ハイパーアンハッピーグルメリポート
「みなさ〜ん、デリシャスしてますか〜? アンハッピーグルメリポーターのデリシャス佐藤です! 今日もハイパーアンハッピーでスーパーデリシャスなグルメをじゃんじゃんリポートしていきますよ~!」
「さあて、今日の一品目は……こちらです! お分かりですか? 写っているのは、とある人物のスマホです。そして、その画面に表示されているのは某アプリのガチャ結果。なんとLUSSRの超激レアキャラクターなんです!」
「『ふざけるな、佐藤! こんなゲテモノ料理、誰が食うか!』……怒りのままにちゃぶ台を叩き割る皆様の姿が目に浮かびます。どうか心を落ち着けてこちらをご覧ください。画像をズームアウトしていくと……」
「そう! このスマホ、今まさに勇敢にも側溝めがけて無謀な紐なしバンジーに挑戦するところなんです! この機種、素晴らしいことに防水ではありません。おまけに目を凝らしてみると着地先には新鮮なワンちゃんの落とし物まで添えてあります」
「さ・ら・に! 勘のいい視聴者様は不思議に思っていらっしゃるはずです。『いったい、この画像は誰のスマホで撮ったんだ? まさか、ヤラセじゃないだろうな!?』」
「ご心配なく。運命という名の一流シェフが生み出した奇跡の絶品料理、これを我々に提供してくれたのは何を隠そう、スマホの持ち主の彼女なのです!」
「撮影は正真正銘、ただの偶然だったそうです。まさに神の気まぐれランチというべきでしょう。すぐに消してしまえば良かったのでしょうが、数十分間の放心状態から我に返った彼氏は、彼女のスマホを見てメロスも引くほど大激怒。流れるように破局に至ったのだとか」
「できれば二人の素敵な暴言のドッジボールもご紹介したいところですが、残念ながら一発BAN間違い無しのスコヴィル値カンスト激辛グルメなので、泣く泣くカットいたしました。まあ、このエピソードだけでもデザートとしては及第点ですよね! さて、それでは次の料理を……」
ピンポーン
「……あれ。こんな時間におかしいな。宅配ピザなんて頼んだ覚えはないのですが……」