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第6手

 少女が助かったことで辺りは喧騒に沸く。

 オレはオレで今、使われた魔法に衝撃を受けていた。 

 今のは回復魔法ではなかった。

 なぜなら、少女の破けた衣服まで元に戻っているからだ。

 ということは時間遡行。

 少女の時間だけを轢かれる前の時間に戻したのだ。

 時間操作系の魔法なんて、不老不死や死者蘇生と並ぶ奇跡級の魔法だろう。

 それをこうも簡単に使うなんて…

 この世界、かなり魔法技術が進んでいるのかもしれない。

 そして、初めて魔法を見たことも衝撃なら、使った人間にも衝撃を受けた。

 およそ魔法使いには見えない風貌をしている。

 あんな形して、超高位の魔法使いなのかよ。

 そして、あの親の顔よりも眺めたは9×9の盤は…


 「手間かけさせやがって…前見て歩け、このド間抜け!」


 男がそう叫ぶと自分で助けた少女を蹴り飛ばした。

 何なんだ。あの男!??

 自分が助けた少女に暴力を振るっている??

 何度も何度も足蹴にして、罵声を浴びせ続けている。

 痛みつけるために治した??

 憂さを晴らすために奇跡を使ったのか???

 オレが本格的に混乱している中、男の少女への制裁は続く。

 周りの人間は誰も止めようとしない。

 

 「何で誰も助けないんですか? 冒険者は? 衛兵は?」


 らしくもなく、オレは隣にいた門番を問い詰めていた。


 「無駄だよ、あれはただのゴロツキじゃない。棋客だ。さっきの魔法を見ただろう。腕力で押さえられる相手じゃない。儂等が100人おっても何にもできん。軍隊ですら相手にもならん。奴等は事象そのものを変えちまうんだから…」


 門番の男は悔しそうに唇を噛む。

 よかった。

 オレ達の常識が間違っている世界ではなかった。

 だったら、今すべきはあの子の救出のみ。

 なんとか男の注意を引いて、その隙に助けられないものか。

 そう思っていたのはオレだけではなかった。

 周囲の衛兵達、審査の順番待ちをしていた男達は互いに目で合図し、囲いを作っていく。

 皆、この非道に我慢ならなかったのだ。

 全員で飛びかかれば、僅かな隙を作れるかもしれない。

 しかし、男はすぐに不穏な空気を察知し、動きを止める。

 そして、とんでもないことを言い放った。


 「何だ、お前ら? 文句があるなら、俺はいつでも指してやるぜ、将棋をな」



 読んで頂きありがとうございました。次回の投稿もなんとか頑張ります。

 ブックマーク、感想、評価、メッセージなどありましたら何でもお待ちしております。

 なかなか分量が増やせませんね。先週の反省を踏まえて、先んじて行動したはずなんですが。

 次回も日、月、火のどこかで投稿したいと思いますので何卒よろしくお願いします。

 最後に藤井先生、王位のタイトル獲得おめでとうございます。勢いがあったので、もしやと思いましたが…強すぎる。そして、早すぎる。

 時代はどんどん進んでいるということですね。

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