力の取入れ
エンビデスはピトリ女王ヴェイシャに宿りし邪を滅する魔力をエイムに取り入れる儀式を行い、儀式を終えた瞬間にエンビデス、ヴェイシャはその場にしゃがみ込み、エイムはその場に立ち尽くし、ギン達がエイムに呼びかける。
「エイム!大丈夫か⁉俺達の言っている事が分かるか?」
「ギンさん、あ、はい、私は大丈夫です」
「でも、なんか上の空に一瞬見えたけど?あれは一体どうしたの?」
ヨナが問いかけるとエイムは自分が感じた事をそのまま説明する。
「えっと、なんていうんですか、私は生まれてすぐに精霊と契約をしていたという話は聞いていたんですけど、多分もし私が自分の意志でしっかりと契約していたらきっとこんな感じなのかもと思ったんです」
「つまり、それってどういう事?」
「私が物心ついたときには契約した精霊の力が私の中にあったんです。少し違うかもしれませんが新しい精霊の仲間が私の中に増えた感覚なんです」
「精霊と契約できるほどの魔力のないあたしには分からないけどエイムに疲れや体に異常がなくて良かったよ」
エイムの説明を聞いてとりあえず、エイムの身体や命への影響はさしてないことにヨナは安堵するが、しゃがみ込むヴェイシャに駆け寄ったルルーはヴェイシャに強く呼びかける。
「女王陛下、大丈夫ですか?お身体のほうはいかがですか⁉」
「リーザが倒れたから覚悟はしていましたが、やはり少し辛いですね」
「お待ちください、今私が魔力を分け与えます」
「ならぬ!」
ルルーが儀式による疲労の激しいヴェイシャに魔力を分け与えようとするが、エンビデスが声を振り絞って制止し、ルルーが返答をする。
「エンビデス⁉でも女王陛下は相当お辛そうよ、それにあなただって……」
「私と女王陛下の事なら心配はいらぬ、このような事態を想定して魔道師団を引き連れてきたのだ」
「だけど……」
「これからお前達は魔族の根城に乗り込むのだ、無駄な魔力の消費は避けるべきであろう」
エンビデスがそう言葉を発するとムルカがエンビデスの話に同意し、ルルーに声をかける。
「エンビデス殿の言うとおりだ、もはや我らは引き返せぬ戦いに臨むのだからな」
「ムルカ様、はい、そうですね。でもエンビデス、あなたもだけど女王陛下にもご無理をさせないでね」
「当然だ」
エンビデスとルルーがやり取りをしているとギンがエンビデスに呼びかける。
「エンビデス、この祭壇からどうやって魔族の本拠に乗り込むか教えてもらってもいいか」
「そうだな、おい!」
「はっ!」
エンビデスが部下に命じ、祭壇を探らせる。果たして魔族の根城に乗り込む方法とは?




