start life
『毎日、同じ事の繰り返し。朝起きて 学校に行って 友達と話して 飯くって 寝る。
だいたいこの繰り返し。変わるといっても学校の行事や休日くらい、こんなの変わったと言えるのだろうか?
なのに周りの街や人はどんどん変わっていく
昔の面影さえ残っていない場所もある。
こんな人生楽しいのだろうか?
でも死にたくはない。
ただずっと同じ日々を過ごして生きている。
昔も。多分これからも……』
俺は学校に着いていた。
下駄箱に靴をしまって教室へ行った。
教室は3-4で席は窓側の前から三列目。
いつも授業を受けているふりをして空を見ていた。毎日雲の形は違うのにいつも俺は同じように過ごしていた。
中高一貫だから部活もなく受験もない。そのせいか毎日が本当につまらなかった。
「おい、遊登」
誰かが俺に話かけた。
棚木 哲だ。俺と同じサッカー部の部員で一番一緒につるんでる親友的存在だ。
「お前高校の部活でる?そろそろでないと先輩に嫌われるよ」
「なんでだよ」
「普通もう顔だしとくんだよ。名前とか覚えてもらったほうが後々楽だろ?」
「あぁ」
俺はサッカー部にでる気はなかった。出るのが面倒くさいし先輩とは仲が悪くて顔も合わせたくなかった。
「お前さぁ」
「ん?」
「サッカーやんないで毎日なにやってんの?どうせやることないんだろ」
確かにそうだ。やることなんてなにもなかったし……。
「いいだろ別に。」
「なに怒ってんだよー。お前最近元気ないぞ?部活やってる時はあんな楽しそうだったのにぃ。部活やらない?」
「うん、考えとく…。」
そう言って学校を出た。 学校帰りにいつもドーナツ公園という小さな公園で時間を潰している。
帰ったところで喧しい親がいるだけ…。
いつものようにドーナツ公園へ行くと1人同じ制服をきた女の子が座っていた。
その女の子は1人何かを言っていた。
「人間は残酷な生き物です。ただ空を見て生きるしかない動物。不幸ばかり見えて幸せが見えない残酷な動物。」
その話に興味があった俺は彼女の隣に座った。
「だけどもし幸せしかみえない世の中だったら、幸せというものはなかったんじゃないか?」
「えっ」
彼女は驚いた顔でこっちを見た。
「あなたは…?」
「俺は峪野遊登って言うんだ。いつもここで暇を潰してるんだよ。」
「……わ、私は空葉明菜っていいます」
「そらはあきな?いい名前だな」
「ありがとうございます。」
「今日はなんでこんなとこにいるんだ?」
「えっと、暇つぶしです!!」
さっきまで人間について語ってたのは暇つぶしだったのか…
「そうか。同じ学校だよな?」
「はい。」
「何年何組だ?」
「三年二組です!」
同じ学年だとは驚いた。一年生に見えるくらい小さかったから…
「おれは三年四組にいるから良かったら遊びに来いよ。待ってるから」
「はい。」
「じゃ俺はもう行くな。」
「はい。さよなら峪野さん」
俺は手を振って家に帰った。