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ひとりじゃなくふたり  作者: 三山 千日
始まったばかりの日常
4/48

大雨の日に

 ◆


「『兄貴』」

 大雨の夜、自室にいた『弟』が珍しく居間に来た。

「その、平気か、雨」

 戸惑いと不安、気恥ずかしさをない交ぜにした顔に察する。

 施設ではあまり一人でいることはなかったろう。

「助かる。来てくれるか」

 やはり、ひとりは不安だものな。



 ◇


 外は大雨だ。施設ではこんな時、チビ共が怯えるからあやすのが大変だった。

(あの人は平気かな)

 最近できたひと回りは年の離れた肉親は、居間で一人、どうしてるだろう?


「『兄貴』」

 振り向いた相手の姿を見て安心した瞬間、気付いちまった。

 ――大雨で不安がってたのは、他ならぬ俺の方だ。今も、そして施設にいた時だって。

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