誤りの休戦
ギンとプラナの説得を受け、トーラスもカイスに対してプレツを中心とした反帝国同盟に加入する国家との休戦を進言することを決意するが、そのトーラスの発言を裏切り行為とみなした魔導師団長エンビデスがトーラスに対してギン達とまとめて討伐することを宣言する。
そんな時、エンビデスに声がかけられる。
「待って下さい、エンビデスさん、エンビデスさんも私達と一緒にカイスさんの説得のお手伝いをお願いします」
「エイムか、私は帝国の魔導師団長として皇帝であるカイスを支えなければならぬ。帝国1強状態を作ることこそが後にカイスの為になるのだ」
「でもそれはギガス皇帝が亡くなって失敗しました。これでは同じ事の繰り返しです」
「……思えばあの時、お前達との休戦を結んだのが誤りだったのだ。徹底抗戦の道を選び陛下の回復を待てば魔族共など恐れるに足らないはずであった」
エンビデスは以前ギン達との戦闘でギガスが敗北し、武神の力を消費しつくした時もに休戦案を結んだ事が間違いであると主張するが、その言葉にギンが反論する。
「だが、あの時の魔族達の狙いは消耗した側をそのまま始末するつもりだと言っていた。あの時お前達が徹底抗戦を貫けばもっと被害がでていたかもしれない」
「お前達ならばそうであったかもしれんが、我らは多くの戦力をまだ有していた。陛下さえお守りでき、武神の力が使える程に回復すればあの時の魔族など敵ではなかった」
「例えそうであったとしても、もう起きてしまったことは変えられない。俺達がしなくてはいけないのは争う事ではなく、力を合わせる事じゃないのか?」
「それでは再び帝国が割れる。前にも話したがお前達を敵視する者達は未だに存在するのだぞ」
ギンが反論をするもエンビデスは帝国がプレツと結べば必ず帝国が割れると主張し、頑として聞き入れない。
そんなエンビデスにエイムが言い放った。
「確かに私達を良く思っていない人がいるのは仕方ないかもしれません、でもだからといってここであきらめてしまえば前の私達の戦いは無駄になってしまいます」
「敵視する者を説得するのは容易ではない、その間に内乱が起きれば今度こそ帝国は終わりだ」
「それじゃあエンビデスさんも私達を敵視しているんですか?」
「何だと?」
エイムの放った問いにエンビデスはどう答えるのか?




