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ひとりじゃなくふたり  作者: 三山 千日
報告に行く
6/48

味で思い出す

 ◆


「明日、ちょっと出てくる」

 『弟』が浮かない顔で食べていた芋の煮物を嚥下した後、ポツンと告げた。

「そうか。気をつけて行っておいで」

 喧嘩した友の所か果たし合いかは定かでないが、大人が首を突っ込むのは野暮だろう。


「母ちゃんトコ、行ってくる」

「俺も行く」

 電車を乗り継がないと行けない他県に、一人で行かせるのはまだ早い。



 ◇


 芋の煮っ転がしを食ってたら、ふと母ちゃんを思い出した。

 味付けが自然と寄ってくんだなって思うより先に、先だって逝った親父の報告をしねーとなって。

(まあ、とうに会ってっかもしれんけど)

 母ちゃん、泣いてなきゃいいけど。


「俺も行く」

 慌てた様子の『兄貴』を怪訝に見やる。顔はいつもどおり無愛想なのに、その面に『心配』の字が見えるようでウケる。

「何度か行ったことあっから、電車も道も間違わねーよ」

「……帰りにうまい飯を食おうと言っても?」

「ゴチになりまぁす!」

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