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ひとりじゃなくふたり  作者: 三山 千日
始まったばかりの日常
3/48

憧れ

 ◇


 ガキの頃、デケェスイカが憧れだった。だって、爺ちゃんが「食いきれん」って買ってくんなかったんだよ。

 施設では、デケェスイカはあったけど、皆で分けるから俺の取り分ひと切れだけだしで、やっぱりデケェスイカは憧れだった。


 んで、昨日、店でスイカ見つけて『兄貴』と思い出話したのがきっかけで、買ったんよ、大玉を。

 爺ちゃんがスイカに消極的だった理由、飽きるほどわかったわ。



 ◆


 家族が一人か、いなかった俺にとって、大玉スイカは縁遠いものだった。大体、あれは大勢で楽しむものだから。


 昨日、スイカを見た『弟』から『デケェスイカが憧れ』と聞いて迷わず買ったのは、その気持ちが少しわかるからだ。

 今はひとりじゃなくふたり。なら、スイカの一玉くらいどうとでもなるだろ、と。


(どうとでもなるか?)

 冷蔵庫一段を占領するスイカの残りを前に、俺達は途方に暮れている。

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