアはわずかにプルプルと震えていたかと思うと――突然、その姿が炎に包まれた。

 真っ赤なそれは、天高くまで昇っていきそうなほどに勢いよく燃え盛ると、巨大な炎の渦を形成する。


 刹那――その炎の渦から大きな……とてつもなく大きな竜が姿を現した。


 ベルガが竜化したときの姿が可愛く思えるほどである。

 リムが手に持っている真紅の鱗は……たぶん竜の逆鱗というやつだ。

 ベルガの場合は《古竜の外殻(ドラゴンズクラスト)》というレアスキルに頼って竜化していたが、シャニアの場合、逆鱗を引き千切ることが竜化の条件だったのかもしれない。


 それにしても、比喩ではなく山のように大きなその竜の姿は、どこか見覚えがある。

 たしか……そう、すぐそこで崩れかかってる教会や、帝都の立派な教会にもあった古代の賢竜を祀った彫像に、そっくりなのだ。


 ……ああ! そういうことか。

 シャニアは、過去の魔族大戦時に大暴れした紅竜帝ブレイズの直系の子孫だと言っていた。

 姿形がそっくりなのも、道理といえる。

 色濃く受け継いだ血によって、竜形態の姿は信仰の対象である紅竜帝ブレイズそのものだ。

 俺なんかだと、なにそれカッコイイ~……と思うぐらいなのだが、周囲にいる兵士は目に見えて動揺している。


 それも当然。

 彼らのような帝国の人間はクリケイア教を信仰しているため、目の前に神様が舞い降りたぐらいの衝撃を受けているのかもしれない。

 思わず武器を取り落とす者、跪いて頭を垂れる者など、様々だ。

 アンデルなんかは腰が抜けてしまったのか、座り込んで口をパクパクさせている。

 ギルバランはさすがと言うべきか、シャニアを見据えて厳しい表情を崩していない。


『我は古の賢竜――紅竜帝ブレイズの末裔なり。こうして人間の前に姿を現したのは、そなたらの中に羞恥の心を忘れたかのような非道な行いをする者がいるからだ。そう……自らの益のためだけに、主君への忠誠をかなぐり捨てた輩がな』


 お、おう。

 ……シャニアって、そういう喋り方できたんだ。


『心当たりがないとは言わせぬぞ。そこの人間よ』


 真っ直ぐにギルバランを睨みつけたシャニアは、ズズンッと大きな身体を一歩前に進ませた。


「な、なにをしている!?  賢竜の末裔など……そのようなこと、真実であるはずがないであろう! あれは人語を操ってこちらを惑わそうとする魔物に他ならぬ。あの邪なる魔物を見事討ち取った者には、好きなだけ褒美をくれてやるぞ! 我こそはと思う者は前に出ろ!」


 信仰心も大切だが、時として金の力はそれを上回るようで、兵士の半数以上はふたたび武器を構え始めた。

 大勢の兵士の気勢が重なって、地鳴りのように鳴り響く。


『……うっわ、向かってくるんだ』


 あ、今ちょっと素の感じでつぶやいたね。

 次の瞬間――まるで時が止まったかのように静かになった。

 不思議に思って周囲を見回してみると、こちらへ突撃してきた兵士たちが、地面に縫いとめられるようにして動けなくなっているではないか。


 さらに、シャニアは上空に向かって巨大な顎から大火球を何度も吐き出した。

 高熱の火球はどんどん膨れ上がっていき、やがて圧縮されるかのようにギュギュギュッと体積を縮めたかと思うと、ものすごい勢いで降下してくる。

 その物体は、俺たちがいる場所を中心にして、弧を描くように地面を舐めていった。


 あ……まぶし。


 刹那――想像を絶する大爆発。

 そう表現するしかないほどの、光と熱と音。

 辺り一帯を焦土と化すであろうほどの業火が、兵士たちの士気を一瞬で消し飛ばしてしまった。

 俺たちや兵士たちが、爆発に巻き込まれていないのが不思議なぐらいだ。


 もしかして……シャニアの能力って重力操作的なものだろうか。

 ってか、正直これは反則じゃないの?

 キツイ一発をお見舞いするとか言ってたけど、シャニアはこんなのを俺に喰らわせるつもりだったのだろうか。


『その場から一歩でも動けば……次は当てるぞ。もし、我の力に逆らって動ける者がいればの話だがな』


 これでまだ戦おうとする意思を残している者がいれば、褒めてあげたい。

 だが、そんな人間は皆無。

 ギルバランすら、呆然と立ち尽くして声も出せずにいる。


 ――圧倒的な暴力の前では、全てが無意味。


「ば、馬鹿な……こんな理不尽なことがあってたまるか。わしは、わしは……」

『自らの非道な行いは、理不尽でなかったとでも? 罪を認め、裁きを受け入れるというのなら、命だけは助けてやろう。約束を違えるようならば、貴様がどこにいようとも文字通り消滅させてくれようぞ』

「……か、は……」


 ギルバランは、そこで魂が抜けたようにピクリとも動かなくなってしまった。

 悪役の最期なんてものは、こんなものだろう。


 あっけないぐらいで丁度いい。


『――それともう一つ』


 今度は、周囲にいる兵士たち全員に向けて言った。


『過去にあった魔族との大戦時に、亜人たちが我が身可愛さに逃げ出したというのは……間違った認識だ。多くを言うつもりはないが……それだけは覚えておけ』


 魔族大戦時に、形勢不利とみた亜人は逃亡。

 勇敢なヒューマンだけが残り、賢竜と協力して魔族を討った。

 ……その歪んだ認識が、帝国内で亜人が差別される原因だ。

 本当は、追い詰められたヒューマンが大罪スキルを宿す賢竜から力を奪おうとして怒りを買い、ヒューマンも魔族も見境なくボコボコにされたのだと、シャニアは言っていた。

 賢竜の末裔である彼女からすれば、そのように歪じ曲げられた歴史は不愉快だろう。


 帝国内の亜人への偏見をなくすには、思想の根幹をぶち壊すような衝撃が必要だと思っていたが、賢竜の末裔である彼女の言葉はなかなかに衝撃的なはずだ。

 すぐには変わらないだろうが、彼女がこの竜の姿で一石を投じたことは、けっして無駄にはなるまい。


 ……おいしいところを持っていかれてしまった気もするが、これはシャニアにしかできなかったことだ。


『ふぃ~、もうこの喋り方疲れちゃったよ』


 信仰の対象である賢竜の末裔が、ボソッとそんな愚痴を漏らすのがなんとも面白い。


「お疲れ、シャニア」



 さてさて――これにて、本当に一件落着である。

お読みいただきありがとうございます。

次回【エピローグ】

お楽しみに!

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