5話 あの光 異世界行きにつき!
「勇者召喚をやったのは、この国だけじゃないんだろ?」
そう言い放った夜空に対して、少したじろぐイスカル
「なんで分かったんだい?」
「その反応、当たり...なんだな?」
イスカルの挙動と目を見て、夜空は確信する。
「....」
「今からの話はあくまでも、俺の予想だぞ.....見当違いでも笑うなよ」
イスカルは、興味がありそうにこちらに体を向けて話を聞く姿勢に入った。 その後、夜空は淡々と自分が分かった理由(仮定)を語りだした。
「まず最初にこの世界に来る前...俺たちの世界では、複数回の光みたいなものが数日かけて何回もピカピカ光ってた。 あの光の正体までは知らんが、あれは召喚前の準備かなんかだったんじゃないかと踏んでる。 その上で宰相に質問して、直ぐにこちらの世界が一枚岩で成り立っていないことに気づいた」
「勇者側にはそのことは伝えていないハズなんだけれど...」
「あの宰相の指示なんだろ? 余計な詮索や疑念を抱かせない為に言うなって」
その言葉が図星だったのか、イスカルは黙る。
「今にして思えば、俺が宰相に嫌われてた理由もなんか分かる気がするな。 後々になって真意に気づいたんだろ」
夜空が続ける。
「それで俺は......この世界の東西南北に大陸があることを知って、東大陸が仮名称だということも知った」
「夜空君、キミは...敵に回したくないタイプだよ」
確かに疑い深い性格ではあるが、別に恐ろしくはないだろうに。 夜空はそのまま話を進める、自分の中での真相を一つ一つ確認していくように。
「普通、大陸名なんてのは最初に決めるべきことだ。 だがどういうわけかこの世界では大陸名を決めてこなかった。 そしてそのまま数多くの国ができて、敵国や友好国ができてから初めてその議題が上がったんだろ? でも敵国の決めた名前の大陸に属するなんて、国の主はどうでもよくても国に住む人間たち...愛国者にとっては侮辱も良い所だ。 当然、そんなことすれば信頼は地に落ちる」
「どこの国も同じようなことを考えた結果、大陸名は仮名称ってことになったんだろ? だから敵国に対抗するために、くっだらねぇ対抗心燃やして勇者召喚する国も現れるんじゃないかなーって思ったわけ.....少し飛躍したかな」
「で、仮想敵国や諸外国がやってるのを知って、自分たちもやらなきゃと判断し実行、その実行した国の敵国が同じことを...ドミノ倒しみたく繰り返していった結果が、あの無数に降り注いできた光の正体だ」
夜空は息をふうと吐くと、再び話を再開する。
「国の対応を見ても、俺達はまるで国家の軍事力そのもののように感じるからな。 だから逃がしたくないんだと思う。 自分たちの戦力として国へ置いておきたい...他国への牽制の為にな」
「なるほど...概ね合っているね」
イスカルは少ない情報からよくここまでたどり着けたと感心していた。
「次に俺よりも前に消えた連中の行方だ...いくつか説はあったけど、他の国が勇者召喚を行ってるんじゃないかなって気づいた時には、多分他の国にバラバラに散ってるんじゃないかなって感じ始めてた。 そして、さっきのイスカル...あんたの回答で全てがつながった」
「まさか、この約一週間...ずっとそれを考えていたのかい?」
イスカルが驚いたように呟く。
「ずっとという訳じゃないけど、自分の置かれてる立場くらいは知っておきたいしな。 ...あぁ、安心してくれ。 あそこで呑気に笑ってる連中にはこの事実を伝えはしない」
「何故だい? 軍隊長の立場としてはとても助かるんだけど...彼らだって、故郷の者に会いたいという心くらい持ち合わせてると思うのだけれど」
「急に誰彼に会いたいってバラバラに散られるよりも...今はアイツらの団結を高めて、共に戦うという選択肢を作ってやるべきだと勝手に思ってるからな。 そのうち世界の情勢が変わって、嫌でも気づくだろうから、今無理に言う必要性もないかなーって」
それに...これ以上、面倒を増やしたら大庭先生が過労死しそうだから不憫で言えない。 それに、この言葉は自分が妹を探しに行かないようにする言い訳でもある。
夜空は窓越しに、他の女生徒にお酌されている疲れ切って萎れた大庭先生を見て申し訳なさそうに手を合わせる。 その動作の意味を理解したのかイスカルが苦笑する。
「会話の途中『あたかも仲間を大切にするような』と言ってたけど、夜空君は夜空君なりに仲間を大切に思っているんだね」
「別に仲間とかそんなんじゃねーよ。 名前知らなくても、同郷のよしみが死んだら目覚めが悪いからな.....誰もやらねーからやってるだけだよ」
「君のような考え方が...みんなできたらいいのにと思うよ」
イスカルはそう言うと、胸元からロケットペンダントを取り出し中を開く。 中にはイスカルの妻と子供と思わしき2人の赤ん坊が写っていた。
「結婚してたんだなイスカル」
「あぁ、見えちゃったかい? 結構前に撮ったもので、今はどっちも4歳なのだけどね」
そう言ってロケットペンダントの中の白黒写真を、軽くこちらに見せるように向ける。
「いやまぁ、アンタほど有能なら普通っちゃ普通だけども」
「僕がこの国で騎士になろうとしたのも、全て家族を国から守るため...だから僕は別に、国王に忠誠があるって訳じゃないんだよね」
普通にとんでもないことを聞いてしまった。
「それって大丈夫なのか...その色々と」
「うーん、大丈夫じゃないかな。 国側が僕を留めておきたいみたいだしね...その反面、周りには面白がられないけどね」
随分変わった主従関係だ、まるで国がイスカルを何が何でも繋ぎとめておきたいみたいに感じる。
「家族が大切な気持ちは分かるよ...俺も多分だけどこの世界のどこかに妹が居るからさ」
それを聞いたイスカルが少し疑問そうに言う。
「多分...ってことは来てない可能性もあるってことかい?」
まぁ、その可能性もなくは無い....が、俺は基本的にその可能性は無いと考えている。
「希望的な想定はしないことにしてるんだ、これに限った話じゃないけど」
「誰しも先不明瞭な状況には、必然的に救いを求めるものなのに夜空君は本当に面白いな。 ...この国の人間だったなら部下に欲しい位だ」
それだけはマジ勘弁、入隊初日で音を上げそうだ。
「買い被りすぎだイスカル、ちょっと口が悪いただの一般人だよ俺は」
夜空とイスカルは、互いフッと笑いあった後イスカルは『仕事に戻る』と言って、バルコニーを出ようとして足を止める。
「夜空君、最後に一ついいかい?」
「まだ何か?」
「君達勇者にこんなこと言うのはどうかと思うんだけどね、夜空君だけには言うよ...君たちは不完全だ。 正式には勇者の...ひいては天賦の力がってことだけど」
「...くれぐれも天賦の力を信じすぎないようにね」
意味深なことを言ったイスカルを目で見送ると、今の言葉を思い返す。
天賦の力は不完全...。
なんのこっちゃよくわからんと、星が輝く夜空を見上げて...温井さんや春も同じ星を見ているんだろうかと少し感慨に浸った。
=*=*=*=*=*=
しばらくバルコニーで夜風を堪能した後、夜空が広間に戻るといつの間にか、臨時で置かれた玉座に王が座っていた。 隣には顔は笑っているが、何故か不機嫌そうな王女も隣に居た。 初めて謁見した時の、にこやかな笑顔はそこには無く、嫌な印象を強く受ける。 しかし、宰相は何故かその場におらず...妙な印象を受けた。
(国の内情を知った後だと、コイツ等がゴミに見えてしょうがないのはどうしようか...)
そういえば考えてみれば、この一週間王城の外に出たのは召喚された神殿からここに来た時に一回だけだった。 夜空は心の中で、一度自分の目で国を見てみる必要性があるかもしれない考えた。
「皆の者静まらんかッ! 父君が話されるぞ!」
まるで別人のようになった姫が楽しかった雰囲気をぶち壊し叫ぶ。 その言葉に貴族やその息子、夜空を含めた勇者一行が静まり返る。
「この度は我が国に勇者がやってきたこと、大変喜ばしく思う。 さて勇者諸君、我々国家から最初の依頼をこの場で受け渡そうと思う」
そこまで言うと近場に立っていた使用人が王に近づき紙を渡す。 王は、紙を開いて中を確認して数回ウンウンと頷く。
あれ? そういえば本当に宰相の奴どこ行ったんだ?
トイレにでも行ってるんだろうか?
「大庭よ、我が前に参られよ」
大庭先生を、真っ直ぐに見つめ口を開いた、断れるわけもないその言葉に動かされるように、なにも事情が分かってない大庭先生が前にスタスタと歩いていく。 どうやら数日間でかなりメンタルが鍛えられたのかもしれない。
....いや涙目でビクビクだった。 何にも変わっちゃいなかった。
「大庭よ...これを、国からの正式な依頼である」
オニキス王はそう言うと一枚のスクロール型の手紙を渡す。 大庭先生はスクロールを受け取り、一回深々と頭を下げると再びさっきの場所へと戻ってきた。
「勇者に今回頼むのはブラウジーコニウムの関係である! この場に居るものならこの意味が分かるであろう!?」
その言葉に、周囲が沸き上がる。 所々で『これで安心だ』とか『今日はよく眠れそうだ』などの声が聞こえてきて、とても今から怖くて行けませんって言える雰囲気では無くなってしまった。 あの宰相に完全に外堀を埋められた。
ブラウジーコニウムっていうのは確か、この国の心臓である蒸気機関車のメイン燃料として使われている可燃性鉱石のことだ。 ということは採取系統の依頼か?
「夜空君夜空君...」
後ろに居たイスカルが小さな声で声をかけてきた。 声から察するに、結構な面倒事押し付けられたようだった。
「コレ、結構ヤバめの依頼?」
「僕の知ってる範囲の難易度なら、かけだし冒険者パーティでも連携がとれていれば苦戦しない程度...といった所だったんだけど。 ごめんね...この件に関しては僕は管理外でね、詳しくは分からないが勇者様側に依頼が回ってくるほどだから、恐らく難易度が跳ね上がってるんだと思う」
それ今の俺達だとかなりヤバくね!?
急ぎで対策を講じた方がいいかもしれない。
「勇者の出発は2日後を予定している! 皆の者、朗報を期待して待つがよい!!」
まるで勇者は国の備品だとでも言わんばかりに、俺達の意見はガン無視して話が進んでいき。 気が付くころには広間での宴会が終了していた。
宴会終了後、オニキスへの葉日学園からの召喚者は全員、防音バッチリの会議室に集められた。 勇者各員は輪になるように椅子に座り、皆一様に心配そうな顔をしている。
最初に話を切り出したのは、当然のことながら大庭先生だった。
「あわわっ本当にどうしよう...まずこれっ、これを見て欲しいの...王から渡された手紙なんだけど」
全員前に身を乗り出し、丸机の中央らへんに置かれた手紙の内容を確認する。 そこには....
【オニキス帝国保有鉱山にて、フレイムバット亜種型が5体発生した撃滅せよ...また死体に関しての個人的売却行為には深く問わないとす。 以上】 と書かれていた。 紙にはその他にも、現時点での被害状況や出現予測地点などの詳細なデータが乗っていた。
「そもそもフレイムバッドって何?」
誰かの口から漏れたその言葉は全員が持っている疑問だった。 直訳なら炎のコウモリ、言葉通りのイメージなら、さしずめ炎を操ってくる飛行モンスターといった所だろうか?
「あのぉ...み、皆さんって....なんというか。 その、戦えますか?」
大庭先生がおどおどしながら聞いてきた。 夜空が周りの連中を見ると、自信満々に頷く者や自信は無いけどまぁ頑張れば出来るよって感じの者、絶対無理ですの一点張りの者の3つに分かれた。
「夜空君は...どう...かな?」
困ったら俺に振るの止めろ、注目されるだろうが。
大庭先生の質問へ、俺が回答するよりも早くテルテルが口を出した。
「夜空氏は天賦が農作物強化だそうだから多分無理ですぞ~」
色んな人がこっちを見ずに、クスクス笑ってるのが聞こえてくる。 何言ってんだあのデブ...と一瞬思ったが。 あぁ、そう言えばそんな嘘ついたなと思い直す。
これはこれで都合がいいので、俺の天賦は農作物強化ってことにしとくことにした。 仕事が無いのはとても良い事だ、面倒事はなるべく回避するに限る。
「じゃ..じゃあ皆さん、各自で覚えたスキルを使えるようにしておきましょう。 今日は遅いですし解散にしましょう」
「「「はーい、先生―――」」」
........ん?
ちょっと待て...今大庭先生、各自で覚えたとか言ってなかったか?
夜空は嫌な予感がし、恐る恐るテルテルに聞く。
「おい...テ、テルテル? 今お前...スキル何個もってるの?」
「えーと、手引書で覚えたやつ含めると3個ですぞ?」
テルテルに完全敗北し、俺の異世界物語が終了する音が聞こえた。
=*=*=*=*=*=
「やべーぞコレは、マジで洒落になってない! 人の命とか気にしてる場合じゃなかった、一番危ないの俺じゃんッ!!」
使用人寮の部屋に戻った夜空は、ベッドの上を転がりながら眠くて働かない脳をフル活用していた。 とにかく、付け焼き刃でもいいから徹夜で、イスカルに短剣の使い方を一つでも叩き込んでもらおう。 とにかくスキルとか以前に自分を守る術を手に入れなくては!
「何もできずコウモリ如きに焼かれたりした日には、自分より年下の連中に絶対笑われるゥッ!!」
朝起きた夜空は、駆け足で朝練を一人行っていたイスカルに会いに行っていた。
「夜空君...しばらく付き合って分かったけど、君は頭がいいのか悪いのか分からないことがあるね」
「どうにかなったり...?」
「筆記の試験じゃ無いし...剣士への道は一日にしてならず、流石に僕でも無理だよ」
ですよねー-!
「そういえば君の天賦ってなんだったかな?」
そういえば、この一週間一緒に居ることが多かったのに伝えてなかったっけな。
「簡潔に言うと、死んだ動物の力を奪えること...かな」
魔物の力を奪えるとか言わない方がいい気がしたので伏せた。 それに俺の感覚からしたら、魔物も動物みたいなもんだから嘘は言ってない。
「勇者にはそんな力まであったのか...凄いな」
イスカルは顎に手を当てて感心する。 イスカルはもしかしたら、召喚前に勇者のことについて調べていたのかも知れない。
「で、どうだろう。 有能そうなスキル持ってる動物のあてとか無いか? なるべく反撃してこないような弱そうな動物で!!」
イスカルは少し悩むと、思いついたかのように顔を上げて。
「....ネズミなんてどうだろうか? スキル研究をテーマにしてる国の学者が、一昔前に論文で『動物もスキルを持っています! 使用する為の知能が無いのです!』って発表して称賛されていたのを思い出したよ」
「ネズミは強いスキルを持ってるのか?」
「耐性系統のスキルを持ちやすい傾向があるらしいからね。 フレイムバッドなら、火炎耐性を習得していけばそんなに燃えることも無いんじゃないかい?」
ダメじゃん!結局燃えるんじゃねーか!!
でも他に選択肢なんてないしなぁ....。
「ネズミ位なら城下町か貧民街に居るかな...少し出てくるよ」
そう言って背を向けて去ろうとする夜空をイスカルは呼び止める。
「貧民街は治安悪いからコレを...あとお金を少し持っていくといい」
そう言って、訓練用の軽量のショートソードとお金を15銀を手渡してきた。 特に特徴もない普通のショートソードって印象を受ける。 この世界の15銀が、日本円でどのくらいか分かってないのだが、とてもありがたいことには変わりない。
「ありがとうイスカル...行ってくる」
そう言ってその場を後にした。 門周辺の警備の騎士に、軽く会釈をして城下町へ向かう城のある坂道を下っていき、ベルトコンベア走る城下町に辿り着いた。 大通りは人で溢れており、立ち並ぶ出店から揚げ物のいい匂いが流れてくる。
夜空は貰ったお金をチラ見し、揚げ物値段を見ると『コロッケ』3銀2銅と書かれていた。 出店のおっちゃんにコロッケを一つ頼むと、近場にあった伝声管に向かって一つ頼むと叫んだ。
「あのー作らないんですか?」
「んぁ....あぁあんた外国の人か、今作ってるさ。 見とけよこれが運送の国の売り方だぜ」
おっちゃんはそう言うと向かいにある、空中でベルトコンベアが繋がれている2階建ての家を見る。 お、きたきたとおっちゃんが言うと窓が開き、ベルトコンベアが動き始める。 ベルトコンベアには揚げたてのコロッケが流れており、流れて流れていつの間にか、おっちゃんの手のひらの上に6個のコロッケが乗っていた。
「ナニコレ」
「がーっはっはは! まぁ初見はそうなるよなぁ、すぐ慣れるさ旅人さんよ! おまけしといたからな、また食いにこいよー-!」
夜空は、正直関心してしまっていた。 衛生面からも建物の中で調理したほうがいいし、風とかによる火事の心配も減る。 これが国のテーマ、国が一つのことを極めてる姿は心がワクワクする。
「うまっ! このコロッケうまっ!」
コロッケを食べながら人混みを抜け、どんどん西側を目指す。 西側に行けば行くほど治安が目に見えるように悪くなっていく。
だが、治安が悪いと言っても、別によくある金をせびってくるようなチンピラが居るわけでは無かった。 事態はそれよりももっと最悪だった。
「クル爺があんな苦しそうにしてたのがようやく分かったな...これは酷い」
貧民街で生活している人たちは怯えた目をしながらフラフラと生きる。 子供から年寄りまでみんな一概にそうなのだ。
「おなかすいたよぉ...おかあさん...」
子供がこっちを見て泣いている....夜空の手に持っている4個のコロッケを見ているようだ。 その子供の母親は疲れた目をしながら『ダメよ』と言ってその子を連れて行こうとする。
「そこの子待って!」
その言葉に母の手を振り切ってこちら側に近づいてくる子供、その子供からはお世辞にも良い臭いとはとても言えないほどの臭いがして、この子が何日も水浴びしていないことを察する。
「お兄ちゃんお腹いっぱいでさ....これ食べてくれないか? 他にも欲しい子がいたらあげてもいいからさ」
そういうと夜空の手からコロッケをひったくるような形で取り。 むしゃむしゃとその場で全てを平らげてしまった。 ....おいしいおいしいと涙しながら。
母親は、どうもご親切にありがとうとだけ言って、子供と一緒に貧民街の奥に歩いて行った。
西側は差別される理由があるとは聞いていたが、あんな幼い子が見ず知らずの他人から、分け与えられた食料を涙しながら食う国なんて間違ってるに決まってる。 例えどれほど国が儲かっていようと...それだけは絶対間違いなんだ。
「一番届けなきゃいけない場所に物資が運ばれてないのに何が運送の国だ! 舐め腐りやがって!」
勇者なのに...勇者のハズなのに...救いを与えてやれない自分の弱さにも....。
酷く
酷く
嫌気が指した昼だった。
==☆次回予告☆==
5話の閲覧お疲れさまでした。
明かされた勇者召喚の謎、そして始まるこの世界での初めての戦闘。 しかし、主人公君戦うための用意が何一つ出来ていませんって所で終わりましたね? 早くこの先の予想外の展開をお見せしたくてウズウズしております(笑)
今回のプチ話は、スキル手引書についてです。
読むだけでスキルを簡単に取得できますが、スキルが強力だったり複雑だったりする物は金額がバカみたいに高かったり、そもそも手引書が作れなかったりします。 勇者達は作中で普通に手引書使ってますが、国から支給でもされなきゃまずそんなに使えません。
...スキル習得作業を本にできるという設定自体は覚えておくと楽しい事になるかもしれません。 ただのヒントか伏線かは伏せておきますね(笑)
次回、6話......6話 その耐性 ネズミの力につき!
是非次回もご朗読下さい!
ではでは~