王都へ向かえ
かつてリーザが過ごした孤児院の寮長よりリーザが有力貴族から地方領主の元へと養女として送られた事。
そしてリーザの姉で魔族が狙っているであろうもう1人がピトリの女王ヴェイシャである事を知らされたルルーとムルカは一刻も早く王都に向かうべく孤児院をあとにする。
孤児院から出てきたルルー達にギンが声をかける。
「ムルカ殿、ルルー、何か分かったか?」
「とりあえずみんな落ち着いて聞いて、実は……」
ルルーはギン達に寮長より聞かされた事実を話し、その話を聞いた一同は驚きを隠せず、まずブライアンが言葉を発する。
「しかしすげえな、守る為とはいえ、他家に養女として出すなんてな」
「ピトリは前から魔族の台頭を予見していたし、2人まとめて連れ去られる事はどうしても避けたかったはずよ」
ブライアンとルルーのやり取りを聞いてジエイが2人に声をかける。
「しかし、それが事実とするなら予定を変更し、直接王都に向かうのが良いでしょう」
「もちろんそうするつもりよ、魔族が王都に侵入してしまう前に急がないと」
ルルーの発言を聞いたギンは一同に呼びかける。
「それじゃあすぐに出発するぞ、みんな馬車に乗ってくれ」
ギンの掛け声で、一同は馬車に乗り込み、ジエイは貸馬車の御者に声をかける。
「御者殿、進行先を王都に変更をお願いします。無論追加料金はお支払いしますので」
「分かりました」
こうしてギン達はピトリ女王への事情の説明と状況によっては護衛することも考えながら、一路王都へと向かって行く。
孤児院から数日かけどうにか王都に到着するが、今の所魔族の襲来した様子はなく、ルルーが一同に声をかける。
「まだ魔族が襲来してはいないようだけど、早くピトリ女王にお知らせしないといけないわ」
「そうだな」
「とりあえず、まずは私とムルカ様がお話をしてみるから、護衛の要請があればみんなにも城に入ってもらうようお願いしてみるわ」
「頼むぞ」
ギンの言葉を受け、ルルーは頷き、ムルカにも声をかける。
「それではムルカ様、参りましょう」
「うむ、皆はここで待っていてくれ」
そう言って、ルルーとムルカは王宮へと向かって行き、ジエイは貸馬車の御者に声をかける。
「御者殿、ここまでご足労感謝いたします。これは追加料金です」
「ありがとうございます。それでは私はこれで失礼します」
そう言うと御者は貸馬車と共に王都をあとにした。
そんな中、いよいよルルー達はピトリ女王に現在の状況を伝えようとしている。




