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『兄貴』と『弟』
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――" "にお前の弟がいる。
そんな、ふざけたことを宣う手紙が届いた。
差出人は俺とその『弟』とやらを別々の地で生産しておいて、手前はとっとと蒸発した男だ。
手紙によると、俺と『弟』は近々、互い以外に頼れる肉親がいなくなるのだとか。
(馬鹿を言う。近々どころか元々だろうが)
……まあ、ひとりよりはマシか。
◇
一昨日、年の離れた『兄貴』が突然できた。実の兄なんだと。
そんなことある? って本人の前で驚いてたら、あっちも「俺もそう思う」って無愛想な顔をやっと少し崩して苦笑してた。
んで、今日はとうの昔に蒸発して、顔さえ知らんクソ親父だった骨を一緒に拾ってる。