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ラプンツェル(詩)

作者: 花散里

ラプンツェル


ラプンツェル


お前は何故


塔から抜け出した?


私はお前を愛していたのに。










だっておばあさま。


あの方と共に外の世界で生きたいの。


あの方は私を愛してくれているもの。










愚かなラプンツェル


昔話をしよう










昔々


世間知らずの美しい少女がいた。


少女は貴族の娘で


ある日


パーティーで一人の男性に恋をした。


二人はやがて結ばれて


少女は身篭った。


けれど


その男性はもっと美しいよその女に目移りしてしまった。


男性は少女が男の子を産むと


その男の子を取り上げて


より美しいその女と結婚してしまった。

少女は悲しみのあまり


世を嫌い


抜け殻のように


生きた。


そして長い年月が経ち


魔女と呼ばれるようになった。


魔女は隣家の女房が妊娠したのが妬ましくて仕方なかった。


だから、その赤子を誘拐したのさ。










けど、おばあさま、あの方は違いますわ!










馬鹿なラプンツェル・・・。愚かな息子を信じきって・・・。


ラプンツェル。愛してしまったほうが負けなのだよ。


男女の愛ほどはかないものはない。


ほら、見てごらん。










王子!・・・隣の女性は・・・。










ラプンツェル


ラプンツェル


愛は深く愛してしまったほうが


負けなのだよ。

人間は簡単にその愛を踏みにじるのだから・・・。


お前も・・・。










大きなお腹のラプンツェルは泣きくずれた。


魔女は煙のようにどこかへと消えた。










新しい魔女はもう産まれたから。

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